2021年7月16日更新

映画『流浪の月』のあらすじ・キャストを解説 広瀬すず×松坂桃李が性犯罪の“被害者”と“加害者”に

『流浪の月』
(c)2022「流浪の月」製作委員会

凪良ゆうの本屋大賞受賞作『流浪の月』がついに待望の映画化!主演は映画界で今最も存在感を放つ広瀬すずと松坂桃李、監督は『怒り』で知られる名匠・李相日です。今回はあらすじ・キャストなどの最新情報と共に、原作小説についてもまとめてみました。

目次

『流浪の月』が映画化!広瀬すず×松坂桃李×李監督【あらすじ・キャスト】

2020年本屋大賞受賞作『流浪の月』の実写映画が、2022年に公開されることになりました。主演は広瀬すずと松坂桃李、監督・李相日という最強タッグが実現! 広瀬と松坂は2021年5月公開の『いのちの停車場』で初共演したばかりですが、女児誘拐事件の被害者と加害者役として、早くも再会を果たしました。 この記事では本作のあらすじ・キャストなどの他、原作や見どころについて紹介します。

映画『流浪の月』あらすじ

大学生の佐伯文(さえきふみ)は、雨が降る夕方の公園でびしょ濡れの少女を発見します。文が傘をさしかけると、彼女は家内更紗(かないさらさ)と名乗りました。 更紗は引き取り先である伯母の家に帰ることを拒み、「うちにくる?」と誘ってくれた文の家で2か月を過ごすことになります。彼女にとっては幸福な時間でしたが、文が誘拐事件を起こした小児性愛者として逮捕され、2人はそのまま離れ離れに……。 それから15年が経った現在も、性犯罪の被害者と加害者という烙印は消えないままでした。 しかし何の運命の悪戯か、再び交わるはずのない2人が偶然に再会します。世間の好奇と善意に晒されながら、彼らはどんな結末を選ぶのでしょうか?

キャスト

家内更紗役/広瀬すず

『流浪の月』で広瀬すずが演じるのは、9歳で誘拐事件の“被害女児”となった家内更紗。名前が広く知れ渡ってしまい、成長後も世間に苦しめられる役どころです。 広瀬は李相日監督作『怒り』と主演映画『ちはやふる -上の句-』の演技が評価され、2016年の第40回日本アカデミー賞にて優秀主演女優賞、優秀助演女優賞をW受賞!2019年に100作目の朝ドラ『なつぞら』でヒロインを務めるなど、国民的女優となりました。 2度目のタッグを組む李監督に「この役の気持ちを知ってると思って」と言われたそうで、「その日から、私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています」と明かしています。

佐伯文役/松坂桃李

もう1人の主人公・佐伯文は、更紗の誘拐事件で“加害者”とされた当時19歳の青年。小児性愛者の凶悪犯だと報道され、猛バッシングを受け続けてきました。 演じる松坂桃李は2009年に『侍戦隊シンケンジャー』で俳優デビューし、映画にドラマ、CMなど多方面に引っ張りだこの人気俳優です。 2019年には『孤狼の血』で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、翌年に『新聞記者』で同賞の最優秀主演男優賞を獲得するなど、近年は日本映画界での存在感が増しています。 李組には初参加となり、「正直今は霧の中にいる気分です。ただこの作品に文として参加できる喜びを噛み締めてもいます。全身全霊でいきます」と意気込みを語りました。

監督は『怒り』の李相日

本作の監督を務める李相日は、村上龍原作、宮藤官九郎脚本の映画『69 sixty nine』(2004年)の監督に抜擢され、業界内外で知名度を上げました。 2006年には『フラガール』で第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞、文化庁芸術選奨新人賞と数々の賞を獲得し、『悪人』(2010年)や『怒り』といったヒット作を連発! 2017年以来の監督作『流浪の月』では広瀬すずと2度目のタッグを組み、“魂と魂の未来永劫揺るがない結びつき”を描きます。 公式コメントでは原作小説や主演の広瀬と松坂についても触れ、「2人の眼差しが重なり、互いを慈しむ優しさに溢れた時、自分がどれほど心を奪われるのか……待ち遠しくてなりません」と結びました。

原作は本屋大賞の傑作『流浪の月』

『流浪の月』
凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)

原作小説『流浪の月』(東京創元社刊)は、凪良ゆう初の一般文芸における初単行本。 2020年に本屋大賞を受賞し、日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門で年間ベストセラー1位に輝いた傑作小説です。 当時本屋大賞に推した全国の書店員からは「何が正義で悪なのか、決めるのは周りではなく自分自身だと考えさせられた」、「理屈にならない想いを文学に昇華させた力量は素晴らしい!」といった絶賛の声が寄せられました。

原作者:凪良ゆう

凪良ゆうは2007年に作家活動を本格化させ、以降、各出版社でBL作品を刊行しました。 デビュー10周年目の2017年に、初の非BL作品『神さまのビオトープ』を発表。一貫して“世間から外れた存在”を描いていて、その他の代表作に『わたしの美しい庭』(2019年)や『滅びの前のシャングリラ』(2020年)があります。 著作の映画化は本作が初で、「以前から作品のファンだった李監督に撮っていただけると聞いて、 人生ってこんなことがあるんだなあと呆然とした」と語りました。

“更紗らしく文らしい”オリジナルエピソードも追加!

映画『流浪の月』は脚本も務めた李監督によって、オリジナルの要素が追加されています。 詳細はまだ不明ですが、原作者の凪良によれば“原作にはないエピソードを追加しながらも、どこまでも更紗らしく文らしい”内容とのこと。原作に忠実かつ、より深い人物像を描く上で「どれだけ原作を読み込んでくださったのだろう」と、感動のコメントを寄せました。

デジタルタトゥーって?善意で人を傷つけないために

更紗と文を苛むデジタルタトゥーとは、インターネットの投稿が半永久的に残ることを、完全に消すことの難しいタトゥーかけた造語。 原作では人々が更紗を「ストックホルム症候群」だと決めつけ、加害者を庇う彼女への同情、そして文への批判を加速させ続けました。そのうちに2人の間の真実は悪意なき善意、好奇心によって捏造され、やがて歪んだ事実へ変わってしまう……。 本作はそれが当事者を傷付け追い詰めることもある、という問題提起を込めた作品と言えます。 真実を知らない人の“主語が大きい正義”や、“善意の押し付け”が横行する近年のネット社会。善意として受け取られない正義は、現代における負の側面かもしれません。

映画『流浪の月』は2022年公開予定 あらすじ・キャストの続報を待とう

骨太の人間ドラマを得意とする李相日監督のもと、人気と実力を兼ね備えた広瀬すず、松坂桃李が再共演を果たす実写映画『流浪の月』。誰にも理解されない被害者と加害者、2人の繊細で複雑な感情が胸に迫る、まさに珠玉の1作となるに違いありません! 映画『流浪の月』のクランクインは8月上旬、全国公開は2022年内の予定です。ciatrでは続報が入り次第、こちらの記事でお伝えしていきます。