2022年11月25日更新

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ネタバレあらすじをアニメ版から映画まで徹底解説!涙腺崩壊の結末とは?

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -
(C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズは暁佳奈の小説を原作としたアニメシリーズ。京アニの得意とする美麗な作画が主人公の少女ヴァイオレットのまっさらな心とシンクロし、大きな感動を与えてくれる泣けるアニメとして人気の作品です。 本記事ではそんな『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズのあらすじを作品毎に解説していきます。 ※この記事は2022年11月現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは?

ヴァイオレット・エヴァーガーデン アニメ
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
2018年 アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 全13話+OVA
2019年 映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』
2020年 映画『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

まずは2018年放送のアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。全13話に加えOVAでExtra Episodeが制作されました。 続いて2019年に映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』が公開。2020年に完全新作の『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が公開されています。

映画『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2020)を結末までネタバレあらすじ解説

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

ヴァイオレットの生きた足跡を追って

デイジー・マグノリアは祖母アンの葬式に参列し、その遺品の中から手紙の束を見つけます。それはアンの母クラークがアンに宛てた手紙で、アニメ10話でヴァイオレットが依頼されて認めた手紙でした。 クラークは病で先が長くないことを悟り、ヴァイオレットに50年間、娘アンの誕生日に手紙が届くように手配していたのです。デイジーは手紙を読むうちに、代筆したというドール、ヴァイオレット・エヴァーガーデンのことが気になり始めます。 そこでデイジーはライデンのC.H郵便社へ。たくさんのドールが今も働いていましたが、すでにヴァイオレットの姿はなく、彼女は18歳のときにドールを辞めていたことが分かります。こうしてデイジーは彼女の生きた足跡を追いかけ始めるのでした。

忘れられない人、ギルベルト

ここからヴァイオレットの物語が紐解かれていきます。元孤児だった名もない彼女はディートフリート海軍大佐に拾われ、その弟ギルベルト少佐に押し付けるように預けられることに。ギルベルトは彼女にヴァイオレットという花の名を与え、読み書きを教え、共に戦場を渡り歩きました。 戦火の中でヴァイオレットは両腕を失い、ギルベルトは彼女に「愛してる」の言葉を残し消息不明に。やがて彼の友人ホッジンズが営むC.H郵便社のドールとなったヴァイオレットは、仕事を通じて人の想いに触れ「愛してる」を少しずつ知っていきます。 数年後、人気ドールとして忙しく働くヴァイオレットは、帰らぬ少佐のことをまだ忘れられずにいました。一方その頃、ある孤島ではジルベールという男が地元の少年から手紙の代筆をお願いされています。

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差出人不明の手紙の正体は?

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©️暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

ヴァイオレットはユリスという不治の病を患う少年からの依頼を受けます。長い入院生活でつい家族や友人につらくあたってしまうという彼の心に触れ、彼が死んだら必ず手紙を大切な人に届けると約束し、2人は指切りをかわすのでした。 そんなある日、1通の差出人不明の手紙が見つかります。その筆跡はギルベルトのものに酷似しており、真相を確かめるべくホッジンズとヴァイオレットは発送元の孤島へ向かうことに。

ジルベールと名乗っている男はたしかにギルベルトでした。しかし彼は過去を捨てて生きることを選んだと言い、ヴァイオレットにも突き放す言葉を投げつけます。彼はヴァイオレットを兵器として使っていた過去を深く悔い、自分がいないほうが彼女は幸せになれると考えていたのです。

ヴァイオレットの思いは届くのか

島に電報でユリス危篤の知らせが入ります。嵐のせいでヴァイオレットは彼のもとに駆けつけることはできませんでしたが、同僚たちの尽力もあり彼の想いは大切な人に無事に届きました。 翌日ヴァイオレットはギルベルトに手紙を書き、島を出ます。

手紙には「私はいま、"愛してる"を、少しは分かるのです。」と綴られており、ギルベルトは彼女の心に突き動かされるように船を追いかけ彼女の名前を叫びました。ヴァイオレットは海に飛び込み、浜で2人はようやく心を通わせ合います。 依頼を全て片付けるとヴァイオレットはドールを辞めて島へ。2人は末永く幸せに暮らしていこうと指切りをするのでした。 ヴァイオレットの足跡をたどる旅はこの島で終わりを迎え、デイジーは島の郵便局から喧嘩別れした両親への愛を綴った手紙を送ります。

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アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2018)のネタバレあらすじ

人形のように美しい少女ヴァイオレットは、先の大戦で「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」と恐れられていた元孤児の少女兵です。最後の戦いで両腕を失いながらも彼女は、再び上官・ギルベルト少佐のもとで戦線復帰することを望んでいました。 しかし彼女の入院先にやってきたギルベルト少佐の同僚ホッジンズは、ギルベルトの居場所について口を閉ざします。彼のことばかりを追い求める彼女の態度を見かねて、ホッジンズは自身が経営する郵便社で彼女を働かせることに。 ヴァイオレットが興味を持ったのは、自動手記人形(ドール)と呼ばれる代筆業でした。依頼主の心を汲み取るドールになることで、彼女は自分が理解できない人の感情を知ることができるのではないかと考えたのです。彼女は少佐がくれた「愛してる」の意味を知りたかったのでした。

「愛してるが少しわかるのです」

当初は軍の報告書のような無機質な手紙しか書けませんでしたが、人が誰かを大切に想う感情に触れていく中で、彼女は少しずつ自分の中にも感情があることを知っていきます。 一方で、少佐は未帰還兵として死亡扱いとなっていることや、自分も誰かの大切な人の命を奪ってきた事実が、彼女に重くのしかかるのでした。 仲間の支えもあり前を向いた彼女は、再び人々の心を文字へと変えていきます。手紙を空から飛ばす「航空祭」の日、ヴァイオレットは初めて少佐宛ての手紙を書き「愛してるが少しわかるのです」と記すのでした。そして物語は劇場版へとつながっていきます。

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アニメ版OVAのあらすじは?

アニメDVD4巻には新作OVAが収録されています。本作はアニメ4話と5話の間の依頼を描く作品で、新米ドールのヴァイオレットが、あるオペラ歌手からの依頼に苦戦する物語です。 依頼内容は、新作オペラに使う愛を伝える歌の歌詞を書くというものでした。この依頼を通して、ヴァイオレットはまたひとつ愛を知ることになります。

映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」(2019)のネタバレあらすじ

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』』 ©暁佳奈・京都アニメーション/ ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

原作小説の外伝に収録されている「永遠と自動手記人形」を元にしたのが、この『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』です。 名家のお嬢様たちを淑女に育てるための女学園に通うイザベラ・ヨークの家庭教師を依頼されたヴァイオレット。自身の未来に絶望したイザベラは当初ヴァイオレットを拒んでいましたが、次第に2人は打ち解け合います。 ヴァイオレットはイザベラから手紙の依頼を受けることに。実はイザベラはヨーク家当主の愛人の娘であり、以前はエイミーという名で貧民街で暮らしていたのでした。当時エイミーは捨てられた幼い少女テイラーを引き取って一緒に住んでいたのです。 エイミーはテイラーの保護を条件にヨーク家へ。自分の自由な未来と引き換えに、テイラーの健やかな人生を望んだのです。イザベラからの依頼は、エイミーの手紙をテイラーに届けることでした。ヴァイオレットはこれを依頼ではなく、初めてできた友人からのお願いとして聞き入れます。

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エイミーの愛とテイラーの決意

エイミーの手紙が届けられた3年後、テイラーがC.H郵便社にやってきました。配達員になりたいという彼女は配達員ベネディクトの助手をしながら、エイミーへの手紙をヴァイオレットと共に完成させます。 ベネディクトとテイラーが配達に行きますが、テイラーは物陰から出ようとしません。妹からの手紙に涙するエイミーの姿に、テイラーはいつか立派な配達人になったら彼女に会いに行こうと決意するのでした。

泣けると話題の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』!涙腺崩壊の理由とは?

泣ける理由①

ヴァイオレット・エヴァーガーデン ギルベルト
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・ヴァーガーデン製作委員会

最たる涙腺崩壊ポイントは、やはり主人公ヴァイオレットの「人間」としての成長です。彼女は親も知らず言葉も知らず、名すら持たない「武器」でした。 ギルベルト少佐とのふれあいの中で武器である彼女に芽生えたわずかな感情は、自動手記人形として様々な人の心に触れていくことで、次第に大きく色鮮やかなものへと成長していきます。 ゆっくりな成長なので唐突に泣けるというわけではありません。1話での機械のような表情から次第に人間らしさを獲得していく過程を眺めていると、静かに涙がこぼれてくるのです。

泣ける理由②

2つ目の泣けるポイントは、ヴァイオレットとギルベルト少佐との不器用な関係性です。 居場所と名を与えてくれたギルベルト少佐は、ヴァイオレットにとっては世界のすべてでした。心を理解していない当時の彼女が、その想いに名をつけることはありませんでしたが、ブローチのやりとりを観ているとそれは愛と呼べる感情だったでしょう。 対してギルベルト少佐も、次第に彼女を大切に想うようになります。でも相手は年の差もあり、愛の意味すら理解していない少女です。そんな2人が最後に交わした「愛してる」の言葉だけでつながり続ける、切ない愛の形に胸が締め付けられます。

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泣ける理由③

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©️暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

なにも泣けるのはヴァイオレットの物語だけではありません。彼女が託された手紙にまつわる物語が毎話泣かせにくるのです! 手紙には綴(つづ)った人の数だけ、ドラマがあります。愛する人への手紙、別れの手紙、いまはもう届かぬ人への手紙……。ヴァイオレットの成長譚に加えて、毎回手紙にまつわるドラマが濃厚に描かれていきます。 必ずしもハッピーエンドとは言えない結末もありますが、最後に残るのは悲しみではなく優しい感情です。想いを伝えようとした依頼人やそれを受け取った人たちの心が優しい色に染まり、その美しい世界に涙がこぼれてきます。

主要登場人物紹介

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

ヴァイオレットはC.H郵便社にて自動手記人形(ドール)として働く義手の少女。代筆業を通じて、ギルベルトに告げられた「愛してる」の言葉の意味を探しています。以前は彼が指揮する部隊に所属する少女兵士で、武器として戦っていました。

ギルベルト・ブーゲンビリア

ギルベルト少佐ヴァイオレットの陸軍時代の上官で、名門ブーゲンビリアの子息。ヴァイオレットにとって大切な存在です。幼いヴァイオレットを兄から押し付けられる形で引き受けることに。その後、先の大戦で安否不明となっています。

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クラウディア・ホッジンズ

クラウディア・ホッジンズはヴァイオレットが務めるC.H郵便社の社長。ギルベルトとは士官学校時代からの親友です。親友から頼まれたこともあり、終戦後にヴァイオレットの後見人となって、その成長を見守っています。

映画『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の感想・評判は?【涙腺崩壊】

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え?こんなに泣くことある?っていうくらい泣いた。涙腺崩壊とか言われてたから覚悟はしてたけど、想像の100倍は泣いたし、映画館じゃなかったら大声あげて泣きたいくらいだった。友達とか家族にも全然会えない時期だからこそ、ちゃんと大切な人に伝えたいことを伝えなきゃって教えてくれた、本当に心に残る作品。

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ストーリーはもちろん、映像美でこんなに心揺さぶられるとは思っていなかったです。ただ綺麗っていうだけじゃなくて、ヴァイオレットたちの心の機微を捉えて、それを美しい映像と演出でみせてくれるので、心にすごく響きました。京アニさん、こんな神アニメ作ってくれて本当にありがとう……!

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ヴァイオレット本当によかったね。アニメから観てたから、ようやくヴァイオレットが知った「愛してる」が少佐に届いて感動した。劇場版だけでも楽しめるけど、絶対アニメから観てほしい。感動の深さが全然違うと思う。映像も音楽も演技も構成も素晴らしくて、他の作品で泣けない人でも泣いてしまうはず。

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2度の公開延期?『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公開までの苦難とは

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』はもともと2020年1月に公開予定でした。ところが京都アニメーション放火殺人事件が発生。同社は甚大な被害を受け、多くの京アニ作品の制作がストップ。本作も2020年4月へと公開日の延期が発表されます。 そしていよいよ公開かという矢先に、今度は新型コロナウイルス感染症が猛威をふるうことに。緊急事態宣言などで映画館が臨時休業となる中、本作も4月から9月へと公開日が延期されました。 2度の公開延期を乗り越え、ようやく公開されたのが2020年9月。公開までは多くの苦難がありましたが、そんなことも吹き飛ぶほどの完成度の高さで多くの観客を号泣させる名作となりました。

原作小説の結末と違いはある?

原作小説との大きな違いはギルベルト少佐の戦後の動向です。アニメでは最終話まで未帰還兵扱いとなっており、誰もがその生存を諦めていました。一方で原作では彼の生存をホッジンズやディートフリートは知っており、ギルベルト自身も軍人を続けています。 どちらも最後はヴァイオレットと少佐が再会を果たしており、そういった意味では概ね同じです。劇場版の少佐は戦争で心に大きな傷を負っているため、こちらの方がやや重い展開になっているのが特徴。 アニメ版は基本的に原作を元に制作されていますが、いくつかアニメ化されていないエピソードもあります。ヴァイオレットのすべての軌跡をたどりたい人は、原作小説にも目を通してみるといいかもしれません。

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実はアニメ化前に映像化されていた?

原作小説は第5回京都アニメーション大賞大賞受賞作です。京アニレーベルの期待作とあって、アニメ化前に、小説のCM動画が制作されました。 絵コンテ・演出の石立太一、キャラクターデザイン・作画監督の高瀬亜貴子をはじめ、アニメ版と変わらぬ布陣によって制作されたなんとも豪華なCMです。わずか46秒のCMですが美しい世界観に惹き込まれますね。

ネタバレあらすじを知っていても泣ける!『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の魅力が止まらない

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズのあらすじをまとめて紹介しました。1シーン毎にこだわりの詰まった映像が楽しめる作品なので、ネタバレを読むにとどまらず本編をぜひ観てもらいたい作品です。 ヴァイオレットと共に人の心に触れる旅をして、自分の心も豊かになっていくのを感じてみてはどうでしょうか。