2024年1月1日更新

松本清張のおすすめドラマ人気ランキング!不朽の名作を時を越えて実写映像化

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『黒革の手帖』 武井咲
Ⓒ2017テレビ朝日

数多くの名作を世に残し、没後30年以上経っても人気の衰えないミステリー作家・松本清張。彼の作品の多くは映像化され、ドラマや映画として長年人々に楽しまれています。 この記事では、そんな松本清張原作ドラマのなかから、人気おすすめ作品をランキングにして紹介します。

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時代を越えて愛される松本清張の魅力

日本を代表するミステリー作家として知られる松本清張。しかしその作品の魅力は、事件のトリックやどんでん返しだけに留まりません。 彼の作品のいちばんの魅力は、その深い人間描写や社会問題に対する鋭い視点にあります。彼の作品は「社会派推理小説」とも呼ばれ、なぜ犯人が殺人に至ったのか、社会性のある事件をテーマに、登場人物たちを取り巻く社会や人々の様子をありありと写し出し、読者に重要な問いを投げかけます。 時代を超えて愛される松本清張作品は、普遍的な社会問題や人間の尊厳について、深く考えさせられるものが多く、たびたび映像化されているのです。

1位『黒い画集』シリーズ「証言」

保身のために嘘をつきつづける男の行く末は?

1962年須賀不二夫 , 月丘千秋
1965年三國連太郎 , 川尻則子
1984年柳生博 , 市毛良枝
1992年渡瀬恒彦 , 岡江久美子
2004年東山紀之 , 萩原健一
2020年谷原章介 , 西田尚美

短編推理小説シリーズ『黒い画集』の2作目である「証言」は、1958年に刊行され、1960年には『黒い画集 あるサラリーマンの証言』のタイトルで映画化。その後、6度テレビドラマ化されています。

ある事件の容疑者が真犯人ではないと知りながらも、保身のために嘘を重ねる主人公の苦悩が描かれ、追い詰められていく人間の心理や罪悪感について深く考えさせられます。谷原章介が主演を務めた2020年版では主人公の不倫相手が男性に変更されており、バイセクシュアルという設定が追加されました。

あらすじ大森に妻子とともに住む石野貞一郎は、丸の内の大手繊維会社に務め、西大久保に愛人を住まわせていました。あるとき彼は愛人の家からの帰りに、保険の外交員の杉山孝三と顔を合わせます。

その後、会社に突然刑事が訪れ、向島で起こった殺人事件の容疑者である杉山のアリバイについて尋ねられます。石野は杉山が真犯人ではないと知りながらも、事件の夜、杉山には会っていないと嘘をつくのでした。

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2位『黒い福音』

教会による犯罪、麻薬密売組織の暗躍……。日本を蝕む病理を名刑事があぶり出す!

1984年宇津井健 , 三浦友和 , 片平なぎさ
2014年ビートたけし , 瑛太 , 竹内結子

1959年に起こった未解決のスチュワーデス殺人事件をもとにした『黒い福音』。事件発生までの背景や過程を描いた「犯罪編」と、刑事たちによる推理を描く「捜査編」の二部構成になっています。

昭和犯罪史に残る未解決事件の1つ「国際線スチュワーデス殺人事件」。被害者が敬虔なキリスト教徒だったことから注目を集めたこの事件をもとに、実在の名刑事・平塚八兵衛をモデルにした刑事・藤沢六郎が事件解決に挑みます。

ドラマ版2作はどちらも「捜査編」に重点が置かれており、1984年版では宇津井健が、2014年版ではビートたけしがそれぞれ藤沢刑事を演じました。

あらすじ武蔵野にあるカトリックの一派、バジリオ会に所属するグリエルモ教会。

そこに仕える神父が砂糖の不法売買容疑に問われますが、教会を統括する管区長は、闇商売は日本人が勝手にやっていたものとして、運送業者が「犠牲」になることに。その後、同教会に配属された若く純真なトルベック神父は、管区長の腐敗ぶりを目にし、自分も同じ道へと足を踏み入れていきます。

3位『共犯者』

過去の悪事が原因で追い詰められていく主人公

1960年岩井半四郎 , 藤波洸子
1962年加藤嘉 , 浜村純 , 西村晃
1964年渡辺文雄 , 藤田佳子 , 高松英郎
1983年平幹二朗 , 尾藤イサオ , 畑中葉子
2006年賀来千香子 , 室井滋 , とよた真帆
2015年観月ありさ , 山本耕史 , 仲里依紗

過去の悪事が原因で疑念に苛まれていく人間の心理を描いたサスペンス。

1958年に映画化された後、6度ドラマ化され、作品によって主要キャラクターの性別や職業、設定に変更が加えられています。しかしどの作品でもその本質は損なわれず、リアリティのある人間描写が見どころです。

あらすじ食器具の営業マンをしていた内堀彦介は、あるとき年下の漆器販売外交員・町田武治と組んで銀行強盗をはたらき、莫大な財産を得ました。

町田とは二度と会わない、連絡を取らないと約束したものの、内堀は次第にかつての共犯者から脅迫されるのではないかとの不安をつのらせていきます。しかし敵は思わぬところから姿を現し……。

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4位『砂の器』

差別が生んだ悲しい男の壮絶な人生が明らかに

1962年高松英郎 , 月田昌也 , 夏目俊二
1977年仲代達矢 , 真野響子 , 田村正和
1991年田中邦衛 , 国生さゆり , 佐藤浩市
2004年中居正広 , 松雪泰子 , 武田真治
2011年玉木宏 , 中谷美紀 , 佐々木蔵之介
2019年東山紀之 , 賀来賢人 , 柄本明

ハンセン病患者差別を背景に、ある男の悲しい運命が引き起こした連続殺人事件を描く『砂の器』。ドラマ版ではその時代ごとに違った差別をテーマに据えていたりと、作品ごとの違いにも注目です。

2004年に中居正広が主演を務めた日曜劇場版では、容疑者の視点で物語が描かれ、それまでとはガラリと違った雰囲気になっています。

あらすじある日、国電蒲田操車場内で男の死体が発見されます。前日の深夜、蒲田駅近くのバーで被害者と連れの客が話しこんでいたことがわかり、被害者のほうは東北訛りでしきりに「カメダ」と口にしていたといいます。

「カメダ」がなにを示しているかは一向にわかりませんでしたが、ベテラン刑事の今西は秋田県に「羽後亀田」という駅名があることに気がつきます。

5位『黒革の手帖』

稀代の悪女を描くピカレスクサスペンスの代表的作品

1982年山本陽子 , 田村正和 , 萬田久子
1984年大谷直子 , 宮下順子 , 潮哲也
2004年米倉涼子 , 釈由美子 , 吉岡美穂
2005年米倉涼子 , 豊原功補 , 岡本健一
2017年武井咲 , 江口洋介 , 仲里依紗
2021年武井咲 , 渡部篤郎 , 毎熊達也

巨額の金を横領し、銀行員から銀座のクラブのママになった女性が、魑魅魍魎が跋扈する夜の世界でのぼりつめていく姿を描く、ピカレスクサスペンスの傑作。松本清張の代表作の1つとして長年愛され、これまでに7度ドラマ化されています。

時代ごとに当時を代表する人気女優が稀代の悪女である主人公を演じ、その度に話題になる作品です。

あらすじ銀行に勤めて10年になる原口元子は、仕事で大金を扱いながら慎ましい生活を送る自分に嫌気がさしていました。1年前から横領を始めた彼女は、その額が1億2000万円になったとき、それが上司に知られて逃亡します。

返済を迫る上司たちに元子は1円たりとも返さないと主張。彼女の盾となってたのが、銀行のトップシークレットを書き写した黒革の手帖でした。

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6位『点と線』

松本清張ブームを巻き起こした初の長編推理小説

2007年ビートたけし , 高橋克典 , 柳葉敏郎

松本清張初の長編推理小説。列車時刻表を駆使したリアリティで、推理小説に「社会派」の新風を吹き込み、松本清張ブームを巻き起こした作品です。

博多で発生した一見ありふれた心中事件。しかしその裏には恐ろしい陰謀が隠されており……。1958年に映画化され、ビートたけしが主演を務めたドラマ版が2007年に放送されています。

あらすじ東京の料亭で働く女中と産業建設省の汚職事件の関係者・佐山が福岡の海岸で死体となって発見されます。一見ありふれた心中事件かと思われましたが、ベテラン刑事・鳥飼は佐山が持っていた車内食堂の伝票から、事件の真相を探るため1人で捜査を開始。

一方、汚職事件の捜査をしていた本庁の刑事・三原は、佐山の心中事件を追って九州へ向かい、鳥飼と出会います。

7位『ゼロの焦点』

『点と線』と並ぶ松本清張初期の最高傑作!

1961年河内桃子 , 小山田宗徳 , 鳳八千代
1971年十朱幸代 , 奈良岡朋子 , 長山藍子
1976年土田早苗 , 真理明美 , 北村総一朗
1983年星野知子 , 大谷直子 , 竹下景子
1991年眞野あずさ , 増田惠子 , 芦川よしみ
1994年斉藤由貴 , 萩尾みどり , 永島暎子

松本清張初期の最高傑作として『点と線』と並び称される『ゼロの焦点』。行方不明になった夫を探す新妻が、彼の意外な過去を知っていくなかで、連続殺人事件が発生します。どんでん返しの結末と、松本清張らしい深い人間ドラマが見どころ。

1961年に映画化され、2009年には広末涼子主演で再度映画化されています。

あらすじ広告代理店に務める鵜原憲一とお見合い結婚した板根禎子。しかし新婚旅行から帰った直後、出張に行ったはずの夫は家に戻らず、行方不明になったと勤務先から連絡が入ります。

夫を探すため金沢に向かった禎子は、そこで彼の過去を知ることに。さらに夫の裏の生活がわかるにつれ、関係者が次々と殺されていきます。

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2024年には『顔』が放送予定

松本清張の傑作の1つ、『顔』が2024年再びドラマ化されます。同じく松本清張原作の『黒革の手帖』(2017年)で主演を務めた武井咲と、30年ぶりの地上波ドラマ復帰となる後藤久美子がW主演を務めることが発表されています。 原作の主要キャラクター2人を男性から女性に変更、そのほか細かな設定なども令和の今に合わせてアップデートされたドラマとなるようで、老若男女が楽しめるエンターテイメント作品になるとのこと。 武井演じる殺人を犯した覆面アーティストと、後藤が演じるその殺人を目撃した弁護士がくり広げるサスペンス、そして深い人間ドラマに注目です!

松本清張のおすすめドラマ人気ランキングを紹介

松本清張原作のおすすめドラマ人気ランキングを紹介しました。 ミステリーとしての完成度だけではなく、深い人間心理、人や社会の在り様を容赦なく描き出す松本清張作品は、数多くがドラマ化され世代を超えて親しまれています。 2024年に放送される『顔』にも、期待がかかりますね!