『バズ・ライトイヤー』のあらすじネタバレ!ラストの意味・ザーグの正体【解説・評価まで】
ピクサー・アニメーション・スタジオの第1作目にして、世界で初の長編フルCGデジタルアニメーションとして製作された『トイ・ストーリー』。シリーズは4作目で完結しましたが、お馴染みバズ・ライトイヤーが2022年7月1日に劇場へ帰還します! この記事では、ピクサー新作映画『バズ・ライトイヤー』のあらすじや解説・考察をネタバレ有りで紹介します。 この記事は映画『バズ・ライトイヤー』のネタバレを含みます。読み進める際は注意してください。
映画『バズ・ライトイヤー』は上映禁止になった?
日本では2022年7月1日(金)より劇場公開がスタートした本作。しかしバズの親友・アリーシャ(女性)の同性パートナーとのキスシーンが、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など一部の国で問題視され、これらの国では上映禁止となったようです。
映画『バズ・ライトイヤー』の吹き替え声優は?
バズライト・イヤー役は鈴木亮平(オリジナル版声優はクリス・エヴァンス)、ソックス役は山内健司(かまいたち)、イジー役は今田美緒、アリーシャ役はりょうが担当します。
映画『バズ・ライトイヤー』のあらすじ
公開日 | 2022年7月1日(金) |
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キャスト | バズ・ライトイヤー役/鈴木亮平 イジー役/今田美桜 ソックス役/山内健司(かまいたち) モー役/三木眞一郎 ダービー役/磯辺万沙子 ザーグ役/銀河万丈 アイヴァン役/沢城みゆき アリーシャ役/りょう |
監督 | アンガス・マクレーン |
「トイ・ストーリー」シリーズでアンディが夢中だったおもちゃのバズ・ライトイヤー。スペースレンジャーとしての彼の物語が本当に実在したら……?そんな設定をもとに、“誰より仲間思い”なおもちゃのバズのルーツに迫る前日譚です。 スペース・レンジャーのバズは、1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまうことに。それから1年後、乗組員全員を地球に帰還させるべく、バズは危険なテストフライトに挑みます。最初のテストが失敗に終わり、彼が4分のフライトから戻ってきたときには、地上では4年も経っていました。 スペース・レンジャーとしてどうしても乗組員を地球に帰還させたいバズは、親友で相棒のアリーシャの忠告も聞かずに、何度もテスト・フライトをくり返します。何度目かのテストから彼が戻ってきたとき、そこは親友すらいない62年と7ヶ月と5日後の世界でした。 その後、彼は相棒のソックスや新たな仲間と共に、思いもよらぬ敵と対峙することになります。
映画『バズ・ライトイヤー』の結末までのネタバレ
起:未知の惑星から地球へ帰還せよ!
巨大な宇宙船が宇宙空間を飛行中、自動操縦していたAIが未知の惑星を発見。調査のために着陸します。冷凍睡眠していたスペース・レンジャーのうち、起こされたのはバズ・ライトイヤー。彼は上司で友人のアリーシャと、彼女が連れてきた新人とともに調査を開始しました。 しかし意思を持ったように動く蔦や巨大な昆虫に襲われ、バズたちは新人を助けながらなんとか宇宙船に戻ります。バズはAIの忠告も無視して無理やり脱出を図るものの、崖にぶつかって宇宙船は不時着していました。 冷凍睡眠していた1200人のクルーは全員起こされ、船外に避難することに。被害を確認すると、ハイパースペース移動をするための燃料であるクリスタルが完全に壊れてしまったことがわかります。 彼らは惑星に仮の住まいを作り、1年後クリスタルの製造に成功。バズは4分間のテスト飛行に出ますが、最大出力まで到達できず失敗。彼がなんとか帰還すると、そこは出発から4年後の世界でした。 1人で何度もテスト飛行を繰り返すバズ。そのたびに彼以外の人々は年を重ね、それぞれの人生を送っていました。あるとき彼がテスト飛行から戻るとアリーシャの姿はなく、彼女が亡くなったことを知らされます。
承:帰還計画中止?新たな仲間との出会い
アリーシャの後任のバーンサイドは、バズに「地球への帰還計画を中止し、この惑星に定住することが決まった」と告げます。しかし以前アリーシャがバズに贈ったネコ型友だちロボットのソックスは、彼がテスト飛行に出ている間にクリスタルの正しい製造方法を導き出していました。 回収されそうになるソックスとともに抜けだしたバズは、こっそりクリスタルを作り宇宙船を盗んで再度テスト飛行へ。今度は無事成功し、惑星に戻った彼は基地に連絡しますが反応がありません。そしてそこへ謎のロボットが襲いかかり、宇宙船を奪われてしまいます。 そんなバズをロボットから守ったのは、なんとアリーシャの孫イジー。彼が降り立ったのは出発から22年後だったのです。 彼女によると数週間前に「ザーグシップ」と呼ばれる巨大な宇宙船が現れ、ロボットたちが攻撃してきたとのこと。基地はバリアを張って攻撃に耐えていますが、外で訓練をしていたイジーたちは内部と連絡が取れなくなっていました。 イジーの仲間であるモーとダービーは、ザーグシップさえ排除すればロボットたちを止めることができるといいます。 しかし3人は実は正式なスペース・レンジャーではなく、見習いであることが発覚。襲ってきたロボットをどうにか撃退したものの、その様子を見たバズは1人でザーグシップを攻撃しに行くと言い出します。 ところが彼が古い宇宙船で飛び立とうとしたそのとき、巨大な虫に襲われた3人が宇宙船に逃げ込みます。結局バズは3人を連れて飛び立ちました。
転:ザーグの正体と目的とは
昆虫に襲われながら飛行していた宇宙船は、ついに墜落してしまいます。彼らは墜落地周辺の鉱山で修理用のコイルを探すことに。全員で協力してコイルを手に入れ、バズは自分も昔は失敗ばかりだったことを思い出します。そんな彼を支えてくれたのがアリーシャでした。 彼らが宇宙船に戻ろうとすると、ついにザーグが襲いかかってきます。バズはほかの3人を逃して自分が気を引こうとしますが、ザーグが狙っていたのはバズただ1人。彼は追い詰められたところ、3人がザーグに不意打ちを食らわせ、全員無事に宇宙船にたどり着くことができました。 早速修理した宇宙船を飛び立とうとしますが、イジーのミスで離陸に失敗。バズは再び彼らと行動することに限界を感じはじめます。そこへザーグが現れ、バズはさらわれてしまいました。
ザーグシップに連れてこられたバズは、ザーグの正体が50年後の自分だったことに驚きます。彼はバズと同じくクリスタルの製造に成功しましたが、テスト飛行の後バーンサイドに拘束されそうになり逃げ出したのです。 その後ハイパースペース移動をくり返した彼は未来の技術を手に入れ、過去に戻ることができるように。これで宇宙船が事故にあう前まで戻れば、過去の過ちをなかったことにできると考えていました。 しかしこの仮説にもとづいて実験をくり返すうち、クリスタルは消耗していまい、これ以上ハイパースペース移動ができなくなってしまいます。そこで彼は、この時代のバズからクリスタルを奪おうとしていたのです。
結:バズの葛藤と決断
自分の過ちをなかったことにし、アリーシャにもまた会えると言われたバズは、ザーグの提案に心を揺さぶられます。しかしそのとき彼の頭に浮かんだのは、イジーのことでした。あの事故がなければアリーシャは妻に出会うこともなく、結婚して子どもを授かることもなく、イジーも産まれなかったことになります。 彼女たちの人生をすべて消し去ってまで、自分の失敗をなかったことにする必要はあるのでしょうか? ザーグは協力を拒んだバズからクリスタルを奪います。ところが、長年ザーグと一緒にいたもう1匹のソックスがバズに味方し、ザーグを気絶させました。クリスタルを取り戻したバズは、ザーグシップを破壊して惑星に戻ることにします。 バズをさらわれたイジーは落ち込んでいましたが、自分たちの船にロボットが取り付けたザーグシップへの転送装置を発見。モーとダービーを宇宙船に乗せ、装置を作動させてザーグシップ内に移動します。イジーはバズの救出に向かい、モーとダービーはロボットたちを足止めすることに。 ザーグとバズはクリスタルをめぐって、宇宙船のコントロール室で激しい戦いをくり広げていました。
そこへイジーが駆けつけ、ザーグの注意をそらすことに成功します。宇宙船の自爆装置を起動させ、バズとイジーは転送装置で宇宙船のある格納庫へ。脱出を試みますが、準備が整う前に自爆がはじまり、イジー、モー、ダービーが乗り込んだ船と、バズが乗った船が別々に宇宙に放り出されてしまいました。 バズは3人の救出に向かいますが、ザーグが追いかけてきて再びクリスタルを奪います。バズは緊急脱出装置で船外へ出ると、ザーグが握っていたクリスタル目掛けて攻撃。爆発させることで、ザーグを宇宙の彼方に吹き飛ばしました。 その後3人の乗った宇宙船にたどり着いたバズはイジーの操縦をサポートし、なんとか惑星に不時着させることに成功します。 バズは宇宙船を盗んだ罪で捕まりますが、今回の功績で恩赦を与えられ、この惑星を基地とした新たなスペース・レンジャーの隊長に就任。初代メンバーとしてイジー、モー、ダービーを指名するのでした。
映画『バズ・ライトイヤー』の感想・評価
最初から最後までハラハラドキドキ!ただただ「あー面白かった!」って映画館を出てこられた。ザーグの正体にもびっくり。仲間がいるっていいな、と思える作品でした。おもちゃのバズも、彼をモデルにしてるから仲間思いなんですね。開始5分で泣かせに来るので注意。
ディズニー映画でウラシマ効果扱うんだ……とびっくり。SF映画としてもしっかりストーリーが充実していました。訓練ごとに変化するバズの戦闘服やマシン描写も気合が入っていて見どころ満載。ところどころ散りばめられる「スター・ウォーズ」のオマージュにも思わずクスっとしてしまいました。
【解説①】ザーグの正体とは?
クリスタルの製造に成功したバズは、基地に戻りました。しかしのちにザーグになってしまったバズのほうが、戻った地点が早かったようです。そこでバーンサイドに拘束されそうになり逃げ出した彼は、ハイパースペース飛行をくり返し、はるか未来まで行ってしまいました。 未来で彼は、もともと乗ってきていた巨大宇宙船をもとにザーグシップを作り上げます。そして過去に戻る技術も作り上げました。しかし途中でクリスタルが尽き、事故の前までは戻れなかったのでしょう。 どこかの時点で時空の歪みが生じたのか、バズが戻ってきたのはソックスがクリスタルの製造方法を編み出してから22年後でした。ザーグはその数週間前までさかのぼっていましたが、そこで過去の自分が現れるのを待っていたため、年をとっていたのではないでしょうか。
「トイ・ストーリー2」ですでに明かされているザーグの正体
ザーグの正体に関しては、実は『トイ・ストーリー2』ですでに明らかにされています。 『バズ・ライトイヤー』でのザーグの正体は50年後のバズという設定でしたが、『トイ・ストーリー2』でのザーグの正体はバズの父親。 なぜこのような設定の変更が起こったかは明らかにはなっていませんが、バズに仲間がいたか、いなかったかで人生が大きく変わったことを強調したかったからかもしれません。
【解説②】ザーグはなぜバズを狙った?
ザーグはいつか過去の自分がクリスタルを持って戻ってくることを知っていました。彼が経験したことはバズが経験したこととは違いますが、クリスタルの製造に成功しているということは同じです。自分よりハイパースペース移動の回数が少なく戻ってきたバズのクリスタルはまだ十分使えると考えたのでしょう。 またザーグはバーンサイドから逃げるためにハイパースペース移動をくり返しました。彼はイジーたちに出会うこともなく、自分の能力を過信し他人に頼ることをしないまま年をとったのです。そのため彼は、「自分の失敗をなかったことにする」ということに固執していたのではないでしょうか。 そして過去の自分であれば、同じような能力と考え方を持っているため、信用できると判断したのかもしれません。 一方でバズはイジーたちと出会い、誰でも最初は失敗ばかりだということ、それは自分も同じだったことを思い出しました。そして仲間と力を合わせれば自分1人ではできなかったこともできるということに気づき、ザーグとは違う道を選んだのです。
【解説③】驚きのポストクレジット!
エンドロールが終わった後にも、席を立ってはいけません。本作には、驚きのポストクレジットシーンがあります。 クリスタル燃料の爆発に巻き込まれたザーグのボディは、バラバラになって宇宙にただよっていました。しかし突然、その目が光ります。ザーグは死んではいなかったようです。 彼が生きているとすれば、続編が制作される可能性も考えられます。バズと仲間たちのスペース・レンジャーとしての活躍とともに、再びザーグとの対決が見られるかもしれませんね。
【考察】ラストのバズの決断の意味
自分のせいで1200人もの乗組員が未知の惑星に足止めされていたため、意地になって1人でテスト飛行をくり返していたバズ。また彼は、アリーシャに「必ず乗組員全員を地球に帰還させる」と約束していたため、なんとしても彼女との約束を守りたいという思いもあったのでしょう。
しかし彼がたった1人で任務を遂行しようと自分の時間を犠牲にしている間に、惑星に留まっていた人々は“自分の人生”を送っていました。バズはアリーシャの孫であるイジーに出会い、そのことに気がつきます。 また彼女をはじめとする新しい仲間たちと行動するうち、彼は自分が今までいかに自分の力を過信していたかということにも気が付きました。バズは今では優秀なスペース・レンジャーですが、最初からそうだったのではなく、仲間がいたから頑張れたことを思い出します。 そして、まだ未熟なイジーたちとも助け合って任務を成功させました。 自分の優秀さに捕われチームプレイを軽んじてきたバズでしたが、未熟でも仲間と協力し合えば、自分1人ではできなかったミッションを達成させられることができたのです。
キャラクター・声優一覧(英語版/日本語吹き替え版)
バズ・ライトイヤー (右前) | 鈴木亮平 クリス・エヴァンス |
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ソックス (左前・猫) | 山内健司(かまいたち) ピーター・ソーン |
イジー (左前) | 今田美桜 キキ・パーマー |
モー (左後) | 三木眞一郎 タイカ・ワイティティ |
ダービー (右後) | 磯辺万沙子 デール・ソウルズ |
アリーシャ (バズの親友) | りょう ウゾ・アドゥバ |
アイヴァン (宇宙船のナビ) | 沢城みゆき メアリー・ルイス |
ザーグ (バズの宿敵) | 銀河万丈 ジェームズ・ブローリン |
監督はアンガス・マクレーン!
本作のメガホンを取るのは、長編映画監督デビューとなるアンガス・マクレーンです。 ピクサー所属の映画監督、アニメーターであり、映画『ファインディング・ドリー』(2016年)でアンドリュー・スタントンと共に共同監督を務めました。 「トイ・ストーリー」シリーズの短編映画『ニセものバズがやって来た』で監督を、SPアニメ『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』(2014年)で脚本・監督を担当しており、バズのキャラクターを熟知した最高の逸材と言えます。
映画『バズ・ライトイヤー』もやっぱり感動作!【あらすじ・ネタバレ】
世界を魅了した「トイ・ストーリー」から誕生した、バズ・ライトイヤーのルーツに迫る本作。 名台詞「無限の彼方へ――」が生まれる瞬間、そしておもちゃのバズへと繋がる絆の物語を、劇場で見届けましょう!