2025年1月19日更新

【ネタバレ】映画『ストップモーション』あらすじ結末は?現実と虚構が入り乱れる狂気のホラー

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『ストップモーション』(2025年)
© Bluelight Stopmotion Limited / The British Film Institute 2023

ストップモーション・アニメと実写を融合させた新感覚のホラー『ストップモーション』が、2025年1月17日に日本公開されます! 米映画批評サイトRotten Tomatoで批評家スコア91%を獲得し、各国の映画祭で絶賛された本作。 この記事では『ストップモーション』のあらすじや感想・評価を紹介します。

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映画『ストップモーション』のあらすじ

公開年 2025年1月17日(日本)
メインキャスト アシュリン・フランシオーシ , トム・ヨーク ,ケイリン・スプリンゴール
監督 ロバート・モーガン

偉大なストップモーション・アニメーターであるスザンヌ・ブレイク(ステラ・ゴネット)を母に持つエラ(アシュリン・フランシオーシ)。彼女は、母が病気のため中断した作品を完成させようと奮闘していました。しかし独力では作業が進まず、悩む日々。そんなあるとき、彼女の前に謎の少女(ケイリン・スプリンゴール)が現れます。 少女の手を借りて作業を進めるエラでしたが、次第に現実と虚構の壁が崩壊し、精神的に追い詰められていきます。

【ネタバレ】映画『ストップモーション』結末までのあらすじ

【起】謎の少女との出会い

ストップモーション・アニメの権威であるスザンヌ(ステラ・ゴネット)を母に持つエラ(アシュリン・フランシオーシ)は、病気で思うように手を動かせない母の作品制作を手伝っていました。そんなある日、母が脳卒中で倒れ、入院してしまいます。恋人のトム(トム・ヨーク)から母が回復するまで一緒に暮らそうと誘われますが、エラはアパートを借りて、母の未完の作品を完成させることに。 ある日、エラはアパートに住む少女(ケイリン・スプリンゴール)に出会います。強引に部屋に入り、勝手にスタジオ見学を始める少女。そしてどんな物語を作っているか教えると「それはつまらない」と言われ、森で迷子になる少女の話にしては、と提案されます。 悩んだ結果、少女の提案した物語を作り始めるエラ。すると迫力のある映像ができあがり、満足した彼女は母と共同で製作していた作品の人形などを捨ててしまいました。 再び現れた少女に自分の作った映像を見せると、少女は「人形がリアルじゃない」と批判します。少女はどこからか生肉を持ってきて、人形の皮膚の下に巻き付けるよう言います。戸惑いながらも少女の言う通りにしてみると、本物の人間のような人形ができあがりました。

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【承】「アッシュマン」

物語の中で少女は森のなかを走り、小さな家に逃げ込みます。窓の外には「アッシュマン」と呼ばれる奇妙な人物。少女が言うには、物語の少女はアッシュマンから逃げているとのこと。 エラはアッシュマンの人形を作りますが、少女はその出来に不満げ。少女はエラを森へ連れていき、キツネの死骸を見せます。彼女はアッシュマンは死人だから人形も死骸から作るべきと言いますが、エラはこれを拒否。すると少女は怒り、この先の物語は教えないと帰ってしまいます。 エラはなんとか自分で物語の展開を考えようとしますが、うまくいきません。彼女はトムの妹ポリー(セリカ・ウィルソン・リード)のホームパーティーで新しいアイディアをひらめくかも、とLSDを試します。彼女はトムとの官能的なセックスを思い出し、生きた人間の皮膚の感触を確かめます。またパーティで流血事件が起き、血だらけの男の血液に触ったエラは、なにかを悟りました。 少女とともに森に向かったエラは、キツネの死骸を持ち帰り、アッシュマンの人形を完成させます。そのとき呼び鈴が鳴り、覗き穴を見ると、アッシュマンがこちらを見ており、エラは気絶します。

【転】崩壊していく虚構と現実の境界

いつの間にかスタジオの床で眠っていたエラは、トムに起こされて目を覚まします。彼女が作ったであろう映像を見ると、少女のいる家の扉を叩くアッシュマンは力強く、よりグロテスクになっていました。 それからエラは幻覚を見るようになります。自分の皮膚が粘土になって剥がれ落ちたり、生肉の人形に太ももをえぐられたり、トムとのデートを少女に監視されている気がしたり。そんな毎日でエラは疲弊していきます。 ある日、アニメーターでもあるポリーからスタジオで働かないかと誘いを受け、エラは見学に行きます。ポリーは森をさまよう少女のストップモーション・アニメを作っていました。エラは盗作されたと怒り、スタジオをめちゃくちゃにします。 エラのスタジオで少女は次はアッシュマンに捕まる展開だと言いますが、エラはこれを拒否し、少女がうまく逃げる展開にすると言います。少女は機嫌を損ねて出ていってしまいました。 次の構想を練っていたエラは、森のセットから等身大のアッシュマンが現れ、凌辱される幻覚を見ます。目が覚めるとそこは病院でした。エラは幻覚を見て転び、足を怪我してしまったのです。

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【結末】衝撃のラスト!狂気に陥ったエラの末路

入院中に母が亡くなったことを知ったエラが母の病室に向かうと、そこにはなぜか少女がいて、エラに早くつづきを作ろうと急かします。 撮影の準備をしていた少女を、エラは絞め殺します。しかしその背後から生きている少女が現れ、涙を流すエラ。 少女はアッシュマンをもっと血の通ったもので作ろうと言います。エラは包帯を外し、傷口に指を突っ込み筋肉を引きちぎりました。その様子を見たトムとポリーはエラを病院に連れて行こうとしますが、エラは暴れてトムを階段から突き落とし、ポリーの首を撮影機材で切り裂きます。 エラは2人をスタジオに運ぶと彼らの血肉で等身大のアッシュマン人形を作り、撮影を始めました。するとアッシュマンは勝手に動き出し、エラを追い始めます。少女は困惑し、これは物語の一部ではないと言って立ち去りました。追い詰められたエラは、自分の顔の皮膚を剥ぎ取り、アッシュマンに捧げます。それを一心不乱に食べるアッシュマン。 どこかの森の中、物語に登場した家に入ったエラは、少女がパソコンで出来上がった映像を見ているのを発見しました。その画面に写っていたのは、アパートで死んでいるエラの姿。それを見たエラは、少女の隣にあった箱を開けます。少女が「私はこの映画が好き」と言うと、エラは微笑んで箱の中に入り、蓋を閉めました。

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【解説】エラを狂気の世界に導く少女の正体とは

エラは謎の少女に導かれて作品を作り、狂気の世界へと陥っていきます。では、この少女はいったい何者なのでしょうか。 少女の正体は、抑圧されてきたエラ自身のクリエイティビティです。これまで偉大な母のもとでストップモーション・アニメ製作に携わってきたエラでしたが、彼女にはオリジナリティやクリエイティビティはありませんでした。そんな彼女の前に現れたのは、オリジナリティやクリエイティビティを与えてくれる存在です。 母がいなくなったことでエラは自身のオリジナリティを発見し、クリエイティビティを発見することができました。しかし、それを手にするには、すべてを捧げる必要があったのです。 物語やアニメーションを製作するなど、ゼロからなにかを生み出す仕事は、生半可な気持ちではできないものです。エラは自身の創造性を発揮するのと引き換えに、狂気に陥っていったのです。

映画『ストップモーション』の感想・評価

ストップモーション
© Bluelight Stopmotion Limited / The British Film Institute 2023
ストップモーション』の総合評価
4 / 2人のレビュー
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30代男性

演技も素晴らしいけど、すごく不気味なストップモーションがもっと観たくなる。クリーチャーデザインがすごく良い!なにか心を掴まれるようなイヤな感じが『ヘレディタリー』を思い出させる。

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20代女性

全体的に物足りない。ストーリーも弱いし、実際のストップモーション・アニメ映画と比べるとストップモーションのシーンのクオリティも低い。展開も遅く、もっともっと狂気に陥る人形劇を見せてほしかった。終盤は過激なゴア描写があるので注意。

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ストップモーション・アニメと実写の見事な融合!

『ストップモーション』(2024年)
© Bluelight Stopmotion Limited / The British Film Institute 2023

ストップモーション・アニメの製作は、普通の人間・環境でも狂気に陥っても無理もない、気の遠くなるような作業だと思います。それを題材にホラー映画を製作しようという着眼点が、まず興味深いといえるでしょう。人形を題材にしたホラーは多くありますが、まさに自分が命を吹き込もうとしている人形が、本当に動き出してしまったら……。 本作に登場する人形は本当に不気味で、その人形が現実世界で動き出すなんて、想像しただけで悪夢のようです。ストップモーション・アニメと実写が融合した映像は本当に自然で、その“普通さ”が逆に恐怖を増幅させています。 狂気に陥っていくエラを演じるアシュリン・フランシオーシの演技も素晴らしく、常にイヤな雰囲気がつきまとう映像が秀逸です。

映画『ストップモーション』のあらすじを解説しました

海外で高い評価を獲得している『ストップモーション』。実写とストップモーション・アニメを融合させた斬新な映像と驚愕のストーリーで、観客を悪夢の世界に引きずり込みます。 映画『ストップモーション』は、2025年1月17日、日本公開です!