2021年1月15日更新

なぜアニメ「エヴァンゲリオン」は社会現象に?ヒットの鍵は作風と再放送にあった【「エヴァ序」地上波放送】

シン・エヴァンゲリオン
(C)カラー (C)カラー/Project Eva. (C)カラー/EVA製作委員会

1月15日から金曜ロードSHOW!で新劇場版3作が放送される「エヴァンゲリオン」シリーズ。テレビアニメの放送から20年以上ファンの心をつかんで離さない本作には、いったいどんな魅力があるのでしょうか?人気の秘密を徹底考察していきます!

目次

なぜ「エヴァンゲリオン」の人気は衰えないのか?シリーズの魅力を考察

1995年から1996年にかけて放送されたテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。2021年1月23日には、いよいよ新劇場版の完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開される予定でしたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発令によって、公開の延期が発表されています。 そんな「エヴァ」シリーズですが、本作の人気の秘密はどこにあるのでしょうか?20年以上前にはじまった作品がいまだに頻繁に考察されていることから、なぜ「エヴァ」はこんなにも観る者の心に刺さるのか、考察していきましょう。

「エヴァンゲリオン」シリーズとは【まずはシリーズ全体を把握しよう】

いまや日本を代表するアニメ監督として知られるようになった庵野秀明によるテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』は、1995年10月から1995年3月にかけてテレビ東京系列で放送された作品です。 物語の舞台は、大災害「セカンド・インパクト」が起きた2015年の日本。汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女と、謎の敵「使徒」との戦いを描いた本作は大きな話題を呼びました。 シリーズとしてはテレビ放送終了の翌年、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の2本の映画が公開に。 さらにその翌年の1998年には、前述の映画2作に新作部分を加えて再編集し「エヴァンゲリオン劇場版の本来の形」とされる『REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』が公開され、物語は一旦完結を迎えました。これら3作が「旧劇場版」にあたります。 「旧劇場版」から10年後、新たな劇場版として4部作「新劇場版」プロジェクトが始動。2007年に1作目の『ヱヴァンゲリオン新劇場版:序』、2009年に「破」、そして2012年に「Q」が公開され、2021年1月23日には、いよいよ完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開の予定でした。(新型コロナウイルスによって公開延期となった「シン・エヴァ」の公開日は、2021年1月15日現在決定していません。)

伝説はここから始まった!深夜の再放送がヒットの鍵に?

テレビアニメ放送開始当初、「エヴァ」はテレビ東京系列の夕方の時間帯で放送されていました。 斬新な設定と魅力的なキャラクター、そして複雑なストーリーで多くの視聴者を惹きつけた本作ですが、その映像のスタイリッシュさも“売り”でした。オープニングソング「残酷な天使のテーゼ」のアニメーションやエピーソードタイトルの文字がL字型に配置される演出など、それまでのロボットアニメとは一線を画すカッコよさがあったのです。 さらに注目を集めたのは、最終回直前の第25話と最終話。この2つのエピソードは難解で意味不明と話題になり、数多くの考察がなされるようになります。 実際には制作スケジュールの崩壊と制作費が底をついたことから、苦肉の策としてこれらのエピソードはそういった内容になったのですが、視聴者はこの幕切れに劇場版への期待をつのらせました。 1997年、劇場版の公開にあわせて深夜に再放送されるようになり、大人の視聴者の目に留まるようになります。これまで深夜帯放送の視聴率は2%取れればいいところを、「エヴァ」は5~6%を記録していたのです。 また、2004年にはパチスロ機「CR新世紀エヴァンゲリオン」が登場し、それまでアニメを見ていなかった上の世代も作品やキャラクターを知ることになります。そうして知名度と人気を上げた「エヴァ」は、幅広い世代に支持されるようになったのです。

90年代の不況や社会不安などが反映された作風

「エヴァ」がヒットした理由は、やはり当時の時代性にばっちりハマったことが一番でしょう。 90年代はバブル崩壊後、阪神淡路大震災やオウム真理教事件もあり、社会不安が広がっていました。そんななかで「エヴァ」の物語が迎えたラストはショッキングで、到底ハッピーエンドとは思えないものでした。視聴者にすごいアニメを見てしまったと思わせるには十分だったでしょう。 また、家庭に問題を抱えた子供が成人後もそのトラウマから逃れられないアダルトチルドレンという言葉が流行った時代でもありました。日本丸ごと不安定だった当時、「エヴァ」に登場する碇シンジや惣流アスカが抱えていた問題に共感を覚える人が多かったのです。 そんなこともあって当時の評論家はこぞってエヴァを論評し、エンターテインメント業界だけでなく一般のメディアもそれを取り上げました。これからもこれだけ幅広く語られるアニメというのは現れないのではないでしょうか。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズによってファン層は2世代に

一定の年齢層に絶大な人気と知名度を誇っていた「エヴァ」は、「新劇場版」シリーズの公開でテレビアニメ版を知らない若い世代にまで支持されるようになります。 完結編「シン・エヴァンゲリオン」にいたっては、前作「Q」から9年が経過しているにも関わらずその注目度は変わらないというのは驚異的です。 さらに「新劇場版」はテレビアニメや旧劇場版とはストーリー展開も違い、テレビアニメ時代から作品に親しんできたコアなファンもいまだに惹きつけているのです。 先述したパチスロへの参入から豊富なグッズ展開も積極的に行っている「エヴァ」。そして作品の舞台になっている「第3新東京市」が位置する箱根周辺とのコラボプロジェクトなど、アニメや映画を観ていない人にも浸透している知名度の高さも新規のファン獲得に役立っているといえます。

「エヴァ」がその後のエンタメ業界に与えた影響

監督を務めた庵野秀明の邦画や特撮の知識とアニメ技術を結集した『新世紀エヴァンゲリオン』は、『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)、『機動戦士ガンダム』(1979年)につづく「第三次アニメ改革」と呼ばれました。 また「エヴァ」は、主人公の精神状態が現実の世界に影響を与える「セカイ系」と呼ばれる作品の先駆けです。「セカイ系」とは主人公の内面の問題が「世界の終わり」など、大きすぎる問題に直結する作品を揶揄する言葉ですが、1990年代後半から2000年代に多く創作され、そのほとんどが「エヴァ」の影響下にあると考えられています。 すでに紹介したとおり、「エヴァ」の再放送が高視聴率をマークしたことから深夜にアニメ作品を放送するテレビ局が増え、「深夜アニメ」という新たなジャンルも生まれました。ゴールデンタイムに放送されるアニメ作品が減る一方で、深夜アニメはいまや一大ジャンルとして一定のファンを獲得しています。

「エヴァンゲリオン」はいつ観ても面白い!この機会にシリーズを振り返ろう

テレビアニメ版の放送が開始された1995年から、実に26年にわたって人々を魅了しつづけ、新たなファンも獲得している「エヴァンゲリオン」シリーズ。魅力的な世界観やキャラクター、そして謎の多いストーリーで、いつまでも視聴者を釘付けにしているのでしょう。 金曜ロードSHOW!では1月15日から3周連続で「エヴァンゲリオン新劇場版」3作が放送されます。 NetflixやAmazonプライムビデオなどの動画配信サービスでも作品が配信されていますので、この機会に振り返り、観たことのない方は「エヴァ」の世界に触れてみてはいかがでしょうか。