『チ。 ―地球の運動について―』のヨレンタを徹底解説!才能や死亡後の展開・キャラクターのモデルまで深堀り!
地動説を追い求める人々の物語を描く『チ。 ―地球の運動について―』。信念のために生きて死んださまざまな者のドラマに心打たれる作品です。 本記事ではそんな本作の重要キャラのひとり・ヨレンタについて徹底紹介していきます。基本的なプロフィールをはじめ、作中での活躍や最期にも触れているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。 ※この記事は『チ。 ―地球の運動について―』の重大なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
「チ。」ヨレンタはどんなキャラクター?
初登場 | 第2章(第3集13話) |
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思想 | 「地動説」支持者 |
感性 | 「文字はまるで奇跡」 |
頭の良さ | 施設でも有数の頭脳 |
家族構成 | ノヴァク(父) |
ヨレンタは天文学の研究所に所属する研究者ですが、女性であるという理由で軽んじられています。しかしその頭脳は周りの研究者と比べても非常にすぐれており、バデーニが出題した難問を半日で解いてみせました。 知的好奇心が旺盛な人物で、こっそり隠れて資料を閲覧したり自分が参加させてもらえない研究会を盗み聞きしたりと、大胆なところもあります。 やがて地動説の支持者として動くようになっていく彼女ですが、実は父親は異端審問官であるノヴァク。ただしノヴァクは娘に対して血なまぐさい仕事のことを隠しており、ヨレンタはその事実を一切知りませんでした。
ノヴァクとはどんな関係?
ノヴァクとヨレンタはごく普通の親子で、関係も良好です。久しぶりにヨレンタが家に帰ってきたときには、ノヴァクは「久々の家族団欒はよいものだな。」と喜んでみせたり、「こっちに帰ってくる気はないのか?」と寂しそうにしたりしていました。 またヨレンタが学者として邁進することに対しても、ノヴァクは心配しつつ応援しているようす。冬場でも勉強できるようにと手袋をプレゼントしたという心あたたまるエピソードもあります。 ただノヴァクは自身の仕事について明かしておらず、またヨレンタが地動説を支持する異端者であることには気付きませんでした。ヨレンタの方も、ノヴァクが異端審問官であることは他人から教えられてようやく知ります。
オクジー・バデーニとはどんな関係?
オクジーとバデーニはヨレンタにとって「地動説」を教えてくれた存在であり、ともに真理を追い求める仲間です。ただしヨレンタは本格的に研究にかかわっていたわけではなく、彼らのために役立ちそうな人物を紹介するにとどまっています。いわゆる協力者のような立場だといえるでしょう。 またヨレンタはオクジーに「文字が読める・書けることのすばらしさ」を熱弁し、彼に読み書きを教えています。やがてオクジーは地動説にまつわる本を日記のような形で書き、これが後世に残されることになりました。 そういう意味でも、ヨレンタは地動説を歴史に残すために多大な貢献を果たした人物だといえるでしょう。
「C教」による処刑からの逃亡、その後の行動や目的は?
父親の仕事を知らなかったヨレンタは、オクジーとバデーニをノヴァクに紹介してしまいました。これによりふたりは処刑され、さらにはヨレンタ本人も異端者であるという疑いをかけられてしまい、拷問の果てに殺されそうになります。 その後ヨレンタはすんでのところで新人の異端審問官に助けられ、逃亡に成功します。しかしノヴァクには「娘が異端として捕まって処刑された」という嘘が教えられました。娘の形見である手袋を渡され、彼女との思い出を振り返りながら泣き崩れる彼の姿には、思わず胸が締め付けられます……。 ヨレンタが姿を消してすぐ、作中の時間は一気に25年後へと飛びました。その間彼女は地動説のために暗躍していたと思われます。
ヨレンタ再登場後の展開は?
「異端解放戦線」を指揮していたのはヨレンタ!?
第3章で登場する、異端者を解放するための組織「異端解放戦線」。ヨレンタはその組織長として再登場を果たします。25年の時を経て少女から大人の女性へと成長した彼女は、ずいぶんと凛々しい雰囲気を身にまとっていました。 オクジーの残した本の内容を知り、「やっぱり、文字は奇跡ですね。」と呟く場面には、これまでずっと戦い続けてきたであろう彼女の切実な想いが垣間見えます。
「地動説」を広めるという目的があった
ヨレンタが異端解放戦線を指揮していたのには、「地動説を世に広める」という目的がありました。 ヨレンタにとって地動説とは追求すべき真理であると同時に、友人が守り抜いた大切なものでもあります。だからこそ彼女は、活版印刷を使って本を出版するために命を懸ける覚悟を持っていました。
ヨレンタは活版印刷機を守るため自爆
最終的にヨレンタは、自分たちの活版印刷機を守るために自爆します。組織長である自分が命を絶つことで足止めをし、仲間たちが追われることなく「印刷所」に向かえるようにしたのです。 おそらく作中の世界観では自死は神に背く大罪のはずですが、それでも彼女は地動説のためにみずから壮絶な最期を選びました。
ヨレンタの死亡後の展開は?「異端解放戦線」ってどうなった?
ヨレンタが死亡した後、異端解放戦線は無事に印刷所へとたどりつき、『地球の運動について』の出版活動を開始します。 計画は成功し、すべてが順調に進んでいく……と思われたそのとき、まさかの事態が起こります。なんと組織内部に裏切り者が混じっており、その人物が密告をしたせいで敵襲を受けることになってしまうのです。 結果として組織はバラバラになり、皆の想いを託されたうえで逃がされた第3章の主人公・ドゥラカも、最終的には命を落としてしまいます。
ヨレンタのモデルになった人物はいるの?
ヨレンタのモデルについては公式では明言されていません。「異端者」や「魔女」として処刑された女性は歴史上に多く存在するでしょうが、その中の特定の人物をモデルにヨレンタというキャラを生み出したというわけでもなさそうです。 例えばノヴァクなどは「アドルフ・アイヒマンをモチーフにした」という話が明かされていますが、ヨレンタにはそういった情報はないため、明確なモデルはいないと考えられます。
『チ。 ―地球の運動について―』ヨレンタの生きざまに涙……。
この記事では、『チ。 ―地球の運動について―』に登場するヨレンタについて詳しく紹介してきました。自分や友人の信じたものを守るため戦い続けたヨレンタ。その気高くかなしい生きざまを、ぜひ原作漫画を読んで目の当たりにしてほしいところです。