ライトノベル『狼と香辛料』最終回まで全巻ネタバレあらすじ＆感想！商人ロレンスと狼神ホロの異色のロードムービー

支倉凍砂が描く『狼と香辛料』は行商人と狼の少女の旅を描くライトノベルです。2024年には新作アニメ化も決定、続編シリーズも人気を博しています。 この記事では全17巻で完結した『狼と香辛料』第1シーズンを最終話までネタバレありで解説！読者の感想やお得に読む方法と一緒に、ロレンスとホロの旅の軌跡を追っていきます。

旅の行商人ロレンスはパスロエ村で、麦に宿った狼神・ホロと出会います。故郷ヨイツに帰りたいというホロの話を聞いたロレンスは、行商しながら彼女の故郷を目指すことに。ケモミミ美少女の一人称が「わっち」というギャップも魅力的です。 旅の序盤から、貨幣にまつわる騒動でホロが捕まりかけたり、大儲けしようとするも読みが外れてロレンスが膨大な借金を背負ってしまったりと波乱万丈です。金の密輸で事なきを得た2人は次の町へ。 そこではホロに求婚する青年商人アマーティとロレンスとの商人としての決闘が繰り広げられることに。無事ロレンスが勝利し、改めて2人の信頼関係が強固なものとなりました。

決闘騒動のなか、ホロの故郷ヨイツが既に滅んでいるという情報を得た2人は、さらに情報を得るために事情に詳しい修道士を訪れることにします。ここではテレオという村にかかった異端疑惑を、ホロの神の力とロレンスの商才で解決しました。 得た情報をもとに今度はホロの伝承の残るレノスへ。今度はそこで毛皮取引にまつわる騒動に巻き込まれます。ロレンスは元貴族の商人エーブに利用されて利益を取り逃げされてしまったのです。 2人は船に乗り彼女を追いかける道中で、異教の地出身ながら教会の道を目指す少年コルと出会います。親交を深めた後、ホロはコルに正体を明かし旅の一行にコルが加わりました。

7巻は短編集で、本編は8巻から。3人はエーブを捕らえること、市中で噂される狼の神の骨の取引の真偽を確かめることを目的にケルーベを目指します。エーブに追いつき毛皮問題は一段落つきますが、骨の噂を追いかけるうちに今度は町の南北対立が見えてきました。 エーブは北側、そして南側にはキーマンという天才商人がついており、ロレンスは商人としての格の違いを感じつつもなりゆきで南北の情報伝達役として動くことに。2人の天才とロレンスの活躍で南北対立は解消、その裏で蠢く商会の陰謀も暴かれるのでした。 一行は骨の噂を追って、エーブの生まれ育ったウィンフィール王国へ向かうことにします。

一行は王国でかつて羊の神であったハスキンズに、破綻寸前の修道院を救ってほしいと依頼されることに。彼もヤイツを滅ぼしたと伝承される「月を狩る熊」に故郷を奪われており、修道院が第2の故郷だったのです。 世界最強といわれるルウィック同盟を相手どり、ロレンスはなんとか依頼を達成。さらに修道院が買ったという骨も偽物だと分かりました。仲間の骨が悪しきことに使われていないと知って安堵するホロが印象的でした。 大陸に戻った一行は、北側の鉱山地帯を開発しようとする不穏な噂があることを知り、焦りを募らせます。依頼した北側の地図が出来上がるまで、3人はレノスの町で待つことにしました。

短編集の13巻を挟み、14巻。レノスでロレンスは鉱山採掘を記した禁書の購入の口利きを頼まれます。この本が北方開発を目論むデバウ商会に渡ると一大事なため、ロレンスはこの取引を見届けようと決意。それはホロを最後まで送り届けられないことを意味していました。 それでも一緒にいたいと手を尽くすロレンスに、ホロはなぜそこまでするのか問います。一度離れてもまた一緒にいればいい、そう考えていたホロはこのとき初めて「大好きなんじゃ」とロレンスへの思いを言葉にしました。 ロレンスは最初にレノスに来たときに好きだと伝えていたので、14巻ラストでようやく相思相愛となれたのです。

ヨイツも目前、ロレンスたちはデバウ商会が牛耳るレスコの町へ。活気あふれるこの町で、ロレンスはホロと一緒に店を構える決意をした矢先、2人の前にデバウ商会の帳簿を預かるヒルデが兎の姿で現れます。 商会は内紛状態で、ロレンスたちはレスコから逃れ商会と因縁あるスヴェルネルという町に留まることに。2人は話し合って騒動から身を引き、一緒に暮らそうと約束します。 結局ロレンスは、敵対派閥のやり方が許せず首を突っ込み、最後はヒルデ側を助けました。こうして内紛は終わり、ロレンスはホロと新しい契約＝結婚を約束します。 短編集17巻はその6年後、湯屋「狼と香辛料」を開店する2人が描かれました。

もふもふなホロがかわいい『狼と香辛料』ですが、中世ヨーロッパ風の世界観を舞台に経済をテーマとして描く学べる作品でもあります。商人であるロレンスはもちろん、何百年も生きてきた賢狼ホロも頭のキレが抜群で、取引の裏をかいたりはったりを効かせて難を逃れたりと知的にワクワクできるのです。 テーマはややとっつきにくいかもしれませんが、2人の淡い恋心も描かれていて、しっかりニヤニヤ要素も補給できる作品です！