漫画『あずみ』ネタバレあらすじ＆感想！血塗られた運命を強く生きる少女の物語

『あずみ』は、太平の世を守るための刺客として育てられた1人の少女が、仲間たちとの別れやターゲットたちとの死闘を通して、苦悩しながらも成長していく時代劇漫画です。 ここからは本作のストーリーをネタバレ込みで単行本10巻まで解説。さらに作品の見どころや、どこで読めるのかといった配信状況も紹介していきます。

国を乱そうとする者たちを暗殺するための刺客として幼いころから鍛錬の日々を強いられていた少女・あずみ。一緒に鍛錬を積んでいた仲間たちと殺し合うという最終試験をクリアし、刺客として任務につくことになります。 任務を伝えるのはあずみや他の子どもたちを養成した爺こと小幡月斎。物心つく前から彼に教育されてきたあずみたちは、爺の言葉を疑うことなくひたすらに暗殺を繰り返す日々を送っていました。 そんな中、戦を企てる片桐兵部の一党を全滅させる任務が与えられたあずみ。爺の作戦通りに任務を果たしますが、その最中で対峙した武士から殺しは全て残虐な行為だと言われ、心に迷いが生まれます。

敵対する忍者組織の奇襲を受け、仲間を1人失ったあずみたち。あずみは苦戦を強いられながらも、襲い掛かってきた仲間の敵を切り伏せるのでした。 大切な仲間を失ってもあずみたちに休む時間は与えられません。次なるターゲットはこれから続いていくであろう徳川政権の邪魔になりえる豊臣秀吉の遺児・秀頼。家康亡き後に再び大戦が始まることを避けるため、あずみたちは秀頼の元へ潜り込みます。 優秀な人材を集めている秀頼陣営に。身分を偽り爺と共に潜入したあずみたち。しかしひょんなことがきっかけで、あずみは大坂城内の牢に囚われてしまいます。

囚われたあずみを救い出すべく、仲間のうきはが単身で大坂城に乗り込んで来ましたが、罠にかかり捕まってしまいます。そして2人は仲間同士で戦わせられることに。ずっとあずみを思い続けてきたうきはは、彼女のために死を選びます。 さらに最後の仲間であるひゅうがも女装した剣豪・美女丸に倒され、爺が育て上げた刺客はあずみ1人きりに。爺も美女丸や柳生新陰流の剣士たちに襲撃され、負傷してしまいました。 間一髪で何とか爺を助け出したあずみは、徳川お抱え剣士である柳生一派から襲われたことで徳川に強い不信感を抱きます。そして真相を解明するため家康の側近、天海がいる駿府城に向かうのでした。

駿府城でも柳生一派と相まみえることになり、激しい戦いを何とか逃れた爺とあずみは川越の喜多院を目指し旅立ちました。この事件をきっかけに爺は人が変わったようになり、これからは身を隠し静かに暮らしていこうとあずみに語りかけます。 しかしその矢先、またしても柳生一派の待ち伏せにあい、爺は咄嗟にあずみを川へと投げ込み「生きろ」と言い残したのです。 育ての親である爺までも殺され、とうとうひとりぼっちになってしまったあずみ。彼女の心は徳川に対する恨みと、殺されていった仲間たちへの想いで深く沈んでいました。そして必ず敵を打つと、固く心に誓います。

一連の黒幕は家康に違いないと思い込んでしまったあずみは、復讐の機会をさぐるため徳川方の小野忠明が開いている道場に身を寄せます。そこで偶然にも同じく身を潜めていた豊臣の家臣・井上勘兵衛と再会。家康を討つため共に行動するようになりました。 その後身元がバレ、勘兵衛とともに道場から逃れたあずみは、潜伏中に仲良くなった2人の若き剣士をその手にかけます。自分によくしてくれた小野派の人たちを裏切り、刀を向けたことに罪悪感を抱かずにはいられませんでした。 あずみの苦難はこれだけでは終わらず、勘兵衛までもあずみに勝負を挑んできました。勘兵衛に尊敬の念を抱いていたあずみは勝負を拒否しますが、彼の決意が変わらないと悟り刀を手に取ります。

物心つく前から命令に従い人を殺すことだけを叩き込まれた主人公のあずみ。育ての親である爺の言葉を信じ、何の疑いもなく暗殺の任務をこなしてきた彼女でしたが、様々な人たちと関わりを通して少しずつ自分自身の考えを持つようになっていきます。 悲しい運命の中でもがき、葛藤しながらも人生を切り開いていくあずみの逞しさには目頭が熱くなりました。出会いと別れを繰り返しながら、1人の人間として成長していく彼女の姿に注目です。