漫画『いじめ探偵』最終回まで全話ネタバレあらすじ＆感想！社会の闇に切り込むヒューマンドラマ

いつまでもなくならない「いじめ問題」に深く切り込んだ作品として話題を集めている漫画『いじめ探偵』。 この記事では本作のあらすじをネタバレありで徹底解説！社会の闇を映した骨太なストーリーや、個性豊かな登場人物たちの関係性を紹介し、本作が持つ唯一無二の魅力をあますことなくお伝えしていきます。

とある街の片隅にある忌村探偵事務所。この事務所を切り盛りする忌村は「いじめ事件も扱います！」と掲げているいじめ事件のスペシャリストでした。 ある日、大学生の小野寺慎太郎は自身の弟・光司が飛び降り自殺を図って軽傷を負ったことをきっかけに忌村のもとを訪れます。はじめ光司は家族に心配かけまいと嘘をついていましたが、忌村のひたむきさに心を打たれ、ついにいじめられていることを打ち明けます。

忌村は光司の助けを求める声に応じ、彼が明かしてくれた情報をまとめていきます。これを学校に提出することで調査をさせようという意図でしたが、なんと信じられないことに学校側は面倒だからという理由でまったく動こうとしません。 そのせいで引き続き壮絶ないじめを受けることになる光司。しかし彼は忌村から言われて小型のレコーダーで一部始終を録音しており、無事に証拠を手に入れることに成功したのでした。

証拠品のおかげでより詳細な報告書を作成した忌村。それでも学校側が動かないと知ると、担任の河合がいじめに関与していたことを明かし、このままでいるつもりならデータをばらまくという脅しを暗にほのめかします。 結果、学校では「謝罪の会」が開かれることになりますが、主犯の金澤はまったく反省の色を見せません。それどころか逆ギレして陰で「今度はぶっ潰す」などと言い出す始末です……。

最終的に光司は平穏な日常を取り戻し、学校に元通りに通えるようになります。ここで忌村が「罪滅ぼし」のためにいじめ探偵をやっていることが明かされているので、どうやら彼にもまた複雑な過去があるようです。 続いてやってきた依頼人は渚という名の女子高生。とある動画のせいで弱みを握られ、クラス全体からいじめられるようになった彼女は、ひょんなことから知った忌村に悩みを打ち明けようとしますが……？

渚が受けているいじめは、無理やり万引きをさせられたり、知らない男にラブホテルに連れ込まされそうになったりと、かなり悪質なもの。しかもきっかけは遊びの誘いを一度断ったという些細なもので、どうしようもありません。 そんな中、渚のピンチを救った忌村のことを、いじめっ子の愛華たちが警察だと勘違いして逃げるという出来事が起こります。これをきっかけにいじめも収まるかと思われましたが……？

しかししばらく経つと、愛華は渚へのいじめを再開するどころかますますエスカレートさせていきます。あまりの仕打ちに耐えられず、再び忌村に助けを求める渚。もちろん忌村は、すでに手を打っていました。 実は愛華は区議会議員の娘であり、品行方正で素敵と評判です。忌村はそんな彼女の「裏の顔」を証明する動画を家族に見せることで、彼女を追いこみます。これまでの悪行がすべて明らかにされ、愛華は言い逃れできなくなるのでした。

その後愛華が逃げるように転校したことで、いじめはなくなり渚は日常生活に戻れます。いじめの件は彼女にとってトラウマとなっており、その深い心の傷はまだ癒えきっていませんでしたが、それでも前に進もうと決意するのでした。 一方、忌村はとある家に向かって男の子の遺影に挨拶をしに行きます。どうやら彼こそが忌村の「罪滅ぼし」に関係する人物のようす。忌村はそのために今日も、いじめに苦しむさまざまな子たちに手を差し伸べていきます……。

本作は誰しもが耳にしたことのある「いじめ」をテーマに扱っています。世の中にはこの問題を解決できずに悲しい結末を迎える事件も多数存在。『いじめ探偵』はそんな社会への警鐘や救いのメッセージが込められた、非常に骨太な作品になっています。 またそのなかで奮闘する主人公・忌村のキャラも非常に魅力的。おおらかで優しそうに見える彼ですが、いじめに向き合うときには怖いほど真剣な表情をすることも。社会の闇に切り込むシリアスなドラマを楽しみたい！そんな方には特にオススメの作品です。