今さら聞けない「VOD」ってなに?映画は劇場で観る時代からおうちで観る時代へ【動画配信サービス】
劇場公開が延期だって、VODで観ればいいじゃない!これからの時代をつくる新しい映画界の“3つの動き”を解説
緊急事態宣言が再び発令され、またしても新作映画の公開延期が相次ぐ事態に。映画好きとしてはテンションが下がってしまいますね。そんなときは、VODサービスを利用してみてはいかがでしょうか? VODとはビデオ・オン・デマンド(Video On Demand)の略で、視聴者が観たいときに観たいコンテンツを視聴することができる動画配信サービスのこと。 近年、NetflixやHulu、Amazonプライムビデオ、U-NEXTなど、サブスク型(定額制)のVODサービスが人気を集めています。わざわざレンタルショップでDVDを借りなくても、1つずつの作品を購入しなくても、月額を払えばネットでさまざまな作品を見放題で視聴できるのが魅力です。 今回は、そんなVODサービスに関係する映画界の新しい動きを3つ紹介しましょう。
1. 映画が劇場公開と同時にVODでネット配信されるように【インターネットが映画館】
ハリウッドでは2021年公開の映画17本を、劇場公開と同時にVOD配信予定!
2020年、アメリカではコロナの影響で多くの都市がロックダウンし、映画館は営業停止に追い込まれました。そんななか、新たな映画公開の方法として注目を集めたのがVOD配信です。 ワーナー・ブラザーズは、新作映画を劇場公開と同時にVODサービス・HBO Maxで配信することを発表。2020年12月25日、映画『ワンダーウーマン1984』が劇場公開と同時にHBO Maxで配信開始となりました。2021年も注目作品が続々と劇場公開と同時配信される予定です。 こうした動きは今回の非常事態の影響であり、コロナが収束すれば映画館に人が戻るとの見方もあります。しかし、もともと新作映画の配信を目指していた各VODサービスにとっては、追い風となったことは間違いありません。
日本では2020年、複数の映画が劇場上映からオンライン上映に切り替え
日本でも映画館は営業自粛に追い込まれ、2020年には多くの映画が公開延期に。劇場公開途中でVOD配信に切り替えた作品も多くあります。 2020年1月に公開された高橋一生主演の映画『ロマンスドール』は、劇場公開中の3月にU-NEXTでオンライン上映を開始。4月に公開が予定されていた行定勲監督の『劇場』は、7月に公開延期となり、劇場公開と同時にAmazonプライムビデオで配信され、大きな注目を集めました。 またドキュメンタリー映画『白い暴動』や福島第一原発事故を描いた『Fukushima 50』も、最初の緊急事態宣言下の4月にオンラインでの配信がスタートしました。
一方、この事態で経営の危機に陥ったミニシアターにも動きが。UPLINKは配信サービス・UPLINK Cloudをスタートさせ、映画『ホドロフスキーのサイコマジック』をはじめとする多数の作品を公開しました。 また全国のミニシアターが参加するプロジェクト「仮設の映画館」では、劇場と配給会社で興行収入を分配するなどの工夫をこらして多く作品を配信。 さらにインディペンデント映画専門のVOD・シネマディスカバリーズもサービスを開始し、以前よりも気軽にミニシアター系の作品を楽しめるようになってきました。
劇場公開と同時にスピンオフ作品がVODでネット配信されるパターンも!
また、本編の劇場公開とあわせてVODで作品の世界を広げる試みもはじまっています。 1月8日に公開されたアニメ映画『銀魂 THE FINAL』のスピンオフとなる『銀魂 THE SEMI-FINAL』は、1月15日からdTVオリジナルアニメとして独占配信に。 これまでは、テレビで放送されたドラマのスピンオフ作品をVODで配信するケースはありましたが、映画でも同じような動きが出てきているようです。
2. 映画が劇場公開されなくなる!VODでネット配信のみに【ディズニー新作が配信限定】
ディズニー作品はDisney+で限定配信!実写版『ムーラン』や『ソウルフル・ワールド』は劇場公開されず
2020年、コロナ禍の映画業界で大きな話題をさらったのは、やはりディズニーの実写映画『ムーラン』ではないでしょうか。 当初劇場公開が予定されていた本作は、コロナの影響で何度も公開延期を繰り返したあと、9月4日からディズニーのVODサービス・Disney+で有料配信がスタート。月額利用料にプラスして鑑賞料が発生する、これまでになかった形式での配信でした。 また2020年12月25日には、同じくDisney+でピクサー最新作『ソウルフル・ワールド』が配信開始に。こちらはDisney+に加入していれば月額料金のみで観ることができる作品として話題になりました。
3. VODが“映画を配信する”サービスから“映画をつくる”サービスへ!【オリジナル作品が映画界を牽引する?】
Netflixは2021年計71作品を配信!毎週Netflixオリジナル映画の新作が観られるように
VODサービスのなかでも、当初から自社オリジナルコンテンツの製作に力を入れてきたのがNetflixです。2018年には、同社が制作・配信したアルフォンソ・キュアロン監督の『ROME/ローマ』がアカデミー賞の対象になるかどうかが話題になりました。 2021年、Netflixは71作品のオリジナル映画を配信することを発表しています。そのどれもが豪華キャストや有名監督が起用されたもので、大きな注目を集めています。 これからはNetflixオリジナル映画が、名だたる映画祭で次々にノミネートや受賞していく未来が待っているのかもしれませんね。
Amazonプライムビデオでもオリジナル作品が多数配信!
最近ではNetflix以外のVODサービスも、こぞってオリジナルコンテンツに注力しています。 Amazonプライムビデオでは、ホラーの名手として知られるブラムハウス・プロダクションズによる映画シリーズ「ウェルカム・トゥ・ブラムハウス(原題)」を制作。 低予算で高品質の作品に定評がある同プロダクションが、気鋭の監督を起用して制作しています。2021年1月現在、8本中4本がAmazonプライムビデオにて配信中です。 Amazonプライムビデオでは他にも、『トム・クランシー/CIA捜査官 ジャック・ライアン』(2018年〜)や『ザ・ボーイズ』(2019年〜)などをはじめとするオリジナルのドラマシリーズが充実しています。
これからは映画をVODで観る時代!動画配信サービスの進化に目が離せない
VODサービスの普及によって、映画館以外でも新作映画を楽しめるようになってきました。これからさらに配信作品数の増加や、劇場公開から配信までのスピード感もあがっていくのではないでしょうか。 ciatrでは、VODサービスに関する記事を数多く掲載しています。「あの映画はどこで観られるの?」「どっちのVODがお得?」「次になにを観よう」など、あなたの疑問に答えるVODガイドメディアとしても、ぜひ活用してくださいね!