2022年11月23日更新

ギルベルト少佐は生きていてヴァイオレットと結婚した?劇場版の結末・その後を紹介【ヴァイオレット・エヴァーガーデン】

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン ギルベルト
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・ヴァーガーデン製作委員会

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』に登場するギルベルト少佐は、由緒あるブーゲンビリア家の当主を務めるライデンシャフトリヒ陸軍の少佐。真面目で実直な性格で、実に軍人らしい人物です。一方で名もなき孤児の面倒を見るなど、優しい心の持ち主でもあります。 そんなギルベルト少佐についてさらに詳しく見ていきましょう。 ※この記事は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。

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ギルベルト少佐のプロフィール

名前 ギルベルト・ブーゲンビリア
年齢 29歳(アニメ版)
家族 ディートフリート・ブーゲンビリア(兄)
親友 クラウディア・ホッジンズ
声優 浪川大輔

ギルベルト・ブーゲンビリアはライデンシャフトリヒ陸軍の少佐で、ヴァイオレットの上司であり親代わりだった人物*です。精悍で整った顔した軍人で、生真面目に任務を遂行する冷酷さを持ちながら根は優しい性格をしていました。

ギルベルト少佐の年齢は?ヴァイオレットとの年齢差も考察

アニメ 29歳
外伝 前半30歳/後半32歳
劇場版 34歳

ギルベルト少佐が兄からヴァイオレットを押し付けられ、出会ったのは彼が25歳のときのことでした。これが4年前になるので現在彼は29歳。またヴァイオレットは現在推定14歳なので、2人の年齢差は15歳差と考えられます。 ただヴァイオレットは拾われた当時栄養失調で実年齢よりも下に見えていた可能性を考えると、2人の年齢差は10~15歳あたりではないでしょうか。 2019年に公開された「外伝」は、アニメ版の1年後と3年後の世界を描いています。そのためギルベルトは前半は30歳、後半は32歳だと考えるのが妥当でしょう。 それからさらに年月を重ねた「劇場版」。物語はアニメ版の60年後から始まり、メインとなるのはヴァイオレットが自動手記人形として働き始めてから、5年後の世界です。アニメの開始時から5年後なので、ギルベルトは34歳だと考えて間違いないでしょう。

ギルベルト少佐の家族は?

ギルベルト少佐には兄がいます。名前はディートフリート・ブーゲンビリアで、ライデンシャフトリヒ海軍大佐です。ルールを重視しない適当な性格をしているものの、有事には市民を第一に考える優秀な軍人である彼。実家とは絶縁状態ですが、弟であるギルベルトとは交流があります。 また父親はすでに亡くなっていると、ギルベルトとディートフリートの会話から判明しています。

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ギルベルト少佐とヴァイオレットとの出会い

ヴァイオレットはもともとギルベルトの兄ディートフリートが手元に置いていました。ディートフリートはギルベルトの少佐への昇進祝いにと、彼女を贈ります。やがて名のない彼女に、少佐はヴァイオレットという名を与えるのでした。 さらに彼女に戦闘の才を見出した少佐は、彼女を兵力として共に戦場へと連れ出します。実際に彼女は幼いながらも単身で一個分隊に匹敵する戦闘力を有し、「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」として恐れられていました。 出会った当時は野生の獣のような雰囲気だったヴァイオレットも、少佐から言葉や振る舞いを学ぶ中で次第に人らしくなっていきます。しかしあくまで少佐の武器でいようとする彼女に対し、少佐は複雑な想いを募らせるのでした。

ギルベルトの残した言葉「愛してる」とは

大戦終盤、ギルベルト少佐の部隊は敵地の真ん中での攪乱作戦を命じられることに。敵に囲まれ絶体絶命の中、少佐は片目を撃ち抜かれ重傷を負い、彼を助けるべく庇い続けたヴァイオレットも両腕を失います。 腕を失ってもなお少佐を助けようとするヴァイオレットに対し、少佐は彼女に生きることを命令。生きて自由になることを彼女に伝え、最後に「心から愛してる」とずっと胸にしまっていた想いを言葉にするのでした。 原作ではこの後、少佐は野戦病院に運ばれ消息不明に。アニメでは砲撃から庇うように彼女を突き飛ばし、瓦礫の下敷きになったものの、その遺体は見つからないまま未帰還兵に。そうしてヴァイオレットは彼の残した「愛してる」の意味を知るために、自動手記人形(ドール)となります。

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「愛してる」に込められた想い

本作ではドールとなったヴァイオレットを通じて、様々な形の愛が描かれていきます。恋愛感情の愛はもちろん、親子や友人、兄妹、亡くなった人への想いなど、たくさんの愛が登場するのが印象的です。 ヴァイオレットはいくつもの心に触れながら、愛とは何かを知っていきますが、これ自体が少佐の「愛してる」に込められた想いなのではないでしょうか。つまり、恋愛という一括りで語れる単純なものではないのでしょう。 家族の愛も仲間も友人も何もなかった彼女に対し、少佐はいろいろな愛を知ってほしい、与えてあげたいと思ったはずです。男女の恋愛感情を超えて、もっと広くて温かな愛で彼女のいる場所を明るく照らしてあげたい、そんな想いがあのひと言に込められていたのではないかと考えられます。

ヴァイオレットを託した親友・ホッジンズとの関係性

入院中のヴァイオレットの元に、少佐に託されたとして彼女を迎えにきたのがクラウディア・ホッジンズです。彼はギルベルトの士官学校時代の級友で親友。堅物なところがあるギルベルトが腹を割って話せる数少ない友人で、回想シーンではギルベルトの肩の力を抜いた表情を観ることができます。 ホッジンズ自身が情に厚い性格ということもあり、ギルベルトに託された通りに後見人として入院中のヴァイオレットを引き取ることに。その後、彼女の少佐への想いを理解した上で、ホッジンズは自身の経営する郵便社に彼女を連れていきます。 ヴァイオレットが少佐からもらった大切なブローチを自身の給料をつぎ込んで質屋から買い戻したのもホッジンズでした。

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ギルベルト少佐とヴァイオレットは結婚する?劇場版のその後を考察

ギルベルトは生きている!劇場版で描かれる2人の再会

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

アニメ版では未帰還兵扱いとなり、すでに墓も立てられているギルベルト。遺体は見つからなかったものの、状況的に存命は絶望的かと思われました。 ところが劇場版で生存が判明。彼は多くの命を奪いヴァイオレットを戦争に従事させたことを悔い、各地を放浪した末に遠く離れた孤島に流れ着きます。戦争で男手が失われたその島で、ジルベールを名乗り教師をしていました。 2人は島で再会を果たすものの、罪の意識からギルベルトは彼女に辛く当たります。ヴァイオレットも彼が生きているならそれでいいと島を去ろうとしますが、最後は互いに心を伝え合うのでした。その後ヴァイオレットは郵便社を辞めて島へ。2人は末永く穏やかにその島で暮らしていきます。

『ギルベルト・ブーゲンビリアと儚い夢』で描かれた2人の未来

来場者特典のひとつとして配布された『ギルベルト・ブーゲンビリアと儚い夢』は、原作者の暁佳奈による書き下ろし短編冊子です。劇場版のアフターエピソードをギルベルト目線で描くストーリー。 ギルベルトとヴァイオレットの穏やかで幸せな日常と、彼の過去が対比される形で紡がれていきます。ヴァイオレットと結婚式を挙げた様子や、微笑ましく甘い生活が描かれていて、2人のハッピーエンドを堪能できる内容です。 ところが2人の甘い生活は、ギルベルトが思い描いた理想の日常。思わずギルベルトが惚気けてしまうような新婚生活は夢の中の話に過ぎないのですが、それでもギルベルトがそんな未来を彼女と思い描いていたという事実から、その愛の大きさを感じることができる物語となっています。

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ギルベルト少佐はヴァイオレットに出会った時には既婚者?

ギルベルト少佐がヴァイオレットを連れて帰った際、召使は「奥様」という単語を口にしています。この言葉から、彼は既婚者なのかとファンの間で話題になりました。 しかしこの「奥様」は、ギルベルトの母親を指していると考えていいでしょう。 召使はギルベルトを「坊ちゃま」と呼んでいます。息子が既婚の場合、召使は息子を「若旦那」と呼ぶとのこと。未婚の場合「奥様」は母親を指す言葉なので、ギルベルトが妻に隠して少女を預かるような人物ではなくてよかったです……!

原作小説との違いはある?

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

原作小説とアニメでは、ラストが大きく異なります。アニメでは、最後までギルベルトの生死は不明なままでした。そして彼の生存は劇場版になってやっと明かされます。しかし原作だと、早いタイミングでディートフリートやホッジンズはギルベルトの生存を知っているのです。 また原作ではヴァイオレットを救うため、奮闘する彼の姿も描かれています。

ギルベルト少佐がクズ?の低評価の理由は?

アニメ版との劇場版でのギャップがすごい

劇場版を観たファンからは、ギルベルトはクズだという声が少なくないようです。ヴァイオレットの目的であり、あれだけ良い人だった彼がなぜそのような評価を受けてしまったのでしょうか。1番の理由は、アニメ版と劇場版のギャップにあったようです。 ギルベルトは生きていたものの、自分の生存をヴァイオレットに伝えていませんでした。それは彼女に腕を失わせた罪悪感や、彼女には自分がいない方がいいと思ったことが理由です。 そしてギルベルトは再会したヴァイオレットを突き放そうと、冷たい態度を取ります。「愛してる」と言葉を残し、ヴァイオレットはその言葉を知るために生きていました。それを知っているファンからするとギルベルトの行動は、アニメ版のギルベルトとはまったく違う無責任な印象だったのです……。

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アニメ版と劇場版でのヴァイオレットとの関係の変化

アニメ版でのギルベルトとヴァイオレットの関係は、親子のようでした。ギルベルトが言葉を教えたり物を買い与えたりする姿が、仲睦まじく描かれています。 しかし劇場版での2人の関係は恋愛に発展しています。15歳も離れている10歳で出会った少女との恋愛模様に、気持ち悪いと感じる人も少なからずいたようです。またアニメ版を恋愛ではない愛情の物語として楽しんでいた人は、劇場版での展開に少し驚いてしまったのかもしれません。

ギルベルト少佐を演じた声優は浪川大輔

ギルベルト少佐を演じたのは浪川大輔(なみかわだいすけ)です。少ない登場シーンながら視聴者の心に残る「愛してる」を熱演。 子役時代から声優として活動し、『E.T.』のエリオット役や『ネバーエンディングストーリー』のバスチアン役といった主人公の吹き替えを担当。アニメでは『ハイキュー!!』の及川徹役や『HUNTER×HUNTER』のヒソカ役、『レベルE』の王子役などが有名です。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ギルベルト少佐の葛藤は涙なしでは観られない

アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のギルベルト少佐について紹介しました。主人公・ヴァイオレットを語る上で欠かせない人物とあって、彼の想いを理解することが作品をより深くする上で重要となるでしょう。 彼のそう多くない登場シーンから得られる感情を辿って、ぜひその胸に秘めた葛藤や想いに触れてみてください。