漫画『いじめるアイツが悪いのか、いじめられた僕が悪いのか？』最終回まで全話ネタバレあらすじ＆感想！いじめがテーマの考えさせられる作品

スクウェア・エニックスが運営するWebコミック配信サイト「ガンガンONLINE」で、2020年から2022年まで配信されていた原作が君塚力、作画が日丘円による漫画『いじめるアイツが悪いのか、いじめられた僕が悪いのか?』。本作では主人公が過去に受けたいじめに対する、復讐劇が描かれています。 この記事では、そんな本作のあらすじをネタバレありで徹底解説します！

中学校以来、久しぶりに開かれた同窓会。35歳になったクラスメイトたちが再会を喜んでいると、そこにラフな格好の男が現れます。相沢と呼ばれる彼は、かつてクラスで壮絶ないじめを受けていた張本人でした。 周囲の人物たちはすぐに自己保身のために謝罪を始めますが、いじめの主犯格だった鈴木だけは「いじめられる方に原因がある」とはっきりと言い放ちます。その言葉を聞いた相沢は一切変わっていない彼の様子に安心しつつ、彼の愛娘が現在自分の教え子であることを噛み締めます。

学校で授業を受けながら、鈴木の娘である詩織は相沢がかつていじめにあっていたという話を思い出します。彼が自分のことを陥れようとしているのではないかと勘繰った彼女はその理由を考えるものの、なかなかその答えに辿り着くことができません。 そんな中、詩織へのいじめはどんどんエスカレート。ほんの数日前まで親友だと思っていた由美にも裏切られ、唯一話せる真中と話すことも許されず、詩織はじわじわと孤立していきます。彼女はついに抵抗する気力もなくなり、「自分に原因があるのではないか」と思い始めました。

詩織の味方である真中は、兄のツテを使いながらかつて相沢と同じ学校でいじめを受けていた被害者のもとに辿り着きます。詩織と2人で被害者に会いにいった彼でしたが、被害者は意味深な言葉だけを残してその場を去っていきます。 一方で過去のいじめの張本人である鈴木は、本部の中でも花形とされる第一営業部の課長への栄転が決定。喜ぶ鈴木に対し、上司は「正式な辞令が出るまでは気をつけて生活をしろ」と釘を刺すのでした。鈴木はその言葉を聞いて、ずるずる続いている不倫相手・矢崎との関係を清算しようとします。

詩織のいじめ動画が投稿された翌朝、職員室内はその話題で持ちきりになっていました。担任の相沢は校長に状況を説明しながらも、校長のあくまで学校としての評判だけを守ろうとする姿にうんざりし、腹を立てます。 一方でいじめの主犯格であった姫川はクラスメイトたちから冷たい視線を投げかけられるばかりで、誰も彼女を庇ってくれるものはいません。一方で教室に入ることができずにいた由美の前に現れたのは、詩織。彼女は由美に対し、SNSに最初に動画を投稿したのは自分であることを打ち明けるのでした。

相沢がいじめの告発をしたことで、マスコミから取り囲まれる校長。一方でいじめに加担していた南雲の母親も、マスコミから追及され脅しをかけられていました。 その頃詩織は由美と2人きりで話しており、ようやく詩織のいじめと正面から向き合うことに。思わず泣き出してしまった由美を詩織は優しく抱きしめ、2人の拗れた関係性はようやく修復します。 相沢がいじめを告発したことで世間は大騒ぎになり、各メディアが注目。そこで相沢の過去のいじめ被害者に対する行動も、話題になりました。

相沢はある日理科準備室に詩織を呼び出し、かつて自身が詩織の父親から壮絶ないじめを受けていたことを告白します。それでも詩織は相沢のことを気遣い、自身の父親と決別することを決意するのでした。 詩織からも拒絶されたものの最後まで悪あがきをやめない鈴木は、かつての不倫相手である矢崎の家を訪れて都合の良いことを言い続けます。その場では許したように見えた矢崎でしたが、後日昇進が決まった鈴木の会社に不倫写真をばら撒き、彼を転落させることに成功するのでした。

この漫画は「いじめ」をテーマにしたやや重い内容の作品なのですが、さまざまな伏線が張り巡らされており考察しがいのあるストーリー展開が魅力です。過去の出来事がこんなことに繋がっていたのか！と思わず感心してしまう展開の連続で、ドキドキしながら読み進められます。 また、いじめ問題以外にも不倫や学校内の揉み消しなどさまざまな闇が浮き彫りになっている本作では、非常にドロドロとした人間関係が描かれているところも見どころです。