漫画『十億のアレ。～吉原いちの花魁～』最新巻までネタバレ感想＆最終回結末予想！漫画rawを使わずに全話無料で読める？

両親への復讐を胸に、遊女として成り上がっていく主人公の成長を描いた漫画『十億のアレ。～吉原いちの花魁～』。主人公・アザミの潔くてカッコいい生き様が印象的で、官能的な世界を舞台に繰り広げられる爽快感のあるストーリーが魅力です。 この記事では電子コミック大賞にも選ばれた本作のストーリーを、ネタバレ込みで最新巻まで解説していきます。

本作の主人公・清川明日風は19歳。彼女を施設から引き取って育ててくれた養父母に騙され、彼女は両親の借金を返済するために吉原に売り飛ばされてしまいます。彼女が売り飛ばされた先は、かつて江戸時代に栄えた楽園・吉原を現代に蘇らせようと生まれた場所。今では老若男女からの人気の集まる観光地になっていました。 新入りが吉原の施設紹介を受けているなか、状況をよくわかっていない明日風は、場違いな質問をして空気を壊してしまうのでした。裸で鏡の中に入れられていたことについて質問をした明日風。その理由は、鏡はマジックミラーになっていて、中にいる女性を鏡の向こうから吉原の店主たちが品定めをするためでした。 ショックを受けた明日風は、自分の名を呼ぶ声が聞こえる方向に逃げ出すのでした。逃げている途中、とある男とぶつかってしまい、その男から襲われそうになる明日風。そこに現れた糀谷によって明日風はピンチを脱するのですが……。 糀谷は、明日風を医務室に連れて行きます。幸い、彼女の怪我は軽い捻挫程度でした。そして明日風は、糀谷から360度海に囲まれた吉原からは絶対に脱走できないと教わります。

養父母に仕返しをすると決め、アザミという名で吉原にて働くようになった明日風。糀谷はアザミを気に入り、初めて客と寝所にて接する"水揚げ"をしようとしていました。男たちに汚される前に、自分のものになるようにと言われたアザミは、糀谷に対して違和感を抱きます。 一方で、三倉は水揚げ部屋を荒らした犯人を捜していました。そんな彼が目を付けたのは山吹。彼女は、アザミの水揚げを止めて欲しいと三倉に懇願するのでした。さらに、山吹は糀谷が女へ復讐するために、アザミを壊そうとするとまで言うのです。 話は戻り、アザミに痛いところを突かれてしまった糀谷は、男に見下されるのが嫌いな女をアザミの姿に重ねていました。そして、プライドの高い女をへし折るのが愉快だとアザミに話します。さらに彼は自分語りを続け、山吹もお金の力でねじ伏せたと言うのです。 そんな糀谷に対して、言う通りにはならないと言い放ったアザミは、糀谷に首を絞められかんざしで傷つけられそうになるのですが……。

三倉が電話に出ると、そこで聞かされたのは彼が吉原からの脱走を手伝った汐織の死でした。汐織の脱走を手伝ったということで、三倉は吉原の本部に引き渡され、口を割るようにと拷問と尋問が繰り返されます。そこで、彼は汐織の死について聞かされるのでした。 脱走した汐織は、とある客に会いに行きます。しかしその客は、故郷に帰って見合いをし、金持ちの娘と結婚していたのでした。2人の結婚式を見てしまった汐織は絶望し、崖から海に飛び降りたというのです。 彼女を脱走させなければ、こんなことにはならなかったと三倉は自分を責めます。汐織が残した借金を肩代わりをするために、死を覚悟していた三倉でしたが、彼に与えられた罰は右目を潰すというものでした。そして三倉は償いのために、花扇の楼主に引き取られ……。 そんな話をアザミにした三倉は、戒めとして2度と遊女を好きにならないと話します。さらに、男に助けてもらうのではなく、自分の足で立てとアザミに伝えるのでした。

自室に戻ったアザミの前に広がっていたのは、すっかり散らかってしまった地獄のような部屋。箱に入ったままの荷物の中から取り出したのは「借金返済」「打倒両親」と書かれた紙でした。その紙を目にしたアザミは、かつてと変わらないはずと思いつつも、両親への気持ちに変化を感じたようで……。 花魁の格好をして写真撮影に臨むアザミを見て、お客が見とれている一方、部屋に忍び込んで隠し撮りをしようとする輩がいました。アザミは、その輩たちをつまみだ出す三倉と目が合ってしまい、思わず目を背けてしまいます。 写真撮影を終え、別室に連れていかれたアザミはインタビューをされることに。今後の目標について聞かれた彼女は、両親への復讐と答え木南から注意を受けるのでした。 インタビューを終えたアザミは、自分の目標について改めて考えます。遊女としての目標を持たない彼女は、両親への仕返しについて掘り下げるのです。そして、本当に両親と出会えた時に何と言えばよいのだろうと考えこむのでした。

客室で朝を迎えたアザミは、寝ぼけまなこで昨日のことを思い出していました。布団から立ち上がろうとすると、後ろから糀谷に抱きしめられます。急な糀谷の変わりっぷりに、アザミは戸惑った様子を見せ……。 服を整え、部屋を出ようとするアザミを糀谷は抱きしめて、またすぐ来ると伝えます。何か裏がありそうと疑うアザミでしたが、2人の様子を見ていた睡蓮からはやったじゃないと声をかけられるのでした。彼女が言うには、帰っていく糀谷の顔が晴れやかであったとのこと。 店内ではアザミが糀谷をモノにしたと噂になっていました。ただ、アザミ本人はさほど嬉しくなさそうです。というのも、糀谷は山吹の元上得意であるため、山吹がどう思っているのかアザミは気にしていたのでした。 直接確認しようと、アザミが山吹のもとを訪れると、山吹はアザミが来ることを予想していました。糀谷を客にできたことを嬉しいかと聞かれますが、アザミは即答できません。この場所と、自分の存在を常に考えなさいと山吹に言われ、アザミは考えこむのですが……。

三倉の前に現れた深沢早紀と名乗る女は、5年前に崖から身を投げて死んだと思われていた汐織でした。5年前と変わらぬ姿を見て三倉は驚きを隠せません。仕事の話をしにきただけという汐織の声を聞き、あの時と変わらないと三倉は考えを巡らせます。 彼女が吉原にやってきたのは、自身が作った寝具ブランドの会社のアピールで、自社で扱っている商品を売り込むためでした。吉原をきっかけに全国展開していくと語る汐織でしたが、その態度は挑発的で5年前の姿とは別人のようです。 ただ、彼女が挑発的な態度をとれるのには理由がありました。それは、5年前に安楽が汐織を脅していたときの録音データでした。汐織に対して30分間、中傷や脅迫が行われた様子が記録されています。この録音データを世間に公表すると彼女が言うと、安楽は狼狽する様子を見せて……。 5年前、汐織は吉原を抜け出し馴染み客の結婚式に向かいました。そこで彼女は馴染み客を刺してしまいます。そんな彼女を追いかけたのが安楽で、彼は崖から身を投げた彼女を見つけていました。

三倉のことを諦め、彼の前から再び姿を消そうと決心した汐織。しかし彼女に恨みを持つ安楽に狙われ窮地に陥ってしまいます。 ギリギリの所で三倉とアザミに助けられ、汐織は今度こそ身を引く決意を固め2人の元から去って行きました。しかしアザミと幸せになって欲しいという汐織の願いも虚しく、結局アザミと三倉との関係に発展はなし。互いに想い合いながらもじれったい関係が続きます。 それから暫くたち、糀谷の母親が急死するという事件が起こります。これをきっかけに、自分が求めていたものに気が付いた糀谷。母親という枷が無くなったことで一気にアザミへの依存を加速させていきます。 一方、女優として活躍の幅を広げるべく奮闘中のアザミのもとに、人気女優・るいの代役の話が舞い込んできました。しかし何者かに意図的に怪我をさせられ役を降板したるいから、アザミは一方的に犯人扱いをされてしまいます。 他の人たちからも犯人だと疑われ落ち込むアザミでしたが、三倉に話を聞いてもらったことで、ずっと悩んでいた恋の演技のコツを見つけるのでした。

過去の漫画『十億のアレ。～吉原いちの花魁～』発売日は、5巻が2022年7月2日、6巻が2023年4月1日、7巻は2024年1月6日でした。 直近の3巻分は9か月に1度発売されているため、8巻の発売は2024年10月であると予想されます。

今のところまだまだ恋人になるには時間がかかりそうですが、最終的にはアザミと三倉が結ばれることになるでしょう。 ポイントとなるのはアザミがどうやって吉原を出ていくのか、という部分。10億円借金返済や、三倉と逃亡という形だけではなく、吉原自体が無くなるという結末もあり得そうです。 そもそも人権的に問題大ありな吉原のシステム。何らかのきっかけで一気に崩壊してもおかしくはありません。 一読者としては、名実ともに吉原という檻から開放され、三倉とともに新たな人生を歩みだすアザミの姿をぜひ見たいものです！

施設で育ったヒロインが、身元を引き受けて育ててくれた養父母に裏切られます。芸能界のようなところと言われて連れていかれた場所が、自分の体を売って男を喜ばせる吉原だったと知り、ヒロインは養父母への復讐を決意します。 最初は吉原という場所が理解できず、体を売ることに抵抗していた彼女。それでもここで生きていくしかないと覚悟してからは、周囲の協力もありどんどん強さを見せるようになります。 それでも、吉原にいる人たちは海千山千の強者ばかり。時にはピンチになることもありますが、強い心をもって乗り越えていきます。 彼女は花魁として成功して、養父母への復讐を果たすのでしょうか。それとも、成り上がった先で、違う幸せを手に入れるのでしょうか。最後まで目が離せませんね。

吉原を舞台にした作品なので、男女の官能的な様子が描かれています。欲望が渦巻く場所なので、色恋だけでなくきな臭い展開も描かれていて、先の読めない展開にのめり込んでしまうでしょう。 ただ時折見せるユーモアな展開が、箸休めのように読者の気を緩ませてくれます。息を吞む展開ばかりだと読み進めるには疲れてしまいますからね。 このような展開を支えているのが、シンプルな作画です。花魁が主人公なので、人に力を入れた様子が伺えます。同じキャラクターでも、色気のあるシーンと、ユーモアのあるシーンでの描き分けが絶妙。何度、読み返しても新たな気づきが得られるでしょう。