『ノック 終末の訪問者』のネタバレ感想!映画の結末に賛否あり?
『シックス・センス』(1999年)や『オールド』(2021年)など、どんでん返しの名手として知られるM・ナイト・シャマランの最新作『ノック 終末の訪問者』が2023年4月7日に公開! 今回はあらすじや、海外劇場公開後の最速ネタバレ感想を紹介。加えて、結末やあらすじに賛否両論があることも解説していきます。 ※本記事には、映画『ノック 終末の訪問者』のネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意ください。
映画『ノック 終末の訪問者』の概要
タイトル | 『ノック 終末の訪問者』 |
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公開日 | 2023年4月7日 |
監督 | M・ナイト・シャマラン |
原作 | ポール・トレンブレイ |
キャスト | デイヴ・バウティスタ , ジョナサン・グロフ , ベン・オリドリッジ |
映画『ノック 終末の訪問者』のあらすじ【ネタバレなし】
人里離れた山小屋で休日を過ごす、養女ウェンとゲイカップルのエリックとアンドリュー。彼らのもとに突然やって来たのは、凶器を持った見知らぬ訪問者でした。その4人組は突然窓ガラスやドアを破壊し、強引に侵入。 1人の男が家族の前に立ち「我々の使命は世界の終末を止めること」と語り始めます。そしてその「世界の終末」は彼ら家族にかかっていると説明しました。 終末を止める方法とは?そしてそもそも男たちの主張は本当なのか……。M・ナイト・シャマラン作品らしい最後まで読めない展開が待っています。
映画『ノック 終末の訪問者』の感想・評価
大どんでん返しが見たい人からしたら少しガッカリするかもしれませんが、私はサスペンスとホラーの中間にあるような本作を楽しめました。登場人物の背景描写が少なかったので、もう少し深堀りがあればもっと感情移入できたかなと思います。
前作「オールド」はあんまり好きではなかったのですが、今作は好きな作品でした。まずバウティスタを始めとするキャストの演技が素晴らしい!ストーリーも終始ハラハラさせられて最後の結末は自分だったらどうするか考えさせられる内容でした。
「もしも世界の終末が1組の家族の生死に委ねられたら?」という突拍子のないテーマを扱った『ノック 終末の訪問者』。連続で迫られる「世界か家族か」という選択に加えて、不審な訪問者の終末論をそもそも「信じるか信じないか」という選択のせめぎ合いが本作の最大の見どころです。 設定や登場人物の行動原理に説明の不足を感じる人もいますが、このように登場人物の決断に注目した映画だと捉えればあまり気にならないでしょう。
原作と大違い?『ノック 終末の訪問者』の結末を比較【ネタバレ】
本作の結末部分に大いに批判が巻き起こっているのは、ポール・トレンブレイによる原作小説『終末の訪問者』の結末とはまったく違うという点もあるかもしれません。 原作ではレオナルドとアンドリューが格闘の末、誤ってウェンを撃ち殺してしまいます。しかしウェンの死は「犠牲」としてはカウントされず、生き残ったエリックとアンドリューはどんな事が起きても立ち向かおうと決意します。たとえ世界の終末が止まらなくても。 しかし映画では、世界の終末を信じたエリックが自ら犠牲となってアンドリューの手で殺され、ウェンとアンドリューが生き残るという結末でした。 両方に共通しているのは、訪問者の正体が「黙示録の四騎士」であることと、世界の終末が事実であること。四騎士とは新約聖書の「ヨハネの黙示録」に記された世界の終末に現れる神の使いです。
映画『ノック 終末の訪問者』の結末には賛否両論が【ネタバレ】
評価の分かれる結末とは?
確かに、原作の結末はたとえ世界の終末が訪れようと、愛する人と立ち向かおうとする希望あるものだったため、なぜそれを変えたのかという疑問が残ります。また、エリックの決断が唐突すぎたことや、なぜ家族が犠牲にならないといけないのかという点にも謎が残ったまま。 さらに議論を呼んでいるのは、ホモフォビアを描いているにも関わらず、ゲイカップルの1人が殺されなければならないことに納得いかない人もいるのかもしれません。逆に考えれば、エリックが“世界を救った”ことにはなるのですが、それでも原作の結末よりは賛同しかねるのかも。 いずれにしても家族の犠牲か世界の終末かという「究極の選択」を迫られた時、自分はどうするかという問いを投げかける作品ではあります。
緊張感に物足りなさを感じる人も
シャマラン監督作に期待されるどんでん返しの要素が少なく、冒頭から結末がわかりすぎている点に物足りなさを感じる人は多いようです。また訪問者たちが「家族を傷つけるつもりはない」と発言していることも、スリリングな展開に結びつきにくかったのかも。 とはいえ、大きなどんでん返しはないものの、ホラーテイスト満載の密室「山小屋」を舞台に、狂気の訪問者がみな殺しにやって来る……という安定の展開に落ち着かない魅力も。レオナルドを筆頭に、4人の訪問者はみな“狂っていない”常識が通じる人々です。だからこその怖さも! 訪問者がアンドリューやエリックを殺しにやって来たのではなく、自ら選択させ、拒否すると訪問者同士で殺し合うという意外性もありました。
『ノック 終末の訪問者』の結末までのあらすじ【ネタバレ】
【起】世界の未来を託された家族
休暇を過ごしていた7歳のウェンと2人の父・アンドリューとエリック。彼らのもとにレオナルド、サブリナ、アドリアン、レドモンドの4人がやってきて、強引に小屋へ侵入してきたのです。 彼らは初対面で、集まった理由は幻影と未知の力によって一家を探すよう命じられたためと説明。さらに家族が世界の終末を止める鍵になると言うのです。 そして世界の終末を止める方法は「家族の1人を"家族の手で"殺すこと」というとんでもない内容でした。
【承】終末の始まり
レオナルドとエリックは申し出を拒否。すると彼らは幻影をもとに作った武器でメンバーの1人レドモンドを殺害してしまいます。 エリックは光を目撃し、テレビからは大津波のニュースが流れました。レオナルドは「終末の始まりだ」と語ります。 アンドリューはレドモンドが昔ゲイであるという理由で自分に暴力を振るった人物だと分かり、今回の件は復讐だと思い始めました。しかしエリックは謎の光を見たことも影響し、集団を信じ始めます。
【転】予言は嘘か本当か
翌日、アドリアンが犠牲になります。すると今度はウィルスが蔓延しているというニュースが流れました。 しかしアンドリューは用意されたニュース映像だと主張し、小屋から脱出します。車から取り出した銃を放ちますが、サブリナは逃亡。レオナルドを洗面所に閉じ込め、家族で逃げる方法を模索している最中にサブリナが戻ったため、アンドリューは射殺してしまいます。 閉じ込められたレオナルドは窓から逃げたと思わせてアンドリューをおびき出し、銃を奪取しました。
【結末】ラストに待ち受ける一家の運命は?
テレビでは飛行機が墜落する映像が流れます。そして空を暗闇が覆い始めました。 レオナルドは終末まで決断できる時間はほとんどなく、生贄を出さなければウェンが最後の地球上の人間になると伝えてから自殺してしまいます。 決断の時が迫っていました。エリックはレドモンドの死に際に見た光にアンドリューと成長したウェンの姿を見たと語り、アンドリューに自分を殺すよう伝えます。 愛するパートナーの言葉にアンドリューが下した最後の決断は……?
映画『ノック 終末の訪問者』のキャスト一覧
レオナルド役/デイヴ・バウティスタ
レオナルドは小屋に侵入する4人組のリーダー格の男。武器を使って侵入しながらも危害を加えるつもりはないと家族に伝えます。その真意とは? デイヴ・バウティスタといえば「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのドラックス役として大人気の俳優です。
エリック役/ジョナサン・グロフ
エリックはウェンの父親の1人です(画像右)。あることがきっかけで世界の終末が自分たちの手にあることを少しずつ信じ始めます。 ジョナサン・グロフは『マトリックス・レザレクション』(2022年)など話題作に多数出演。また本作の役どころ同様、同性愛者と公表しています。
アンドリュー役/ベン・オルドリッジ
アンドリューは、ウェンのもう1人の父親です。彼は侵入者の1人から受けた過去の出来事を思い出し、彼らの主張を疑い始めます。 ベン・オルドリッジはバットマンの前日譚を描いたドラマ「ペニーワース」でブルース・ウェイン役を熱演。彼もまた同性愛者であることを公表しています。
サブリナ役/ニキ・アムカ=バード
サブリナは4人組の1人で本職は看護師の女性(画像右)。脳震盪を起こしたエリックを心配する一面も見せます。 ニキ・アムカ=バードはナイジェリア生まれの女優で、シャマラン監督作『オールド』(2021年)にも出演しました。
レドモンド役/ルパート・グリント
レドモンドは4人組の1人で、他人を馬鹿にするような態度をとるなど性格の悪い人物です。 ルパート・グリントといえば「ハリー・ポッター」シリーズのロン・ウィーズリー。近年はドラマへの出演が多かったため、本作は2015年以来の映画出演となりました。
映画『ノック 終末の訪問者』の感想をネタバレあらすじと共にチェック!
原作とは違う結末や先の読めるあらすじに賛否が分かれている『ノック 終末の訪問者』。シャマラン監督作というとどうしてもどんでん返しを期待してしまいますが、それだけではない物語の味わいやキャストの演技にも注目して鑑賞してみてはいかがでしょうか? M・ナイト・シャマラン監督最新作『ノック 終末の訪問者』は2023年4月7日公開です。