2023年2月14日更新

映画『レリック 遺物』結末までのネタバレあらすじと感想考察!認知症の祖母に訪れる衝撃のラストとは

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『レリック 遺物』(2021年)
©︎ CARVER FILMS/SCOTT MCAULAY/All Star Picture Library/Zeta Image

認知症の祖母を中心に、3世代の家族が巻き込まれていく恐怖を描いたホラー映画『レリック -遺物-』。不気味な映像と展開が話題になった本作ですが、その結末は「よくわからなかった」という人も多いのではないでしょうか。 この記事では、『レリック -遺物-』のネタバレあらすじをおさらいしながら、謎の多い結末について解説・考察します! ※この記事には『レリック -遺物-』の結末までのネタバレが含まれます。未鑑賞の方はご注意ください。

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映画『レリック 遺物』のあらすじ

ある日、森に囲まれた家でひとり暮らしをしていた老女エドナが行方不明に。彼女の娘ケイと孫のサムが急いで家に向かうと、そこには彼女が認知症に苦しんでいた痕跡が。 2人が心配するなか、エドナが突然帰宅します。しかしその様子はどこかおかしく、まるで知らないなにかに変貌してしまったようでした。ケイとサムは愛する母であり祖母の本当の姿を取り戻そうとしますが、変わり果てたエドナと彼女の家に隠されていた秘密が、2人を恐怖に陥れていきます。

映画『レリック 遺物』の結末までのネタバレあらすじ

【起】祖母の失踪

『レリック -遺物-』(2020年)
© CARVER FILMS/SCOTT MCAULAY /All Star Picture Library/Zeta Image

ある日、森の中の1軒屋に住む老女エドナ(ロビン・ネヴィン)の姿が見えなくなり、彼女の娘ケイ(エミリー・モーティマー)とサム(ベラ・ビースコート)が心配してやってきます。家の中は散らかり、壁にはやることのメモが貼り付けられていました。 2人は警察に連絡し、エドナを捜索しますが結局見つかりません。ケイとサムは祖母の家に泊まることに。そこでサムはクローゼットに異変を感じ、壁に黒いカビのようなシミを見つけます。その夜ケイは、数週間前に連絡を受けたとき、エドナはなにかに恐怖を感じていたようだと言います。サムはなぜ相談しなかったのかと怒りました。 翌朝ケイが山小屋で恐怖を体験する悪夢から目覚めると、エドナが何食わぬ顔でキッチンに立っていました。

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【承】奇行をくり返す祖母

『レリック-遺物-』(2020年)
© CARVER FILMS/SCOTT MCAULAY /All Star Picture Library/Zeta Image

ケイはエドナにどこに行っていたのか聞きますが、はぐらかされてしまいます。医師を呼んでエドナは診察を受けますが、胸にできた大きなアザのような黒いシミを見せることを拒絶しました。 サムは祖父が描いたという絵を発見し、ケイに見せます。それは彼女が悪夢に見た山小屋の絵でした。この山小屋は、エドナが先祖から受け継いだものだとか。一方エドナはケイに「ベッドの下になにかいる」と訴えますが、なにもありませんでした。 ケイとサムはエドナの今後について話し合い、介護施設を探すことにします。2人が帰宅するとエドナは珍しく上機嫌でしたが、介護施設の話をすると突然不機嫌になり、以前サムにあげた指輪を彼女が盗んだと怒鳴ります。 エドナの奇行は止まらず、クローゼットに鍵をかけたケイに「クローゼットからなにかが来る」と言いました。その晩ケイは再び悪夢を見ます。それは山小屋で誰かが死に、黒いシミで部屋が覆われる夢でした。

【転】迷路のようなクローゼット

『レリック -遺物-』(2022年)
© CARVER FILMS/SCOTT MCAULAY /All Star Picture Library/Zeta Image

翌朝エドナは「あの2人は本物のケイとサムではない」と言い、ナイフで手を切ろうとします。心配するサムに彼女は「出ていけ!」と怒鳴りつけました。 サムはエドナの隣人ジェイミー(クリス・バンドン)の家を訪れます。そこで彼の父アレックス(ジェレミー・スタンフォード)から、以前ジェイミーがエドナの家のクローゼットに1時間ほど閉じ込められてしまったことがあると聞かされたのです。 ケイはエドナが外へ出て写真を食べようとしているのを発見し、慌てて止めます。アルバムを埋めて泣き出したエドナを抱きしめ、ケイは一緒に暮らそうと言いました。 家に戻ったサムは、クローゼットにエドナの奇行の原因があるのではないかと考え、調べはじめます。そこは大きな迷路のようになっており、彼女はその中で迷ってしまいました。サムは壁に貼られたエドナの手書きのメモと例の黒いシミを見つけて逃げ出そうとしますが、完全に閉じ込められてしまいます。

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【結末】3世代の女性を待ち受ける衝撃のラストとは

食事中、エドナは放尿してしまい、ケイは彼女を風呂に入れます。すると彼女はエドナの尿の跡が黒いシミに変わっているのに気がつきました。ケイはエドナが心配になり風呂へ行きますが、エドナはドアを開けません。なんとかドアを開けると、エドナは浴室を出てどこかに行ってしまいました。 ケイはエドナを追ってクローゼットへ。そこで彼女は自分の頬にナイフを刺しつづけるエドナを発見し、恐怖で逃げ出します。 サムは壁をパイプで破壊してクローゼットから出ようとしていました。そのときケイと再会し、2人がクローゼットから脱出すると、エドナが追いかけてきました。ケイはエドナをパイプで殴り、気絶させます。 そして彼女の体をベッドに横たえると、その皮膚を剥きはじめます。エドナは皮膚をすべて剥ぎ落とされ、真っ黒い人型になりました。ケイはエドナに寄り添って横になり、サムも母の背中に寄り添います。そこでサムは、母の背中に黒いシミが現れているのに気がつきました。

映画『レリック 遺物』の感想・評価

レリック -遺物-
© CARVER FILMS/SCOTT MCAULAY /All Star Picture Library/Zeta Image
レリック -遺物-』の総合評価
3.5 / 2人のレビュー
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20代女性

個人的には結構好きだった。スローな展開とか、ラストとか好みが分かれそうだが、中盤以降の恐怖の表現は結構斬新なものに感じた。他のホラー映画のリスペクトも感じられる。全編通して不穏な雰囲気のする佳作。

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30代男性

得体の知れない何かを感じる不穏な空気感に認知症の家族を持つ不安、家族に忘れられた者の呪いが憑依していく恐怖、家族愛を掛け合わせたホラー映画、新しい。(ヘレディタリーに通ずるものはあるが)

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【解説】ラストに現れた黒い人型は一体なに?

ラストシーンでケイは母の皮膚を剥き、最終的にエドナは真っ黒な人型になります。これは、序盤から恐怖の対象として登場していた黒いシミが全身に広がった結果と考えられます。 本作は認知症で愛する人が変わってしまう恐怖をホラーとして描いていますが、最後の黒い人型は、母であり祖母だったエドナが、ケイやサムのことを完全に忘れてしまい、全くの別人になってしまったことの比喩ではないでしょうか。 また黒いシミは、死の前段階としての「老い」を象徴しており、エドナは少しずつ、それに侵されていきました。さらにサムは母ケイの背中に同じシミを発見し、母にも「老い」が迫っていること、そしていつか自分にもそれがやってくることを予感して、映画は幕を閉じます。

【考察】家に隠されていた暗い秘密とは

本作のもう1つのポイントに山小屋があります。サムの曽祖父が晩年ひとりで暮らしていたというその山小屋は、彼が孤独死したことで取り壊されることになります。しかしエドナの家には、山小屋から持ってきたステンドグラスがありました。これが家に呪いをかける原因になったのでしょう。 山小屋は孤独死した曽祖父の怨念に満ちていたのかもしれません。そこにあったステンドグラスには、やはり彼の呪いが染み込んでいたのではないでしょうか。 ケイの話では、曽祖父も認知症を患っていた可能性がほのめかされ、彼は死後、遺体が腐敗するまで放置されていたといいます。エドナも同じく認知症になりましたが、彼女にはケイやサムなど気にかけてくれる存在がいたことで、怨霊が嫉妬し、彼女たちに牙を剥いたのかもしれません。

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映画『レリック 遺物』をネタバレ解説・考察でおさらい

はっきりと言及されないことが多く、難解な印象を与える『レリック -遺物-』。認知症と家族に継承されていく呪いという、2つのテーマの掛け合わせが斬新です。 ここでは黒い人型の解説と呪いの原因を考察しましたが、自分なりに考えてみるのも楽しいかもしれませんね!