2023年4月21日更新

横浜流星主演映画『ヴィレッジ』あらすじ・ネタバレ!藤井道人が理不尽な日本社会の縮図を描く

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『ヴィレッジ』
©2023「ヴィレッジ」製作委員会

映画『新聞記者』(2019年)の藤井道人がメガホンを取り、美しくも恐ろしい「村」に日本の現代社会の闇を投影して描くサスペンス映画『ヴィレッジ』。横浜流星がダークサイドに落ちた青年を演じることでも注目を集めています。 この記事では本作のあらすじやキャストなど最新情報について紹介。見どころをネタバレ予想していきます!

公開日 2023年4月21日
監督 藤井道人
キャスト 横浜流星 , 黒木華
原作 なし

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映画『ヴィレッジ』のあらすじ

日本のとある集落「霞門村(かもんむら)」。伝統的な「薪能」の能舞台から見える土地には、美しい村の風景に不釣り合いなゴミ最終処理場が異彩を放っていました。 片山優は母親の借金を返済するために、このゴミ処理施設で不法投棄を強いられています。その上、過去の事件が原因で村中から蔑まれており、彼の人生には夢も希望もありません。しかし、上京していた幼馴染・美咲が戻ってきたことで、思わぬ事態へ発展していくのでした。

予告映像

映画『ヴィレッジ』のネタバレ

【起】借金返済のために働く日々

『ヴィレッジ』
©2023「ヴィレッジ」製作委員会

霞門村(かもんむら)に住む優は村のごみ処理施設で働く従業員。母親の借金を返すために昼はごみ処理場の従業員として働き、夜は同ゴミ処理場で不法投棄を強いられている。 更に優の父親が過去に起こした殺人事件が原因で「犯罪者の息子」を背負い村中から虐げられ、仕事場と家を行き来する以外に選択肢のない毎日を繰り返していた。 ある日、7年前に村を出て行った幼馴染の美咲が戻って来て優と同じごみ処理施設の広報として働くこととなり、優の村での立場・生活が一変することとなる。

【承】美咲との再会で変化していく優

『ヴィレッジ』
©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会

美咲の計らいで村のごみ処理施設のツアーガイドを務めることとなった優。それを機に優は次第に自信を取り戻していき、ツアーガイドとしての活動の中で村の顔となっていく。その姿は村長の修作でさえも認めるものであった。 一方で、東京に居場所を見つけられなかった美咲と父親の罪を肩代わりするように生きてきた優は、お互いに傷を抱えたもの同士、惹かれあっていく。 村長の息子である透もまた美咲に想いを寄せており、修作に呆れられ美咲をも優に奪われた透は、美咲と優に襲いかかるのだが…。

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【転】ゴミ処理場の不正が明らかに!優の運命とは

『ヴィレッジ』
©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会

ごみ処理場での作業中に美咲の弟である恵一はバイオハザードマークのついた廃棄物の箱を見つけてしまう。警察の捜査が入るが、修作は優に事件をどうにかして収めるように指示を出す。 事件の収束を急ぐ優であったが、今度は掘り出し調査中に不法投棄の証拠だけでなく透の遺体が見つかる。 透が2人を襲ってきた夜、透を殺したのは美咲だった。全てが明らかになってしまった優はある行動に出る。

【結】繰り返し必要とされる犠牲

『ヴィレッジ』
©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会

優は全ての罪を修作に告白するが、修作は「村を守るためには犠牲が必要」と全ての罪を美咲に押し付け優自身には今の立場を守り、事件で傾きかけている村を存続させるように伝える。 それを聞いた優は10年前の事件で優の父親の事件も同様であったことを悟り、修作の首を絞めて殺害し放火し大橋家を後にする

映画『ヴィレッジ』の見どころを紹介

注目ポイント
  1. 現代日本の縮図を描いている?
  2. ダークサイドに落ちる横浜流星
  3. 幻想的で恐ろしい映像美

①現代日本の縮図を描いている?

『ヴィレッジ』
©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会

本作の舞台となる集落・霞門村(かもんむら)には、昔から受け継がれている「薪能(たきぎのう)」という美しい儀式があります。 しかし一方で、村の外れには巨大なゴミの最終処分場がそびえたっていました。貧しい人間たちは、美しい村の中心とは対照的なこの汚い地域で生活を送り、街を出ていくこともできず、借金に怯え犯罪に手を染めていきます。 閉ざされた空間の中で、上の者と厳しいしきたりに抑圧されながらどこにも逃げることのできない日本社会の問題を霞門村を通して描いています。

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②ダークサイドに落ちる横浜流星

『ヴィレッジ』
©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会

映画『流浪の月』(2022年)では好青年を封印し、憎まれ役で新境地を開拓した横浜流星。本作で演じる優は、“生きるために手段を選べなくなる”ダークな役どころ。虚ろな表情や無精髭も印象的で、まだ知らない横浜流星に出会えるかもしれません! 能に魅せられた過去と闇落ちした現在の対比や、ある時から迎える覚醒の演技にも注目ですね。

③幻想的で恐ろしい映像美

『ヴィレッジ』
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特報映像で分かるのは、霞門村は日本の原風景が広がる里山であること。一方、自然を切り拓いた山間にそびえるゴミ処理施設は見るからに異質です。 薪能のシーンは夜霧が幻想的な雰囲気を醸すと同時に、どことなく恐ろしさも感じさせます。 村の表面的な部分を象徴する美しいものと、その本質を匂わせるもの。両者の対比を強調する演出が随所にみられるのではないでしょうか。

映画『ヴィレッジ』キャスト一覧・登場人物

片山優役/横浜流星

『ヴィレッジ』
©2023「ヴィレッジ」製作委員会

片山優は霞門村のゴミ処理施設で働く青年。薪能をきっかけに能に魅せられ、能教室に通うほどのめり込んだ時期もありました。ゴミ最終処理場の建設を巡る事件によって人生が狂い、最も憎むべき相手の下で不法投棄に手を染めることに……。 優役の横浜流星と藤井道人監督がタッグを組むのは、映画『青の帰り道』(2018年)やドラマ『新聞記者』などに続いて5度目となります。

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中井美咲役/黒木華

黒木華

中井美咲(ナカイミサキ)は優の幼馴染で、幼い頃は彼と一緒に能を習っていました。村を出て上京したものの、再び霞門村へ戻って優に手を差し伸べます。 ヒロインを務めるのは、映画『余命10年』(2022年)で主人公の姉を演じた黒木華です。

大橋修作役/古田新太

古田新太

大橋修作(オオハシシュウサク)は霞門村の現村長。劇団出身の俳優であり、声優やDJとして幅広く活躍する古田新太が演じます。

大橋光吉役/中村獅童

中村獅童

歌舞伎役者で俳優の中村獅童演じる大橋光吉(オオハシミツヨシ)。現村長の弟で幼い優や美咲に能を教えた先生ですが、とある事件をきっかけに村を出ました。

大橋透役/一ノ瀬ワタル

一ノ瀬ワタルが演じる大橋透(オオハシトオル)。現村長の息子という立場に守られ、ゴミ処理施設で好き放題に威張っているようです。

筧龍太役/奥平大兼

ネクストブレイク俳優・奥平大兼演じる筧龍太(カケイリョウタ)。借金を返済するため、優と同じゴミ処理施設で働くことになる青年です。

中井恵一役/作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)

作間龍斗演じる中井恵一(ナカイケイイチ)は美咲の弟。内気な性格が災いして他人と上手くコミュニケーションを取ることができません。

丸岡勝役/杉本哲太

杉本哲太が演じるヤクザ・丸岡勝(マルオカマサル)。ゴミ処理施設を使って不法投棄を行うことで、霞門村を影から操っています。

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片山君枝役/西田尚美

西田尚美演じる片山君枝(カタヤマキミエ)は優の母親。多額の借金を抱えるほどギャンブルに溺れ、優はその返済に追われています。

大橋ふみ役/木野花

木村花が演じるのは大橋ふみ(オオハシフミ)。霞門村の村長を代々務める大橋一族の母で、村では絶大な権力を持っています。

映画『ヴィレッジ』のスタッフ

監督・脚本:藤井道人

(画像右、画像左:河村光庸)

監督・脚本は『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた藤井道人。邦画界注目のクリエイターとなり、『余命10年』も大ヒットを記録しました。今回扱った「村社会」は、故・河村光庸プロデューサーからのお題なのだそう! とても難しい題材だったことに触れつつ、「今、僕らの周りに起きていること、感じたことを気負わずに書きました。」と語っています。

藤井道人監督『ヴィレッジ』は2023年4月21日公開!

『ヴィレッジ』
©2023「ヴィレッジ」製作委員会

横浜流星主演の映画『ヴィレッジ』は2023年4月21日公開されました。藤井監督のオリジナル脚本で、きれいごとだけでは生きられない人間たちのリアルを描かれています。 最後の優が村を去るシーンで彼は何を思ったのか。ぜひ映画館で確かめてください!