2023年6月1日更新

映画『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』ネタバレあらすじ&解説!アニメ3期に繋がる謎を考察【2023年最新作】

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劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE
©サイコパス製作委員会

斬新な設定と魅力的なキャラクター、壮大なストーリーなどが高く評価されるアニメ「サイコパス」シリーズ。その10周年プロジェクトの一環として、ついにシリーズ最新作『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』が公開されます! 以下では5月12日に公開された本作について徹底紹介!公開後にはネタバレも交えながらストーリーを解説していきます。

劇場版1作目を振り返ろう!

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映画『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』概要まとめ!時系列は?

本作は劇場版3部作『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』の第3作「Case.3『恩讐の彼方に__』」とテレビアニメ第3期をつなぐストーリーです。 常守朱と狡噛慎也のコンビはもちろん、第1期から第3期までの主要キャラが勢ぞろいで、作品ファンにとってたまらない内容になっています。主要キャストにも花澤香菜、関智一をはじめとしたおなじみの顔ぶれが並んでいます。

公開日 2023年5月12日
メインキャラ 常守朱 , 狡噛慎也 , 宜野座伸元
監督 塩谷直義
公式サイト アニメ公式サイト

映画『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』あらすじ内容

刑事課一係と行動課がともに強大な敵に立ち向かう

2118年1月。統括監視官として厚生省公安局刑事課の指揮を執る常守朱は、外国船舶で事件発生との連絡を受けます。彼女は厚生省統計本部長・慎導篤志とともに現場に向かいますが、捜査権は厚生省ではなく外務省海外調整局行動課にありました。 今回の事件は、行動課がずっと追っている組織「ピースブレイカー」が起こしたもの。その事実を知り、刑事課一係は行動課と共同捜査をすることになります。 そんな中で朱が出会ったのは、とある事件をきっかけに国外逃亡したはずの執行官・狡噛慎也。ふたりはかつてのようにチームを組み、強大な敵に立ち向かっていくのですが……。

映画『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』結末までネタバレ解説!

【起】「ストロンスカヤ文書」をめぐる事件が発生

重要な会議に出席し、政治家に対し法の必要性を訴える朱。しかし彼女以外のほとんどにとって、法廃止は決定事項のようでした。そんな中、外国船舶で起きた事件について連絡を受け、朱は篤志とともに急いで現場に向かいます。 事件は、行動経済学や統計学の世界的権威であるミリシア・ストロンスカヤ博士による研究「ストロンスカヤ文書」を狙って、ピースブレイカーが引き起こしたものでした。ミリシアは朱と篤志が出ていた会議にゲストとして出るはずが、ここで殺害されてしまっていたのです。 その後壬生の指示によって、刑事課一係と外務省行動課は協力してピースブレイカーを追うことになります。

行動課の一員として朱たちの前に姿を現した狡噛。「もう二度と俺たちの前に姿を現すな」という約束を破った彼に対し、宜野座は当然怒りを隠せません。朱も複雑な想いを抱えており、若干ギスギスとした雰囲気が漂いますが、そんなことは関係なしに任務は進んでいきます。 ミリシアは亡くなる直前、旧知の仲である雑賀譲二にメールを送り、「ストロンスカヤ文書」を託していました。文書があるのは、外務省の特別管轄地域・出島にある海外情報センタービルの私書箱。そこで一係と行動課は雑賀を引き連れ、早速そこに向かいます。

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【承】朱と狡噛の恩師である雑賀の死

しかしいざビルに向かってみると、私書箱に文書は入っていなかったうえ、ピースブレイカーが襲撃してきます。 さらに乱闘の中、雑賀が敵に吹き飛ばされて高所から転落し、死亡してしまうという悲劇が起きました。朱は落下の直前、雑賀の手をつかんで必死に引き上げようとしたのですが、その想いもむなしく……。 一同がピースブレイカーを捕えるという想いをよりいっそう強めるなか、敵の一員のはずだった甲斐・ミハイロフが、矢吹や篤志の指示で動いていた潜入捜査官だということが明らかに。実は彼の正体は、後に一係の監視官となる炯・ミハイル・イグナトフの実の兄である煇・ワシリー・イグナトフでした。 煇によれば、砺波はストロンスカヤ文書――紛争係数を予測できるシミュレーター理論を使って、紛争を拡大させようとしているといいます。さらにピースブレイカーの最高指導者・ジェネラルの居場所が、北方列島にあることも判明しました。

【転】朱たちは命令に逆らい、砺波逮捕のため動き出す

煇は脳内に「ディバイダー」と呼ばれる特殊なチップを埋め込まれており、遠隔操作のような形で身体のコントロール権を失ってしまいました。しかし彼は必死で抗い、これ以上好き勝手されまいと手にした拳銃で自身を撃ちます。最終的に煇は篤志にとどめを刺すよう頼み、その通りの結果に終わります。 その後、篤志はシビュラの指示に従って、一連の責任をとるため拳銃自殺。彼が死んだのはよりにもよって、炯と舞子の結婚式に出席した直後のことでした。 そんな中砺波が独立国家を作ると宣言し、ジェネラルと和解したシビュラは彼らの存在を認めます。しかしこの結末に朱が納得いくはずもありません。そこで彼女と狡噛をはじめとした一係・行動課メンバーは、上の決定に逆らって北方列島に攻め入ることにします。

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【結】事件はひとまず解決するが……?

激しい死闘が繰り広げられたすえ、朱は砺波の野望を阻止することに成功します。しかし朱は砺波を逮捕しようとしていたにもかかわらず、狡噛が砺波を殺害するという後味の悪い結果に終わりました。 ともあれこれでひとまず一件落着し、皆がそれぞれ日常に戻る……と思いきや、なんと朱は公衆の面前で壬生を銃撃するという衝撃の行動に出ます。 彼女は「人を撃っても色相が濁らない人間がいる」と身をもって証明することで、シビュラシステムも完璧でないこと、だからこそ人間とシステムが共存するために法が必要であることを主張しようとしたのです。これは、本作の冒頭から匂わされていた「法廃止」の動きに対して、必死で考えたすえ朱が出した答えでもありました。 収監されひとりになった後(おそらく彼女が収監されたのは雑賀が使っていた部屋)、子どものように泣きじゃくる朱。その後画面が切り替わり、狡噛が彼女を「必ず迎えに行く」と誓うシーンで物語は終わりました。

謎が遂に明かされる!アニメ3期に繋がる伏線をネタバレ考察

アニメ3期ではさまざまな情報が小出しにされていましたが、まだ明かされていない謎も多くあります。以下ではそのうち特に重要なものについて詳しく解説・考察していきます!

【伏線①】常守朱はなぜ捕まった?

朱が捕まったのは、式典の場で壬生を射殺したからです。とはいえ壬生はシビュラシステムの端末にすぎず、代替可能な存在でもあるので、厳密に言えば人を殺したわけではありません。しかしそれを知らない人間から見れば立派な殺人です。 彼女の目的は、“シビュラさえあれば”と法を廃止しようとする国の動きを食い止めるため、世の人々に法の必要性を問うことでした。要するに、なんでもかんでもシビュラ任せという思考停止状態を良しとはせず、人間が自分の頭で考え議論することの大切さを知らしめたかったのです。 そのために朱は公衆の面前で「殺人」という罪に手を染めたうえ、霜月にドミネーターを向けさせそれが作動しないのを見せつけることで、自身の色相が濁らないことを証明。シビュラの判断が必ずしも“正しい”ものだとは限らないという現実を皆に突きつけました。 彼女だってほんとうは、こんなことはしたくなかったでしょう。しかし自身の信じる正義を守るために、朱は自分の手を汚すという決断をしたのでした。

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【伏線②】ピースブレイカーって何?

ピースブレイカーの正式名称は、「外務省海外調査部現地調査隊」。かつて外務省の過激派が、破壊工作をさせるために海外に派遣した部隊です。隊長は砺波告善という人物で、慎導篤志と外務省海外調整局の局長・矢吹省吾がその結成に深くかかわっています。 とうの昔に解体された部隊ではあるのですが、その後隊員は誰ひとりとして日本に戻ってこず、海外で破壊活動を繰り返してきました。もとは身から出た錆……ということもあってか、行動課は血眼で彼らのことを追い続けています。

【伏線③】慎導篤志の正体と目的は?

厚生省大臣官房統計本部長である慎導篤志は、結論から言えば正義のために動いた人間でした。インスペクターとしても動いていたようですが、それもすべてシビュラの発展に貢献し平和な世の中を守るための計画の一環です。 しかし篤志は自身の理想と正義を貫き通すためには手段を選ばないところがあり、目的を果たす過程で多くの人間を犠牲にしてきました。本作だけでいってもミリシアに煇、雑賀が彼に利用されて死亡しています。 そんな彼も、息子の灼とその幼馴染である炯と舞子のことだけは、最期までずっと気にかけていました。そこが彼の唯一の弱点であり人間らしいところでもあるでしょう。

【伏線④】慎導篤志が炯の兄を殺害した理由は?

アニメ3期の監視官として登場する慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフ(けい)は、幼馴染で親友という関係です。しかしながら、けいの兄はを慎導灼の父親・慎導篤志によって殺されています。2人が公安に入ったのも、その事件の真相を突き止める為でした。そして本作でその真相が明らかになります。 けいの兄である煇・ワシリー・イグナトフは、ストロンスカヤ文書のデータを自分の脳内に保存し、公安に受け渡すように画策します。ですが、ピースブレーカーの指揮官・砺波告善によって煇の脳にはマイクロチップが埋め込まれており、砺波はそれを遠隔操作することで、データを手に入れようと画策するのです。

サイコパス
©サイコパス製作委員会

結果、砺波に脳を乗っ取られた煇。煇は自分の正義を貫くため、自分の意識外で仲間を裏切ることを防ぐために、その場に駆けつけた慎導篤志に自分を殺害してほしいと乞います。慎導はその願いを受け入れて煇を射殺したのでした。そして、真に煇を救えなかった慎導篤志は、その後すぐに自分の車の中で自殺します。 慎導篤志が煇を殺したのは、息子・慎導灼と、煇の弟の炯・ミハイル・イグナトフの為でもあったんですね。

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【評価】『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』の口コミ・感想

PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』の総合評価
4.5 / 4人のレビュー
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10代女性

この映画で、シーズン2と3の空白が見事につながりました。でもやっぱり「主人公常森」が終わるのは悲しい......

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30代男性

イグナトフのお兄さんと慎導本部長の2人が背負っていたものの大きさが半端無かった......。次の主人公2人の必然性が高まり、改めてシーズン3を見返したい!って思いました!

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20代女性

とにかく一人一人が大活躍!今まで霜月さんはあまり好きじゃ無かったけど、仲間を守るアツい姿が見られて、見直しました!

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40代男性

雑賀先生はいつまでも僕の推しキャラです。あなたは最高にロジカルでかっこよい大人でした。

【魅力】常守朱と狡噛のタッグが戻ってくる!

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス
(C)サイコパス製作委員会

本作の見どころといえばなんといっても、朱・狡噛タッグの活躍がまた見られることでしょう。ふたりが共闘するのは2015年公開の『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』以来のことで、実に8年ぶりとなります。 かつての相棒であり同時に師弟であり、かつて同じ敵を追い後に道を違えた同志でもあるふたり。一筋縄ではいかない関係ですが、そのドラマはもちろん共闘シーンがまた見られるのが嬉しくてなりません。予告編の時点ですでに相棒感がMAXなので、本編に対する期待も否応なしに高まります!

主題歌は安定の「凛として時雨」!

「サイコパス PROVIDENCE」で主題歌を歌うのは凛として時雨です。第1期のOP主題歌「名前のない怪物」のイメージが特に強いこともあり、予告編であの声を聴いて「キタキタ!」とテンションがあがった人も多いでしょう。 曲名は「アレキシサイミアスペア」。タイトル全体の意味はわかっていませんが、「アレキシサイミア」には「自身の感情をうまく認知したり表現したりできないこと」という意味があります。本作は人々の精神を数値化した世界が舞台となっていますが、それに対する皮肉がこめられているのかもしれません。

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映画『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』を劇場に観に行こう!

劇場版3部作とテレビアニメ3期のあいだにある、「語られなかった物語」がテーマである本作。朱と狡噛の共闘はもちろん、骨太のストーリーや迫力たっぷりのアクションシーンなど、いつもの「サイコパス」シリーズの魅力がたっぷり盛り込まれています。ぜひ劇場でご覧ください!

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