漫画『軍神の花嫁』最新話まで全話ネタバレあらすじ＆感想！健気なヒロインが軍神の心を溶かす

漫画『軍神の花嫁』は自分に自信のないヒロインがとある理由で軍神に見初められ、自らの運命と向かい合っていくラブストーリーです。 この記事では『軍神の花嫁』のストーリーを最新話までネタバレ込みで解説していきます。記事後半には作品の見どころや配信状況の紹介もしているので、購入を考えている人も参考にしてみてください！

オードル家の次女として、美しく優秀な姉と可憐で天使のような妹の間に生まれた主人公のサクラ。小型の魔獣を手懐けるという以外にこれと言って秀でたものもなく、姉や妹とは違い目立たず生きてきました。 三女・アオイの誕生日、パーティまでの時間を使い魔のアシュと森で過ごしていたサクラは、怪我をした一匹の魔獣を見つけます。手当をしようと魔獣に近寄ったその時、騎乗した2人の男が近くを通りかかりました。 男たちの淡々とした会話に聞き耳を立てるサクラ。片方の男がアオイの求婚者だと察すると同時に、彼の冷たく威圧的なオーラに圧倒されてしまいます。 次の瞬間、男は確かにサクラの方を見たものの、何も言わずに立ち去ってしまうのでした。

魔獣が主人を亡くしたばかりだと知り、傷を癒すため自らの血を分け与えてあげたサクラは、パーティに出席するため屋敷へと帰ってきました。 しかし三姉妹の中でも世間から忘れられがちなサクラにとって、今日のようなパーティは肩身が狭いもの。普段の家族だけの空間とは違う居心地の悪さに耐えかね、バルコニーに1人でたたずんでいました。 するとそこへ昼間の魔獣がやってきてサクラに擦り寄ろうとしますが、その様子を人に見られ大騒ぎになってしまいます。 このままではこの子が危険な目に合ってしまう……。そう考えたサクラは、咄嗟に剣を構えて近付いてくる男の前に立ちはだかり、無情にも切られてしまうのでした。

男に切られ意識を失ったサクラが次に目を覚ますと、そこは豪華なベッドルームでした。しかも隣にはサクラを切った張本人である男の姿が。カイ様と呼ばれるその男は訳もわからず動揺するサクラの世話をメイドに任せ、部屋を出て行ってしまいました。 その後メイドに促されるまま身支度を終えたサクラは、カイが待つ部屋に。カイは興味なさげにサクラがオールド家の次女であることを確かめると、自身がカイ・ラジル・リューネスだと名乗りました。 リューネスとはこの国の皇帝の性。なんとカイは第二皇子だったのです。さらにカイは困惑するサクラに向かって「今日からラジルを名乗れ」と言ってきて……！？

事態を飲み込めずにいるサクラに、カイはあの夜のことを語り始めました。魔獣の盾となり確かに切られたサクラ。しかし彼女の体には傷1つありません。実はカイの剣はリューネス家に伝わる破魔の剣で、選ばれし者以外使えないと同時に自らが鞘を選ぶという性質を持っていました。 つまりサクラは剣に鞘として選ばれ、その身に剣を宿した状態。剣の使い手であるカイは剣と鞘(サクラ)を身近に置くため、手っ取り早くサクラを妻にしてしまおうと考えたのです。 皇子に逆らえるはずもなく、「ただここにいれば良い」という彼の言葉に従うしかなくなってしまったサクラ。唯一の癒しだったアシュとの別れを悲しみつつ、これからどうすればいいのか思い悩むのでした。

屋敷へと連れてこられて1週間がたち、サクラは自分の立ち位置を理解し始めていました。「漆黒の軍神」と名高いカイが命じた時に剣を差し出す、ただの鞘なのだと。 そんなある日、屋敷に姉のキキョウがやってきます。キキョウは突然連れ去られたサクラの身を案じ、家へ返すようカイに迫っていました。 自らをめぐって激しく言い争う両者を前に何も言えず固まってしまうサクラ。するとその姿を見たカイはサクラを抱き上げると、そのまま屋敷の奥へと歩き始めました。 そして引き留めようとする姉に向かい、サクラは「私はここにいます！」と宣言。自分に自信を持てずにいたサクラにとって、例え鞘としてでもカイに望まれていることが嬉しかったのです。

カイと共にいると覚悟を決めて以来、前向きに新たな生活と向き合い始めたサクラ。その変化は使用人やカイの側近にも伝わり、サクラを正式な妻として迎えてはどうかという声も挙がり始めていました。 一方のカイは妻として何を求めるわけでもなく、カイの言葉を守り「ただそこにいる」だけのサクラをどう扱っていいのか悩んでいました。 妻は大人しく従順であればそれでいい。サクラは単なる剣の鞘。ずっとそう思っていたはずなのに、屈託のない笑顔を自分に向けるサクラに、カイは今まで感じたことのない感情を抱くようになっていたのです。

自己肯定感皆無のヒロインと戦いのことしか頭にないヒーロー。どう考えても恋愛向きではない2人が愛のない結婚を通して次第に心を通わせていく様子を描く本作。言うまでもなく、その恋路は一筋縄ではいきません！ まず2人とも超のつく恋愛下手であり鈍感さんなので、恋心を自覚するだけでも一苦労。近付きそうで近付かない距離がじれったく、思いっきりヤキモキさせられます。2人の親戚にでもなった気持ちで恋の行方を見守ってしまいますよ！