漫画『セシルの女王』ネタバレあらすじ＆感想！rawやzipを使わずにお得に読む方法も調査

1533年のイングランドを舞台に、12歳のウィリアム・セシルの活躍を描いた本格歴史ロマン。作者「こざき亜衣」が送る青年漫画作品です。 この記事では、漫画『セシルの女王』のネタバレやあらすじ、感想を紹介していきます。また、作品をよりお得に読める方法もあわせて解説します。本作に興味がある人は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

主人公のウィリアム・セシルは地方のジェントリの子として生まれます。ジェントリとは、王の命令により地方を統治する地主のこと。セシルの父は、衣装担当宮内宮という役職に就いていました。父の仕事の影響で、城に上がることになるセシル。 彼はもともと手品が得意で、宮廷での出世を夢見ていたのです。セシルが生きている時代は、薔薇戦争の傷跡がまだまだ癒えていない頃。戦争から30年は経とうというのに、まだそこかしこに被害の気配が染み付いたままでした。多くの貴族は断絶し、没落していました。 父に連れられて向かった城にいたのは、暴虐さで有名なヘンリー8世でした。なんとしてでも宮内で認められて出世していきたい願望のあるセシルでしたが、その張り切りは思わぬ方向へ空回りしてしまいます。 なんと懐妊した王妃の名前を、前王妃の名前で呼んでしまうという大失態を犯してしまったのです。これを聞いたヘンリー8世は、「この子、殺してもいいかな？」と言いーー。

イングランド王であるヘンリー8世の現在の妻であるアンは、男の子ではなく女の子を産みます。そのことで大激怒したのは、王でした。 実は彼の前の王妃・キャサリンもまた、女の子を産んでいたのです。なかなか世継ぎに恵まれないヘンリー8世は怒りまくります。 動揺したのは、彼だけではありません。前の王妃・キャサリンも焦っていました。唯一ヘンリー8世の血を引く、娘のメアリが次の王位継承権を持っていました。しかしアンがエリザベスを産んだことで、彼女に王位継承権が移ってしまうのです。 しかし当のアンは、女の子を産んでしまった責任感や失望感で、精神的に追い詰められていました。それを元気づけたのが、セシルだったのです。彼はアンに誓いを立てます。それはエリザベスを絶対にこの国の女王にするということ。 すでに宮廷でさまざまなことを学んでいたセシルは、一旦故郷へ戻ります。そこから使用人のラルフと一緒にケンブリッジ大学へ進むのです。

ケンブリッジ大学へ進学中だったセシルの耳に届いたのは、なんとカトリック司教であるジョン・フィッシャー投獄の知らせでした。とんでもない暴虐行為に驚いたセシルは、フィッシャーが投獄されているロンドン塔へ向かいます。 ロンドン塔は昔から「逆賊門」と呼ばれており、地下水門から入ったものは2度と出ることができないと言われてしました。そんなロンドン塔に向かうセシルたち。 司教であるフィッシャーは、頑なにヘンリー8世を英国国教会の首長として認めたくない様子。セシルたちは、クロムウェルからの伝言を司教に伝えます。内容は、形だけでもいいからとにかく国王至上法を認めれば許されるというもの。 しかしフィッシャーはその申し出を断固拒否。後日有罪となり斬首刑となってしまいます。 その後、アン王妃が再び懐妊し、前王妃・キャサリンは亡くなります。前王妃が亡くなった当日、不謹慎にもダンスパーティーを開くヘンリー8世。 しかし馬上槍試合を行ったヘンリーは、なんと落馬することになります。

落馬したヘンリー8世は、なんとか生還したものの、しきりと兄と父親の幻想を見続ける事態に。そんななか、アン王妃は流産してしまい、さらには不貞の噂までも流れ始めます。怒ったヘンリー8世は、アン王妃を処刑するように命令します。彼女は王の寵愛を完全に失い、なおかつ不貞の疑惑をかけられてしまったのです。 この知らせを手紙で読んだセシルは、急いで馬を走らせ、ロンドンへ向かいます。一塁の望みもなく、結局アンの死刑執行当日はやってきます。その日、セシルはアンの娘であるエリザベスのもとへ向かいます。 幼いエリザベスは、母であるアンの「ウィリアム・セシルを待ちなさい」という言葉通り、彼を待っていました。健気で幼い彼女を抱きしめ涙を流すセシル。 アンの死刑が執行された翌日には、なんとヘンリー8世はジェーン・シーモアと婚約。当然のことながら、エリザベスは地位を庶子に落とされ、王位継承権までも奪われてしまいました。

トマス・クロムウェルは国家反逆罪の罪により、斬首刑を言い渡されます。ヘンリー8世のもとに嫁いだ3番目の妻であるジェーン・シーモアは、男の子を産みましたが、出産後に亡くなってしまいます。 ジェーン・シーモアのあとに、またしてもヘンリー8世は妻を娶ります。4番目の妻の名は、アン・オブ・クレーフェと言いました。しかし彼女との床入りは失敗に……。王は4番目の妻を突き放す算段を取り始めます。 突き放されたアン王妃は、セシルやエリザベス、王の愛人であるキャサリン・ハワードと共に郊外へ出かけます。アン王妃は、そこで密約を持ちかけるのです。 なんと王妃の座をキャサリンにくれてやるというのです。その後、ヘンリー8世とアン・オブ・クレーフェが離婚となります。 5番目の王妃になったのが、17歳のキャサリンでした。彼女が王座に就いた同じ日に、クロムウェルの斬首刑が執行されます。 怒涛の変化が起こっていくなか、なんとエリザベスの弟であり、王位継承者であったエドワード王子が倒れたと知らせが入ります。

ヘンリー8世の5番目の妻となったキャサリン・ハワードは、17歳という若さのなか、斬首刑に処されてしまいます。 一方、セシルの妻であるメアリは子供を出産。元気な男の子を出産し、メアリもなんとか無事でした。生まれてきた赤ん坊に、セシルは「トマス」と名付けます。クロムウェルから取った名前でした。 そんなある日、スコットランドとイングランドは戦争になってしまいます。しかしながら、スコットランド軍は歴史的な敗北をしてしまいます。結局すぐあとに、スコットランド王であるジェームズ5世が亡くなり、後継に生まれたのは女の子でした。彼女の名前はのちにスコットランド女王として名を馳せる、メアリ・スチュアートです。 セシルは次の王妃候補を、お前の息のかかった女にしろと友人からアドバイスされていました。そこで白羽の矢が立ったのは、彼の良き友人でもあった、未亡人のキャサリン・パーでした。 心を閉ざしたメアリとエリザベス。彼女たちの心を解きほぐしたのも、このキャサリン・パーの優しさでした。

本作『セシルの女王』では、主人公のウィリアム・セシルという実際の人物に焦点を当て、彼を取り巻く宮廷の事件や物語を描いた作品になっています。 ヘンリー8世や、のちの英国女王エリザベス1世など、実際に歴史に登場する人物たちを描き出し、忠実な歴史を描いた作品です。 忠実に描いているのにも関わらず、わかりやすく、そして読みやすい作品になっています。歴史が苦手でも得意でも、ガッツリとハマってしまうこと間違いなしの作品です。