漫画『幽麗塔』ネタバレあらすじ＆感想！rawやzipを使わずにお得に読む方法も調査

『幽麗塔』は、乃木坂太郎がビッグコミックスペリオールで連載していた青年漫画で、全9巻で完結済みの作品です。 この記事では『幽麗塔』のストーリーを最新話までネタバレ込みで解説していきます。どんなお話なのか気になっている人も、結末だけ知りたいという人も、ぜひ最後までチェックしてみてください！

時は昭和29年、舞台は神戸。本好きの童貞・天野太一は昼に寝て夜に起きる怠惰な生活を送っていました。そんな天野の前に美しい容姿をした男が現れます。謎の男に連れられて天野がやってきたのは、カストリ誌でよくネタにされているいわくつきの場所・幽麗塔でした。 謎の男に幽麗塔の管理人の仕事を譲ってもらった天野は、気づけば幽麗塔の大時計に体をくくりつけられていました。長針に上半身、短針に下半身を固定されているので、時間が進むごとに天野の腰は曲がってはいけない形曲がっていきます。 天野が死を覚悟した時、謎の男が再び天野の前に現れました。「もし君が、僕についてくれば、金も名誉も女もすべて手に入るけど？」と妖艶な笑みを見せます。そして、幽麗塔がただの時計塔ではなく何十億もの財宝を隠した巨大な金庫であることを知らされるのでした。 沢村鉄雄と名乗るその男は実は女性でーー。

幽麗塔に居座る白い覆面を被った怪しげな人物を「死番虫」と名付け、正体を探ることにした天野。天野の中では相棒である鉄雄も容疑者の1人です。 天野が恋をしていた花園が幽麗塔の時計塔に磔にされて殺されていた事件は、情報統制によって詳しいことは何も明かされずにいました。そこで、天野は花園と同じように老婆が殺された2年前の事件を探ることにします。老婆殺しの犯人とされているのは藤宮麗子。老婆の義理の娘です。 麗子には本城志郎という婚約者がいましたが、老婆殺しの事件の後、忽然と姿を消しています。麗子の情報を得るため本城を探すことにした天野。これからの計画を鉄雄に伝えると、鉄雄は「そんなものに命をかける価値なんてないぜ。僕が、その麗子だから」と伝えます。 しかし、鉄雄の言葉を冗談だと受け取った天野はその言葉を軽く流し、本城の本籍地である広島県呉に向かうのでした。

臓器移植のためのドナーを探しているテスラ博士に未知の毒を打たれた天野の代わりに臓器を差し出してくれる人を探すことになった鉄雄たち。しかし身代わりとなる人間は簡単には見つからず、鉄雄が自分の命を差し出します。 とはいえ鉄雄も諦めたわけではありませんでした。体を切り刻まれようとした時、神戸市内に爆弾を仕掛けたことと自らが藤宮麗子であることを明かし、手術を中止させました。そして、本城が整形手術を受け今も生きていることを知るのです。 その後、幽麗塔に再び死番虫が現れ、多くの人間を殺害します。死番虫の正体に気づいた鉄雄を追いかけてきた天野は、自分たちが死番虫だと思っていた男こそ本城だということを知りました。鉄雄は本城から老婆殺しの真犯人を聞き出そうとしますが、本城は錯乱していて過去の記憶を失っていたのです。 そこに本物の死番虫が現れ本城を殺害します。死番虫も一緒に死んだかと思われましたがーー。

鉄雄が女だということを知った天野は鉄雄の体を想像して夢精してしまいます。どうしても鉄雄のことを女として見てしまう天野に、鉄雄は「僕のことは男だと思って欲しい」と告げるのでした。 そして、天野と鉄雄は、幽麗塔で死番虫が起こした大量殺人事件の容疑者として指名手配されてしまいます。犯人であるはずの死番虫は遺体もなく姿をくらましてしまったのです。鉄雄は警察の目をくらますため天野を女装させました。 2人は警察から逃げながら真犯人を探すしかないと東京に向かいます。その道中でアヘンの原料であるケシを大量栽培している村に入り込んでしまい、アヘン中毒で子どもができにくくなった村人たちの代わりに子作りを迫られるのでした。 しかも、村に軟禁されている間に鉄雄のホルモン注射が切れ、声が女声に戻ってしまいます。新婚夫婦から書生とお嬢様へと変装を変え、引き続き東京を目指す天野と鉄雄でしたがーー。

なんとか東京までやってきた天野と鉄雄。そこで、同じく酒井不変木という覆面作家を探しにやってきた丸部検事と山科刑事と遭遇します。鉄雄のことを怪しむ丸部でしたが、鉄雄はしれっと丸部の追及を逃れました。 そして、丸部と丸部の娘の沙都子は天野達よりも先に不変木と接触します。なんと、不変木の正体は沙都子の母親でした。本名を坂浦子と言う不変木は、幽麗塔の財産は自分のものだと主張します。その後、浦子の周辺で次々に起こる殺人事件に天野と鉄雄も巻き込まれてしまうのでした。 危うく命をつないだ鉄雄は、死番虫との密談の機会を得ます。死番虫と鉄雄には何やら因縁があるようで、お互いに他人が知らない秘密を握っているようにも見えます。 一方、天野は丸部から「鉄雄から時計塔の動かし方を聞き出すように」という命令を受けてーー。

幽麗塔で天野、鉄雄、丸部、沙都子が一緒に暮らすことになり、丸部は鉄雄に一緒に風呂に入って奉仕するよう命令します。風呂の中で繰り広げられる鉄雄と丸部の腹の探り合いにはヒリヒリしましたね。 丸部は天野を使って時計塔の動かし方を知り、鉄雄と天野の友情には大きなヒビが入ってしまいます。幽麗塔の財宝に一歩近づいた丸部は、犯罪者を幽麗塔へと送り込み財宝探しを実行させるのでした。しかし様々な仕掛けが施されている幽麗塔なので、犯罪者たちは次々に無惨な死を遂げます。 丸部は死番虫は警察官なのではないかと考えており、財宝探しついでに死番虫を殺してしまおうと思っていました。もちろん天野と鉄雄も財宝探しに参加します。しかし、2人はそれぞれ別の人間と手を組むことにしました。鉄雄は丸部と、天野は山科とペアになり財宝を探します。

丸部と共に幽麗塔の攻略に挑んでいる鉄雄は、ボルダリングのようになっている壁を命綱なしで登り始めました。頂上までの距離は20メートルはあります。 鉄雄たちを真似して壁を登り始めた男が壁に埋められている石に触れるとカチッと音がして床が崩れ落ちました。下に残っていた者は全員死に、壁を登り始めた者は引き返すことができなくなったのです。 そして、死番虫が今年に入って動きが活発になった理由や老婆殺しの真相も明らかになります。老婆を磔にしたのは死番虫でしたが、麗子は老婆が死ぬことをわかっていて見殺しにしたというのが真実でした。 鉄雄と丸部、天野と山科、そして同じく幽麗塔に入っていた沙都子が再び再会したところで、鉄雄が「自分は本当は体も心も女なんだ」と言い出しました。天野だけは鉄雄の言葉に別の考えを想像しますが、幽麗塔を攻略することを優先し山科と先へと進むのでした。

扉で埋め尽くされた部屋で謎解きを強いられた天野は、たどり着いた答えが間違っていたことに気づきました。先に進んでいた山科に急かされるように通路のはしごを登ろうとしますが、「幽麗塔の仕掛けがこんなにぬるいはずがない」と疑いを深めます。 「むしろこの部屋から逃げ出そうとする方が危険なのではないか」と考え部屋に残ることにした天野に、山科は自決用の拳銃を渡しました。覚悟を決めた天野が次に見たのは、壁だったはずの場所に現れた新たな通路だったのです。 ついに幽麗塔の最深部にたどり着けると思った時、山科は死番虫に殺されてしまいました。天野は拳銃に残されていた最後の一発を死番虫に撃ち込み谷底へと落とします。鉄雄と丸部も合流し、財宝の発見者は天野であることが認められました。 幽麗塔の謎を解いた天野、鉄雄、丸部、沙都子はテスラ博士の元に向かいます。そこで丸部と鉄雄は脳移植を提案されますがーー。

女になりたいと望む丸部と男になりたいと望む鉄雄、2人の脳を交換することは自分が欲している肉体を手に入れる最良の方法だといえます。丸部の方はすでに乗り気で、鉄雄に「俺の体を気に入るか確かめたくなったらいつでも言ってくれ」と言います。 さらに「あるべき姿に生まれ変わり2人で本物のセックスをしようよ」という丸部の提案に鉄雄は悩みます。ずっと男の体が欲しかったものの自分自身の体を捨てることは想像もしていなかった鉄雄でしたが、とうとう覚悟を決めます。 天野は脳移植に反対しますが、一度固めた鉄雄の決意は覆されることがありませんでした。しかしそれは丸部たちを騙すための演技で、鉄雄は天野と共にテスラ博士の元から逃げ、幽麗塔を破壊しに向かいます。天野達を追ってきた丸部との最後の決着は幽麗塔でつけることになるのでした。

『幽麗塔』は、老婆が時計塔に磔にされて殺されるというセンセーショナルな事件を軸に、不気味な塔に隠された財宝を巡る戦いが繰り広げられるホラーミステリーです。 ホラー要素の強いキャラクターデザインとストーリー展開が魅力で、特にメインキャラの1人である鉄雄が実は男装して暮らしている女性だというところがスパイスになっています。幽麗塔に隠された秘密が少しずつ解き明かされていく過程にゾクゾクすること間違いなしです！