映画『エクソシスト』結末までのネタバレあらすじ解説と感想!なぜ取り憑かれたのか?悪魔の正体とは
1973年にアメリカで製作されたオカルト・ホラー映画『エクソシスト』。公開後にその衝撃的な内容が大きな反響を呼び、その後さまざまな派生作品を生み出したオカルト映画の代表的作品です。 この記事では、本作のあらすじを結末までネタバレありで詳しく紹介し、内容を解説・考察していきます。
映画『エクソシスト』のあらすじ
映画撮影のため、ジョージタウンに一人娘のリーガンと移り住んでいた女優のクリス・マクニール。幸せに暮らしていましたが、ある日突然リーガンが何かに憑りつかれたような奇妙な振る舞いをするようになります。 病院の検査でも原因は判明せず、異変が顕著になる中、リーガンの顔は醜く歪み、緑色の汚物を吐き出すように。神を冒涜するような恐ろしい言葉を発するリーガンを見て、悪魔が乗り移ったと確信したクリスは、カラス神父に悪魔祓いを依頼しますが……。
映画『エクソシスト』の結末までのネタバレあらすじ
【起】ジョージタウンで起きる怪奇現象~その始まり
イラクで古代遺跡の発掘調査に参加していたメリン神父(マックス・フォン・シドー)は、そこで「悪霊パズズ」の像を発見。パズズと近いうちに再び対決することを予感します。 女優のクリス(エレン・バースティン)は、映画撮影のためジョージタウンに家を借り、一人娘のリーガン(リンダ・ブレア)と暮らしていました。 同じくジョージタウンに住むカラス神父(ジェイソン・ミラー)は、ニューヨークに1人で住むギリシャ系移民の母親を心配していましたが、体調を崩し亡くなってしまいます。貧しく孤独なまま、母に何もできなかったことを悔やむカラス神父。 その頃、クリスの家では屋根裏から不気味な音が聞こえるようになっていました。
【承】少女の体に異変が!次々と起こる謎の事件
音の原因はわからず、そのうちリーガンの行動に異変が現れます。ベッドが激しく揺れたかと思うと、彼女の部屋だけが異常に寒くなったりと不思議な現象も起こるように。同じ頃、近くの教会ではマリア像を冒涜する事件も起きていました。 リーガンは病院で検査を受けますがどこにも異常はなく、精神科でカウンセリングも行ったものの、そこで暴力を振るい、罵る声すらまったくの別人に変わっていました。 その矢先、クリスの友人で映画監督のデニングズが彼女の家の裏の階段から落ち、亡くなります。首が180度捻じ曲げられた状態で、明らかに不自然な死に様。事件を担当するキンダーマン警部補はカラス神父に彼の死と教会の事件の関連を聞きますが、真相はわからないままでした。
【転】悪魔に憑りつかれた少女!悪魔祓いを決行
治療法が見つからない中、ある医師がクリスに「悪魔祓い」を提案します。荒療治ではあるものの、患者が「悪魔に憑りつかれた」と信じている時には、悪魔祓いで心の平静を取り戻すこともあるとのこと。 しかしリーガンの異常行動はますますエスカレートしていき、十字架で自慰行為をしたり、それを止めようとしたクリスを殴りつけたり。さらには首を180度回転させ、デニングズの声であざ笑うのでした。 クリスはリーガンが悪魔に憑りつかれたと確信し、カラス神父に悪魔祓いを依頼。初めのうちは疑っていたカラスでしたが、リーガンの異様な姿を目にするうち、彼女の心の奥底から伝わってくる「助けてほしい」というメッセージを受け取とります。
【結末】衝撃的なラスト……悪魔祓いは成功するのか
リーガンを救おうと、悪魔祓いの儀式を行うことを決意し、大司教に許可を求めたカラス神父。悪魔祓いの経験があるメリン神父が、儀式の責任者を任されました。 儀式決行の晩、メリン神父とカラス神父は霧が立ち込める中、クリスの家を訪れます。儀式を始めた2人の前に、リーガンの中にいる悪魔は本性を現しますが、祈り続ける声に苦しみ始めました。しかしその半ばで、心臓の持病を持つメリン神父が発作を起こして急死してしまいます。 激高したカラス神父はリーガンを殴りつけ、「俺の体に入れ!」と叫んで悪魔を自らの体に乗り移らせました。そしてそのまま窓から裏の階段へ飛び降り、命と引き換えに悪魔をリーガンから引き離したのでした。
映画『エクソシスト』の感想・評価
最新のCGクオリティ高いホラー映画よりも、なぜか数段怖かった!リーガンの部屋の凍えるような空気感や、無駄のないタイトなセリフ回しとストーリー展開が絶妙。あまり深掘りされない登場人物たちの背景がまた、想像力をかき立てる。
心霊特番とかでよくかかるあの曲は『エクソシスト』の曲だったのか!とにかく昔の映画とは思えないほど新鮮で、「ヘレディタリー」のようなオカルト・ホラーが好きな人は絶対観るべき。有名な「スパイダーウォーク」はディレクターズカット版でしか見れない。
【解説】リーガンに憑依した悪魔とは?これは実話?
リーガンに憑りついた悪魔は、映画冒頭でメリン神父がイラクで発見した像「悪霊パズズ」です。メリン神父は過去にパズズと対峙したことがあり、再びこの悪霊と対決する運命を感じているところから物語が始まっています。 パズズは古代メソポタミアの「風の魔王」といわれ、アッカド人は風と熱風の悪霊として恐れていたそう。 本作の原作はウィリアム・ピーター・ブラッティによる同名小説で、1940年代後半に起きた「メリーランド悪魔憑依事件」を基にしています。14歳の少年が悪魔に憑りつかれ、悪魔祓いが行われた事件です。 ブラッティはレバノン人の両親を持つアラブ系アメリカ人で、熱心なカトリック教徒。そのルーツから古代メソポタミアに起源を持つ悪霊を小説に登場させ、エクソシストを主人公にしたのでしょうか。
【考察】カラス神父が信仰を取り戻す物語
この作品は少女に憑依した悪魔VSエクソシストという構造だけでなく、神を見失っていたカラス神父が“信仰を取り戻す”物語でもあります。彼は神父でありながら精神科医でもあり、リーガンの悪魔憑きにも当初は疑いの目を向け、精神科医として接していました。 貧困の中で母親を亡くしたこともあり、仕事にも自信を喪失していた彼は、神の存在に疑問を呈します。しかしリーガンと関わる中で悪魔の存在を認めざるを得なくなり、同時に神の存在も感じ始めるのです。 カラスが最後に自分に悪魔を憑依させた時、その両方の存在を肌で感じたはず。そして命を懸けてリーガンを救い、自らも救ったと考えられます。亡くなる直前に同僚のダイアー神父が彼に告解を求め、その魂を神の元へ送ったのでした。
映画『エクソシスト』をネタバレ解説・考察でおさらい
2023年で公開から50年が経つ『エクソシスト』。しかしいまだ色褪せない不朽の名作ホラーであることは間違いありません。この記事で内容をおさらいし、今一度違った視点で見直してみてはいかがでしょうか?