小説『やさしい猫』結末までネタバレあらすじ＆感想！NHKでドラマ化もされた話題作

2021年に刊行された中島京子による小説『やさしい猫』。本作は第56回吉川英治文学賞を受賞したほか、2023年にはNHK総合の土曜ドラマ枠でドラマ化もされています。 この記事ではそんな小説『やさしい猫』のあらすじや見どころについて、結末まで詳しく紹介していきます。ドラマを観て気になった人は、ぜひ原作も読んでみてくださいね。

シングルマザーの保育士・ミユキは、娘のマヤが3歳の時に夫を亡くしてしまいます。その後彼女は女手ひとつでマヤを大切に育てますが、震災ボランティアの際に8歳年下の自動車整備士でスリランカ人のクマラと出会います。 彼女はその後クマラと運命的な再会を果たし、クマラから猛アタックを受けるうちに自身も次第に彼の優しさと素直さに惹かれていくように。マヤもクマラに懐き、何とか入籍まで漕ぎ着けた2人でしたが、ある日クマラが職務質問を受けたことをきっかけに入管管理局を巻き込む大変な事態に陥ってしまうのでした。

小説『やさしい猫』をお得に読みたい人にはコミックシーモアがおすすめ。 コミックシーモアでは無料会員登録で70％オフのクーポンをゲットできるので、かなりお得に読むことが出来ます。この機会に是非コミックシーモアで『やさしい猫』を一気読みしてくださいね！

震災でのボランティア中に出会ったミユキとスリランカ人のクマラは、1年後東京で偶然にも再会します。次第に距離を縮めていった2人とミユキの娘であるマヤは、いつしか家族のような関係性を築いていくことに。 マヤが中学生に上がるとついにクマラはミユキにプロポーズをし、その後彼らは挨拶のためにミユキの実家がある山形県鶴岡へと向かいます。しかしミユキの母であるマツコはクマラのことを快く思っておらず、2人の結婚を認めてはくれませんでした。 その後追い討ちをかけるようにクマラが働く自動車修理工場が倒産してしまい、2人の結婚は一旦保留となってしまいます。

紆余曲折ありながらもミユキとクマラは無事に婚姻届を提出し、正式な夫婦に。しかしその直後にクマラは突如警察からの職務質問を受け、入管施設に収用されてしまいます。 オーバーステイが理由で母国への強制送還を命じられたクマラでしたが、さらにはミユキとの結婚も偽装結婚ではないかと疑われたことで絶望します。 クマラのために奔走するものの、入管職員の上原からは決定事項だと冷たくあしらわれたミユキ。クマラを救えないことに絶望するミユキとマヤでしたが、わずかな希望を求めて弁護士・恵耕一郎のもとを訪れました。

ミユキからの相談を受けた弁護士の恵は、裁判で勝って在留特別許可を得るしか望みはないと彼女に告げます。しかし実際裁判での勝利は非常に厳しい道であり、そのうちクマラは収容所で健康を害して倒れてしまうのでした。 ついに裁判となり、ミユキとマヤはクマラへの想いを告げます。さらにクマラも家族への愛情を強く訴えました。やがて迎えた判決の日、ミユキとクマラが偽装結婚ではないことが認められ、クマラはついに在留資格を手にすることに。 その後ミユキはクマラとの間に光(アキラ)を設け、家族4人で幸せに暮らすのでした。

本作では近年話題になっている不法滞在や不法入国の問題が、リアルに描かれています。確かに在留資格を得るために偽装結婚や結婚詐欺に走る人もいるようですが、作中で描かれているのは純粋なミユキやクマラ、そしてマヤたちの愛。 たとえ国籍が違っても、愛し合う気持ちに偽りはないということが痛いほどに伝わってきます。実際に起こり得る問題にフォーカスされている本作だからこそ、より作中で描かれる「愛」が浮き彫りになっているのではないでしょうか。

『やさしい猫』は2023年6月から7月にかけて、全5回でNHK総合でドラマ化されました。ドラマも原作とほぼ同じようにストーリーが進んでいきます。 本作の主人公であるミユキ役を演じるのは、柔らかい雰囲気が魅力の女優・優香。そしてもう1人の主人公であるクマラ役を演じるのは、演技初挑戦であるスリランカ人のオミラ・シャクティです。 さらに吉岡秀隆や滝藤賢一といったベテラン俳優たちも豪華に脇を固めているため、原作を読んでドラマが気になった人はぜひ配信や再放送などでチェックしてみてくださいね。

この記事では、小説『やさしい猫』のあらすじをネタバレありで詳しく紹介しました！本作はNHKでドラマ化されたことで、ますます注目を集めています。現実に起こり得るリアルな問題がクローズアップされているので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。