2025年1月24日更新

「チ。」ラファウの死亡は何を意味するのか?再登場は別人なのかまで考察・解説【地球の運動について】

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かつて異端とされた「地動説」を追い求める人々のドラマを描く『チ。ー地球の運動についてー』。マッドハウスによるアニメ化も決定され、ますます注目を集めている作品です。 この記事では、そんな本作の主人公のひとりであるラファウについて詳しく紹介していきます! ※この記事は『チ。ー地球の運動についてー』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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『チ。ー地球の運動についてー』ラファウのプロフィール

チ。 ―地球の運動について―
(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会
年齢 12歳
初登場 1巻1話 アニメ1話
モデル 特定のモデルはなし(作者の思う「器用な人」を体現したキャラ)

ラファウは本作第1章の主人公で、12歳で大学進学を認められた優秀な頭脳の持ち主です。彼は「合理的に生きる」ことを信条としており、周囲の期待を察して神学を専攻するつもりでいました。 しかし、異端者認定を受けた天文学者・フベルトとの出会いをきっかけに、「地動説」に魅せられてしまいます。この世界では天動説が主流の考え方で、地動説を信じるのは非合理的。ですがラファウはもともと天文に興味を持っていたうえ、その知能の高さゆえ「地動説は正しいかも」と勘付くことに。 それ以降、彼は危険を顧みず地動説の研究を続けていきます。世渡り上手で何でもそつなくこなすラファウでしたが、実際は宇宙に対する好奇心や知識欲を貫く熱い心の持ち主。当初のイメージとは違うこのギャップが、彼を魅力あふれる主人公にしているのです。

吹き出し アイコン

ちょっと生意気だけど天文学にかける情熱は本物!

【死亡】「チ。」ラファウが死亡!最後を解説

死亡シーン 1巻 アニメ3話

ラファウはフベルトが処刑された後、彼が残した研究資料を使って地動説の研究を進めます。もちろん異端者として処刑されるわけにはいかなかったので、誰にもバレないようすべては極秘でおこなわれました。 ラファウの養父・ポトツキは自身も地動説の研究をしていた過去があったため、そんな彼の行動に気付いても見てみぬふりをしていました。しかし彼は異端審問官のノヴァクの脅しに屈し、最終的にラファウが地動説を支持していることをバラしてしまいます。 たとえ口先だとしても「改心した」といえば、ラファウには助かるチャンスがあるはずでした。しかし彼は裁判の場で地動説を信じることを宣言し、みずから毒を飲んで命を絶つのでした……。

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ラファウはなぜ死を選んだのか?

ポトツキの通報により、異端者として捕縛されたラファウ。裁判で改心を宣言すれば助かるはずでしたが、彼はそこで「地動説を信じる」と改めて宣言します。彼は地動説と出会った感動、そして自身のなかに芽生えた宇宙への好奇心に殉じることを選んだのです。 ラファウは裁判後、牢屋内で異端審問官のノヴァクと対話。彼はここで「あなた方が相手にしているのは僕でも異端者でもなく知性だ」と語りかけます。そして、ラファウは地動説の資料(自身の知性)を後世に残すため、隠し場所を告げぬまま服毒自殺を図りました。 作者の魚豊曰く、本作のテーマは「命をかけられるものがある人生は幸せ」だそう。ラファウはその死によって、この主題を読者に提示したのです。 さらに、合理主義だったラファウが「知」に魅了され、「地」を動かそうとするさま、そしてオグジーという次の主人公へそれが引き継がれていくという展開は、この物語の真の主人公が人ではなくタイトルの「チ(知)」であることを如実に示していると言えるでしょう。

最終回で再登場?ラファウは生きてるのか

ラファウは実は生きてる?

すでに説明した通り、ラファウはみずから毒を飲んで死亡しています。彼の最期の表情は、まるで自分の信念を最期まで突き通したことに満足するかのような、穏やかな微笑みでした。 ラファウは異端審問官であるノヴァクの目の前で死亡した上、その遺体は彼の手によって燃やされています。そのため「実は死を偽装して生きていた」という可能性はまずありえません。 後にノヴァクが死亡する直前、彼の目の前にラファウが登場していますが、これはもちろんただの幻影です。この場面だけでは、「ラファウが生きている!?」という驚きの声は上がらなかったでしょう。

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死んだはずのラファウ……最終回で再登場したのは別人?

再登場シーン 8巻

さらにその後、最終巻ではなんと青年に成長したラファウが登場しました。外見だけでなく出自や経歴も共通しており、死んだはずのラファウと同一人物であるように思えます。 しかし年代だけ見れば最終章は第1章の約35年後を舞台としており、12歳だったラファウは50歳近くなっているはずです。どう見ても20歳そこそこの青年ラファウの見た目とは合いません。 ちなみに最終章はこれまで「P国」とされていた物語の舞台が「ポーランド王国」と明記されるなどの違いもあります。これを踏まえると、最終章とそれ以前の世界はパラレルワールドとなっており、したがって第1章の少年ラファウと最終章の青年ラファウは別の時間軸の人間だといえるかもしれません。

『チ。ー地球の運動についてー』ラファウは信念を貫いて死亡…。

この記事では『チ。ー地球の運動についてー』の第1章の主人公・ラファウがどんな最期を遂げたかについて紹介してきました。12歳という若さで自分の信念を貫く道を選んだラファウ。その生きざまをぜひ本編でも確かめてみてくださいね。