小説『おかしな転生』ネタバレあらすじ＆感想！前世がパティシエの転生者がお菓子で世界を変えていく

パティシエの主人公が貧しい領地を治める領主の息子へ転生する『おかしな転生』。お菓子によって領地を変えていくスイーツ・ファンタジーが話題の作品です。2023年7月からはテレビアニメが放送されています。 本記事では、そんな『おかしな転生』をネタバレ込みであらすじを紹介！主人公がお菓子で世界を変えていく姿を、ぜひチェックしてください。

天才菓子職人だった主人公は世界大会の会場で不慮の事故により死亡してしまいます。そんな主人公がペイストリー＝ミル＝モルテールン、通称ペイスとして転生して生まれた地は、辺境にある枯れ果てた土地でした。 お菓子作りによって豊かな土地にしようと決意したペイスは、農作物を変えて赤字を減らし、自転車操業だった経営を変えていきます。しかし、そんななか土地を荒らす盗賊団が出没している噂を耳にしました。 ペイスの父親のカセロールは領地を守るため、ペイスに魔法を授ける儀式を行います。無事にペイスに魔法が宿り、持ち前の知恵と魔法で盗賊団を追い払いました。また、盗賊を追い払うだけでなく、誘拐事件を解決したペイスは、フバーレク辺境伯家の四女であるリコリスと婚約します。

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誘拐事件を解決して4歳年上の婚約者ができたペイス。そんな有能なペイスは世界的にも有名になりました。しかし、当の本人はそんなことを一切気にしていません。仲間とともに砂糖や蜂蜜を作り始め、お菓子作りに精を出します。 そんななか、お茶会に招待されたペイスはレーテシュ女伯爵と会い、べっこう飴の流通の協力を得ました。交渉を終え談笑する2人ですが、レーテシュが挨拶程度のハグをします。その現場を見たリコリスが誤解をし、ペイスは報復としてレーテシュが少年趣味だと噂を流しました。 戦争の余波が領地に伝わりお菓子作りに影響が出始めます。戦争を止めるためにペイスは援軍に向かいました。そこで落ち込むスクヮーレのために、ペイスはタルト・タタンを作り励まし、そのお礼にワイン用の搾汁機を貰い受けます。

貯水池の整備や森の育成など、ペイスのアイディアで枯れ果てていた土地は次第に豊かになり、農作物が育つようになりました。その結果、生産量が上がり領地はようやく黒字経営へ。 このことを国王に報告し、20年前からの約束でモルテールン家は騎士爵から準男爵へと位が上がります。国王にとってカセロールは友人に値するため、領地のことを聞く姿は嬉しそうです。また、カセロールもさまざまな感情が入り混じり、国王が退室するまで動けませんでした。 位が上がったモルテールン家はペイスも含めて王太子の誕生会のパーティーに呼ばれます。ダンスが踊れないペイスは代わりに剣舞を披露することに。しかし、よく思わない貴族から妨害を受け、ペイスは喉を痛めました。 この事態を利用し、ペイスはのど飴を作って商品を宣伝していきます。

冬を目前とした頃、港町に住むボンビーノ子爵から手紙が届き、ペイスは会いに行くと海賊の討伐を頼まれました。ペイスの紹介でレーテシュの恋人になったセルジャンと、ペイスは海賊の討伐に向かいます。 討伐に向けて船を向かわせるペイスたちですが、裏切りにあい味方の船は沈没。ペイスが乗っていた船はセルジャンが裏切り者を退治して一命を取り留めます。ほかの船はペイスが裏切り者を炙り出し拷問にかけて海賊たちの作戦を聞き出しました。ペイスたちは海賊を制圧します。 海賊をけしかけたのは近隣に住むリハジック子爵でした。もとはボンビーノの領地を支配していたリハジックですが、ペイスはそこにあえて海賊を放ちます。そして、海賊討伐を目的に村へ襲撃をかけて土地を取り返すのでした。

冬を迎えて年が明けようとしていた頃、ペイスのもとへある報せが届きました。カセロールが宝冠を盗んだ容疑で王都から召喚の命を受けたのです。容疑を晴らすためにペイスは国王から許可をもらい調査を始めました。 調査を進めた結果、幼い王女のプティが犯人だと発覚。宝冠が王族のものだと知り、自分の部屋で保管しようと思ったそうです。容疑は晴れましたが、まだ父に嫌疑をかけたままでいてくれとペイスは国王にお願いをします。 この騒ぎでモルテールン家の悪い噂を流した貴族にペイスは復讐するつもりでした。あらぬ噂を流した貴族たちの不正の証拠を集めてペイスは叩きつけます。しかし、あまりの不正の多さに泣きが入り、国家予算から街道を敷かせる約束をしました。

春が訪れお菓子作りに励むペイスですが、リコリスの生家であるフバーレク家が隣国のサイリ王国にいるルトルート辺境伯領から侵略を受けて敗走します。リコリスの父で当主のドナシェルも行方がわからなくなりました。この報せを受けてカセロールとペイルは援軍に向かいます。 しかし、カセロールが敵兵の攻撃を受けて重傷を負いました。この事態を受けてペイスは策を講じて反撃に出ます。しかも、レーテシュ家・ボンビーノ家から協力を得て形勢は一気に逆転。ルトルートは自領へ撤退するも、先にペイスたちが占領して勝利を勝ち取ります。 負傷した父のためにも出産のためレーテシュ家を訪れていた治療魔法使いから、治療魔法をペイスの転移魔法で盗みました。レーテシュも無事に3つ子を出産します。

戦争がひと段落してお菓子作りに専念できると思いきや、そんな時間はありません。ペイスは戦後処理に翻弄されます。しかも、行方がわからなくなっていたリコリスの父、ドナシェルの死亡が確認され、ほかの貴族はこぞって利権を狙うのです。 もちろん、ペイスも巻き込まれてリコリスとの婚約破棄を計画してくる貴族もいました。ペイスは秘密裏にリコリスと結婚。結婚していることを伏せて貴族たちにお金の融資を集います。ほぼ詐欺のような復讐を遂げました。 レーテシュもこの機にペイスを引き入れようとして、レーテシュ家とリコリスはお菓子対決をすることに。この勝負はリコリスが勝利しました。さらに、レーテシュ家のお菓子をペイスが再現して顔を潰します。

出世して国軍の隊長を務めることになったカセロールは、妻のアニエスとともに王都の別荘に住むことになりました。そのため、ペイスが代行として領地の経営を引き継ぎ、新体制が敷かれます。 そんななか、トラブルが相次ぎ、アニエスの父親であるクライエスが危篤状態だと聞きました。駆け落ち同然で結婚したアニエスは、実家とは絶縁状態。例え実家に行ってもクライエスに会えません。そこでペイスが一計を案じて、アニエスとクライエスの2人を引き合わせました。 また、モルテールン家の失脚を狙うホージッド男爵は、アナンマナフ聖国の間者の協力を得て、アニエスを人質にとりペイスを誘拐しようとします。しかし、ペイスは反対に間者を捕らえて作戦を吐かせました。男爵に処分を与えた国王は聖国へ宣戦布告をします。

聖国に宣戦布告したことで、ペイスたちが住まうプラウリッヒ神王国と隣国のアナンマナフ聖国の戦争が勃発します。爵位が高くないモルテールン家は後方支援に努めていましたが、神王国は苦戦を強いられていました。 そんななか、艦隊内に謎の伝染病が流行りボンビーノ子爵はペイスに相談を持ちかけます。話を聞いたペイスは伝染病が壊血病だと気づきました。ビタミン豊富なフルーツを飾ったタルトを差し入れて、壊血病の蔓延を防ぎます。 一方、壊血病だと気づかない聖国は深刻なダメージを受けました。ほとんどが陸に引き上げますが、わずかな希望に賭けて動ける部隊が特攻をかけます。しかし、モルテールン家の旗を聖国の魔法使いが見て降伏をしました。ここに戦争が終結します。

戦争を終えた神王国では、ペイスの活躍を描いた演劇が上演されるという噂を耳にします。真相を確かめに行くとレーテシュが暗躍して、都合のいいようにシナリオを作っていました。 そんな演劇をペイスが見逃すはずもなく、レーテシュ役の女優にひっそりと演技を指導します。演劇当日、期待に胸を膨らませたレーテシュが見たのは、おほほと高笑いしながら自分を演じる女優の姿。抗議をしようと楽屋へ行くとペイスがいて、引き下がるしかありません。 一方、ペイスの姉のジョゼとボンビーノ子爵の婚約披露会で婚約指輪を盗まれる事件が勃発します。犯人はモルテールン家の領民で、ジョゼのファンたちでした。しかも、犯人たちは指輪をどこかに捨ててしまいます。そんな大切な指輪を拾ったのは、ペイスの宿敵であるビターテイストでした。

ペイスに滅ぼされたルトルート辺境伯の後釜に、アーソングリンが辺境伯の地位につき、神王国に使者を出しました。その狙いは使者を襲わせること。いざとなったら雇い入れた傭兵に襲わせるつもりです。 しかし、ペイスは事前に相手の作戦を見抜いていました。ペイスは相手の計画を潰すために、人慣れしたクマで使者たちを護衛させます。計画を潰されたアーソングリン辺境伯は自身の敗北を悟りました。 事件を終え、ペイスはヴァッレンナ伯爵のお茶会に誘われます。そこでは未来が見えるという魔法使いから、未来に流行るお菓子を教える代わりに砂糖をよこせと言われました。 この魔法使いが詐欺師だと見抜いていたペイスは、もちろん断ります。さらに、お菓子を詐欺のネタにされペイスの怒りが爆発。怒りを勝った詐欺師には悲惨な未来が待っています。

モルテールン家の当主であるカセロールは王都にいるのに、代理で領地を経営するペイスにより、一向にモルテールン家の勢いは衰えません。出世を嫉妬する貴族たちにより、ペイスは寄宿士官学校の教員として招かれました。 寄宿士官学校でも貴族たちと同じく派閥争いが起きていますが、ペイスは気に留めず落ちこぼれの5人の生徒たちに目を留め、彼らにスパルタな教育を施していきました。そんなペイスに嫉妬をした教員や貴族らが陥れようと暗躍します。 教育をした生徒たちの最終試験ではさまざまな妨害を受けながらも、無事に試験を突破しました。落ちこぼれから優秀な生徒に育ててくれたと学校は感謝をしますが、卒業した彼らをペイスは自領へ連れていき、優秀な人材を中央から奪っていくのです。

寄宿士官学校で優秀な生徒を育て上げるペイスは、卒業生を万年人手不足の自領へ連れて行ってしまいます。優秀な人材をペイスに取られる貴族たちはたまったものではありません。ペイスを教育の現場から外し、生徒たちに近づけさせないようにしました。 お菓子作りを愛するペイスはこれ幸いとばかりにお菓子作りに励みます。しかし、とある縁により汎用魔術研究室で魔法の道具化をともに研究をすることに。飴をヒントにペイスと科学者のホーウッドは研究に勤しみます。 研究を重ねついに待望の魔法の道具化に成功。世紀の大発明です！成功に気づかない貴族たちはペイスがおとなしくなったと安心しますが、目ざとく気づく女伯爵がいました。

ある人物を除いて貴族たちは魔法の道具化に気づきません。汎用魔術研究室の大元である王立研究所はこの研究室を解体してしまいました。平研究員になったホーウッドはペイスの領地へ身を移します。魔法の道具化を独占できると思ったペイスのもとへ、ある人物が訪れました。 それは、魔法の道具化に気づいていたレーテシュです。3000人もの兵を連れレーテシュは訪れますが、ペイスはとぼけるばかり。交渉中に餡子を食べたレーテシュは豆の話を聞き、交易で手に入れたとある豆の話をします。 それは、カカオでした。もちろん、お菓子を愛するペイスはこの話を見逃しません。魔法の道具化の情報と引き換えにカカオを入手します。そして、カカオを生産するためにも、魔法の道具化で得た魔法の飴で領地を開拓していくのです。

前世で天才パティシエだったペイスは、転生した後もその実力を発揮しています。貧しい土地でお菓子に必要なものを生産しながら、毎日のようにお菓子を作っています。しかし、優れているのはお菓子作りの才能だけではありません。 開発したお菓子をもとに利益を出す姿や、事件を解決して交渉を有利に進める姿など、至るところで優秀な姿がうかがえます。あらゆる才能に恵まれたペイスは最強主人公といっても過言ではないでしょう。

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お菓子で領地を豊かにしていく姿を描いた『おかしな転生』。時には苛烈な復讐を行う主人公ですが、お菓子で周囲を幸せにしていく姿には思わずほっこりしますね。アニメも放送が始まり話題になっている本作を、ぜひ原作小説で読んでみてください。