映画『Mr.ノーバディ』結末までのネタバレあらすじと感想考察!ハッチの正体とタトゥーの意味とは
「ジョン・ウィック」シリーズのスタッフが手がけた『Mr.ノーバディ』。何者でもない中年男が、殺人マシーンへと覚醒する痛快ハードボイルド・アクションです。 この記事では、『Mr.ノーバディ』のあらすじや結末までのネタバレ、解説などを紹介します。
映画『Mr.ノーバディ』のあらすじ
義父が営む金型工場で働く主人公ハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)。彼は日々、郊外の自宅と職場を路線バスで往復するだけの冴えない中年男です。 そんなある夜、マンセル家に男女2人組の強盗が侵入!事を荒立てないよう弱気な対応をしたため、妻ベッカ(コニー・ニールセン)にさらに失望されてしまいました。同じ職場の義弟にも揶揄され、路線バスで出くわしたチンピラの挑発が引き金となって、我慢の限界が訪れるのですが……。
映画『Mr.ノーバディ』の結末までのネタバレあらすじ
【起】職場にも家庭にも居場所がない日々
金型工場で会計士を務めるハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)は、見た目にも経歴にも目立った特徴のない、ごく普通の父親。妻ベッカ(コニー・ニールセン)と息子のブレイク(ゲージ・マンロー)、娘のサミー(ペイズリー・カドラス)と平凡に暮らしています。 とある夜、男女2人組の強盗が自宅へ押し入り、果敢に掴みかかったブレイクが暴行を受けました。ハッチは反撃を躊躇してしまい、妻と息子の心はさらに離れていきます。 ハッチは強盗に殺意がないと気付いていたものの、サミーの大切なブレスレットが持ち去られたことに激怒し、奪還を試みるため彼らの自宅へ。そこで酸素マスクを着けた赤ん坊を発見し、夫婦であった2人組の事情を察して、自身の腕時計だけを取り返して立ち去りました。
【承】ロシアン・マフィアのボス、ユリアンの怒りを買ってしまう!
職場では過小評価され、家庭でも理不尽な目に遭い続ける日々。そして、強盗への昇華できない感情を抱えながらも路線バスで帰路に就きます。その道中、テディ・クズネツォフ(アレクサンドル・パル)らが女性客に絡んでいるのを見て、ついにハッチの怒りが爆発しました。 彼らを徹底的に叩き潰しますが、テディの正体はロシアン・マフィアのボス、ユリアン(アレクセイ・セレブリャコフ)の弟で、ハッチは命を狙われることに! ユリアンはハッチへの復讐に燃え、部下の女ハッカーに正体を洗わせようとしました。しかし、部下はハッチの正体を知るや、任務を投げ出して逃走してしまいます。その後、他の部下がハッチの自宅を襲撃するものの、1人残らず返り討ちにされるのでした。
【転】ロシアン・マフィアとの全面衝突へ!
ハッチは家族を避難させると、自宅に放火して武装集団の遺体を始末。隠してあった金塊を回収し、義父エディ(マイケル・アイアンサイド)の金型工場を買収します。 大量の武器を集め、マフィアとの決戦に向けて準備を進めていた頃、ハッチの父デイビッド(クリストファー・ロイド)が暮らす老人ホームが襲撃されました。デイビッドは元FBI捜査官であり、乗り込んできた敵をショットガンで一掃してしまいます。 マフィアのアジトを強襲し、ユリアンが管理する資産をすべて燃やしたハッチ。怒り狂ったユリアンが部下たちに彼の殺害を命じて、激しいカーチェイスが勃発しました。 ハッチが金型工場へたどり着くと、デイビッドと異母兄弟のハリーが応援に駆けつけます。
【結末】ハッチに新たな危機が!?次の襲撃を予感させるラスト
銃撃戦の最中、ハッチは父親との会話を通じてかつての自分を思い出していました。弾切れした瞬間、用意していた爆弾を防弾ガラスにつけて特攻し、ユリアンを爆死させます。 パトカーに周囲を囲まれてしまったため、ハッチはハリーとデイビットだけを逃し、自身は逮捕されて取り調べを受けることに……。「お前は何者だ?」と聞かれて「誰でもない」とだけ返すと、取調官の携帯に突然電話がかかってきて、そのまま釈放されました。 それから3ヶ月後、新居の内見に訪れていたハッチとベッカ。不動産屋の女性の携帯が鳴り、彼女はハッチへの電話だと携帯を渡してきます。その直後、ハッチは「この家にはあるのか……?」と言いかけますが、何かを察したベッカが「地下室が」と続けるのでした。
映画『Mr.ノーバディ』の感想・評価
こういう地味そうな主人公が実は……みたいな展開最高!つよつよおじさん大好物。自宅は燃やすわ爆弾持って特攻するわでいちいち派手で、観ていてスカッとしました。ブランクや老い相応に反撃もされていて、ボロボロになるのもリアルで良い。
音楽がお洒落なバイオレンスアクション映画。「ジョン・ウィック」味を感じる演出もある。ただ、事前情報から想像していた内容とは少し違った。ハッチの経歴がわかった瞬間、裏の人間は結局暴力から逃れられないんだなと感じてしまって、彼に感情移入できなくなった。
【解説】ハッチの正体は何だったのか?
ハッチの正体は「3文字の政府機関の元・会計士」。自宅を襲撃したマフィアの武装集団に対して、自身の過去を語るシーンが登場します。 3文字の政府機関がFBIかCIAか、または他の機関か、架空のものかは明かされていません。 ちなみに、英語版の台詞ではauditor(監査人)と表現。会計士はそのままの意味ではなく、“法で裁けない面倒事を精算する”非公認の殺し屋のことです。現役時代、ハッチは処分対象だった男を特に理由もなく、思いつきで見逃した経験があります。 1年後、悪党に戻っているだろうと思った男は、改心して幸せな家庭を築いていました。ハッチは普通の生活への憧れから会計士を辞め、一家の父親になるべく努力していたのでした。
【考察】手首に彫られたトランプタトゥーの意味
おそらく「3文字の政府機関」とは別に、ハッチはかつて特殊部隊で従軍していました。 その根拠となるのが、強盗の情報を求めて訪れたタトゥーショップのシーン。退役軍人の男がハッチの手首にあるタトゥーを見た途端、「兵役どうも」と言って奥の部屋へ閉じこもりました。 手首に彫られていたタトゥーはトランプの「スペードの7とダイヤの2」ですが、一般的にはこのデザインと結びつく部隊は存在しません。軍内でも知る人ぞ知る、一種の「死神部隊」と呼ばれるような部隊の証かもしれませんね! またポーカーのテキサス・ホールデムにおいて、タトゥーの手札は最弱の手札。ストレートを作ることができないため、引いた時点で「負け」を意味するのです。つまり、対峙した相手に「お前は詰んでいる」と告げている、と解釈することもできます。
映画『Mr.ノーバディ』をネタバレ解説・考察でおさらい
現代のストレス社会に捧ぐ、デトックス映画として人気を博した『Mr.ノーバディ』。2022年12月、続編の企画が2023年の撮影開始を目指して進行中と発表されました。ぜひ本記事を読んでをストーリーをおさらいしておいてくださいね。