2024年6月12日更新

『燕は戻ってこない』最終回ネタバレ・あらすじ&感想!ラストにリキはどんな決断を下す?【実写ドラマ化】

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第57回吉川英治文学賞、第64回毎日芸術賞を受賞した桐野夏生の小説『燕は戻ってこない』。代理母になる貧困女性と、不妊に悩む富裕層夫婦を中心に描かれるヒューマンドラマです。2024年春ドラマとして、衝撃の問題作と呼ばれた本作が実写化されました。 また、『シジュウカラ』などで知られる坂井恵理によって漫画化もされています。原作の雰囲気を壊さず、よりストーリーを読み進めやすくなっていますよ。 この記事では、そんな『燕は戻ってこない』のあらすじと結末をネタバレ解説します! 本記事にはストーリーのネタバレが含まれるため、未読の人は注意してください。

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『燕は戻ってこない』あらすじ

主人公・大石理紀(リキ)は北海道から上京し、病院の医療事務として再就職を叶えました。しかし、派遣社員の月収は14万円で、ギリギリの生活を強いられる日々を送ります。 そんなある時、同じような境遇の同僚・川辺照代(テル)から「卵子提供(エッグドナー)」のバイトを持ちかけられ、生殖医療専門クリニックを訪れることに。クリニックではエッグドナーではなく、不妊に悩む草桶夫妻の「代理母(サロゲートマザー)」を勧められました。 夫の基は自身の優秀な遺伝子を残したい、万が一にでも実母の遺産を妻・悠子側の親族に渡したくないとの思いから、子どもを切望しているようです。 リキは「報酬のために他人の子を産むのか」と戸惑いつつも、1千万円もの大金が得られる上、悠子が他界した叔母に似ていたため依頼を引き受けます。草桶夫妻は一度離婚してリキと基が結婚、代理出産後に親権を基にし、悠子と再婚する段取りになったのですが……。

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人間の罪深さと愚かさがすごく生々しい。みんな身勝手でどこか他人事。

『燕は戻ってこない』結末をネタバレ解説

双子の父親は誰?

リキは帝王切開で男女の双子を出産しましたが、遺伝子上の父親は明言されていません。 基はリキの行動に口を出し、彼女を「子どもを産む道具」同然に扱うようになります。リキは2回の人工授精で疲弊しており、基への怒りから契約違反をしてしまいました。 帰省した地元で職場の元上司で不倫相手だった日高と、東京では女性風俗のセラピスト・ダイキと身体の関係を持ち、さらに直後に妊娠が発覚します。その事実を聞かされても無責任な態度の2人に、リキは呆れるしかありませんでした。 日高やダイキとの行為中は避妊をしていたため、双子の父親は基である可能性が高いです。基自身は「DNA鑑定はしない」と言っていることから、今後も謎のままになるでしょう。

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基は自分の遺伝子を継いだ子どもが欲しいのになんで検査しないの?

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出産までのリキ

リキは中絶はしないと決意し、出産までの期間は悠子の友人・りりこの自宅へ。お世話になる代わりに、春画家である彼女の仕事を手伝っていました。 りりこ自身は無性愛者ですが、金銭に困っていることにつけ込んで出産させ、女という性や人生を搾取する草桶夫妻の行為には良い感情を持っていません。臨月が近付き、リキの中に子どもへの愛情が芽生え始めた頃、基がりりこの自宅を訪れます。 基は「父親が誰であっても子どもを引き取りたい」と言い、もし悠子と正式に離婚する場合は1年間、子育てを手伝って欲しいとお願いしてきました。

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当事者じゃないからこそだけど、1番まともなりりこさんがこの作品の救い。

基と悠子は再婚する?

はっきりとした描写はありませんでしたが、おそらく基と悠子は再婚すると思われます。 当初の段取りでは、リキと基が離婚した後で再婚する予定だった一方、悠子は夫の優生思想や異常なまでに自身の子を求める姿に危機感を持っていました。双子の妊娠を相談したリキにも、「子どもは離婚したままで育てる」と話していたのですが……。 悠子は双子の顔を見て態度を一変させ、基の「父親が誰かは関係ない」という言葉やリキに子育ての協力を頼んだことを見直して、「復縁する」と言い出します。 帝王切開による傷に苦しむリキに対し、草桶夫妻は子どもには会わないという誓約書と、基との離婚に必要な書類一式のサインを求めてきたのでした。

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みんながハイな状態になってるというか、異様すぎて誰にも感情移入できない……。

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リキはどんな決断を下した?

退院後、リキは双子の片割れだけを連れ、身を寄せていたりりこの家を出ていきます。 妊娠中から大きくなっていくお腹が愛おしく、もはや生活のためだと、報酬のためのビジネスだと割り切るのは難しくなっていました。毎日のように草桶夫妻が訪ねてくる中、リキは男児に「あんたは草桶家でかわいがられるから大丈夫」と告げ、そのままベッドへ戻します。 誓約書に書かれた女児の名前を二重線と訂正印で消すと、彼女だけを連れ去ってしまったのでした。 リキがこの行動をした理由は明かされていないため、読者が想像するしかないのでしょう。それでも、「女はいいよ、絶対にいい」と言い切った言葉には力強さが感じられました。同じ女に生まれた子が、夫妻の元で搾取されるのを避けたかったのかもしれません。

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たぶん男の子は何不自由なく暮らすけど、バレエダンサー以外の道は許されないね。

『燕は戻ってこない』登場人物

リキ 29歳の派遣社員。生活苦から国内未承認の代理母出産を請け負う。
草桶基 43歳の元バレエダンサー。世界的バレエダンサーだった母と教室を共同経営中。
草桶悠子 44歳のイラストレーター。不倫の末に基と結婚したが、稽留(けいりゅう)流産が続いている。
りりこ 春画家。悠子とは美術大学時代の友人で、男性嫌いの無性愛者。

『燕は戻ってこない』感想

ストーリーを辿りながらふと、20年近く前に「女は子を産む機械」みたいな発言をして、大炎上した大臣がいたことを思い出しました。 りりこの「子どもって誰のものなの?」という台詞が、本作のテーマのすべてだと思います。 遺伝子を継ぐ子ではなく、悠子側の親族に遺産が渡らないことが本来の目的だった基。最終的に悠子も、リキの心情はそっちのけでマタニティハイになっていきます。ではリキが終始可哀想かと言うと、自身もどこか自分勝手で行き当たりばったりに感じました。 ラストの決断は搾取されてきたリキの反抗であり、彼女が得た母の強さなのかもしれません。今後は真逆の人生を歩むだろう双子が、どんな大人に成長するのか気になりました。

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『燕は戻ってこない』NHKでドラマ化!リキを演じるのは?

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「生殖医療ビジネス」を取り上げ、人間の本性と欲望を浮き彫りにした小説『燕は戻ってこない』。本作を原作とする実写ドラマが、2024年4月期のNHK総合「ドラマ10」枠で放送されます! 脚色を担当するのは、朝ドラ『らんまん』(2023年)などで知られる脚本家・長田育恵です。 主人公のリキを演じるのは、映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(2017年)や朝ドラ『半分、青い』(2018年)などで知られる石橋静河。代理母を依頼する基役の稲垣吾郎、その妻・悠子役の内田有紀ほか、森崎ウィンや黒木瞳らがキャストに名を連ねました。

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『燕は戻ってこない』あらすじ・最終回ネタバレを解説!タイトルの意味が深い

ドラマ『燕は戻ってこない』は、NHK総合「ドラマ10」枠で4月30日から全10話が放送されます。 タイトルの「燕」は帰巣本能が強く、成鳥の約半数が翌年も同じ巣に帰ってくるようです。それが“戻ってこない”とはどういう意味か、ぜひ考察しながら観てみてください!