『ガンニバル』後藤銀の過去や若い頃を詳しく解説!誰が殺したのかも明らかに?
サスペンス漫画『ガンニバル』にて、舞台の「供花村(くげむら)」を支配する女当主・後藤銀。この記事では、謎めいた銀の過去や本当の死因などについて詳しく解説*していきます。 本記事にはストーリーのネタバレが含まれるため、原作未読の人は注意してください。
『ガンニバル』後藤銀のプロフィールを紹介
生年月日 | 1923年 |
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年齢 | 享年95歳 |
所属(肩書き) | 後藤家当主/村唯一の助産師 |
一人称 | 己(オレ)/ウチ ※当主になる以前 |
俳優 | 倍賞美津子/若い頃:恒松祐里 |
『ガンニバル』の後藤銀は、舞台となる供花村を牛耳る一族・後藤家の当主です。閉鎖的で今や限界集落となった村の唯一の助産師でもありました。 銀は次期当主となる恵介ら本家の者に対し、「後藤家以外は人間と思うな」と教育。恵介には「もはや呪いだ」と言われており、村人たちにも恐れられた絶対的な存在でした。そんな彼女の遺体が発見されたことで、本作の物語が大きく動き出します。
後藤銀の壮絶な過去
銀の母親
『ガンニバル』の後藤銀というキャラクターの過去を語る上で、母親の話題は避けて通れません。銀の母親は村一番の美人で、男たちが争わないよう村中の慰み者になっていました。ある時、奉納祭の生贄に選ばれるものの逃げ出し、当時の後藤家当主・定に保護されます。 定はお腹の中にいた銀も妾の子として迎えていますが、銀に「おれは本当の父親じゃない」と言っていることから、2人の間に血縁関係はありません。 一方の村人たちは銀の母親を村の裏切り者とみなし、銀自身も「裏切り者の娘」「穢れた存在」として扱われ、過酷な仕打ちを受け続けていました。銀は「今度はこちらが喰う番だ」と、母親の代から搾取されてきた村への復讐を誓ったのでした。
【相関図】後藤金次や神山正宗との関係

若い頃の銀は母親譲りの美貌を誇り、後藤家の次期当主・金次から性的な虐待を受けていました。 村人たちに対しても、権力を笠に着て日常的に暴力を振るっていた金次。村唯一の神社「来乃神神社」の跡取りである神山正宗は、彼の横暴を止めさせたいと考えます。 まずは権力者に近付こうと考えた銀は正宗に目をつけ、金次から受けてきた仕打ちについて明かすと、神社の地下にある秘密の場所で逢瀬を重ねました。すっかり肉欲に溺れた彼に対し、自らが後藤家の次期当主となり、正宗が神主となって「一緒に供花村を変えよう」と囁きます。 やがて銀は妊娠しますが、関係を持っていた金次と正宗のどちらが父親なのか分かりません。それでも正宗は銀との結婚を望み、“しがらみのない、清らかな世界で生きてほしい”という意味を込めて子供に「白銀」と名付けました。
生贄にされる銀と食人のはじまり
妊娠と前後して供花村で不作が続き、母親が過去に生贄から逃げ出したこともあって、「あの阿婆擦れのせいだ!」と村人の不満が爆発しました。 銀は襲撃してきた村人を誤って殺してしまい、来乃神への生贄に選ばれ奥の木に縛り付けられますが、一部始終を見た当時の神主・吉宗によって拘束が解かれます。その日以降、山では行方不明者が続出するようになり、何とか逃げ帰ってきた村人の証言から銀の生存が判明しました。 生贄に捧げられた日から約8ヶ月後、銀は身ごもっていた白銀を出産。山に入ってきた村人を喰らい、息子にも与えながら生き延びていたのでした。
若い銀の覚悟からはじまる「村の支配構造」
野盗グループとの取引
金次も銀の魅力に取りつかれており、山から連れ帰った彼女を座敷牢に幽閉しました。 銀の生存を知って面会を訪れたものの、金次に無理やり追い返されてしまった正宗。彼は飢饉に苦しむ村人を扇動して後藤家に乗り込み、それに乗じて銀も救う計画を立てます。金次は村人の気迫に押されて食料を差し出し、交渉の場は収まったかに見えました。 村人側に銃弾が撃ち込まれ、1人が死亡したために両者は殺し合いに発展!実は犯人は後藤家ではなく、銀が外から手引きした流れ者の野盗グループでした。銀は生贄として連れて行かれた山中で彼らと出会い、後藤家の乗っ取りを持ちかけていました。 本家筋のほとんどの者は皆殺しにされ、座敷牢へ逃げた金次も銀と白銀に喰われます。野盗たちによって銀は解放され、当主として後藤家の実権を握ることになりました。
白銀のための生贄
銀は先代までとは打って変わって村人に手を差し伸べ、少しずつ彼らを懐柔してきました。 そして白銀を「現人神」として祀り、年に一度の奉納祭で生贄を捧げるよう要求します。自身は村唯一の助産師となって死産を偽装し、生贄の赤ん坊を後藤家で育てることに……。銀と正宗が作り上げる、新たな後藤家による村の支配構造が確立したのでした。 これらは村で権力を掌握しやすくすると同時に、白銀の食料を用意する目的がありました。 食べるものに困らなくなった後も、白銀が後藤家の地下牢から出られず、人間以外を食べないことに銀と正宗は頭を悩ませていたのです。
銀は誰に殺されたのか?
村人の恨み
当初は“山菜採りの最中に熊に襲われた”説が有力でしたが、実際は西村邦寿ら村人に殺されました。 正宗の息子・宗近と村人たちの話から、子供を生贄にされてきたことへの恨みが原因だったと判明。若者たちは「死産だった」と告げられるだけで、最近までその真実を知りませんでした。彼らは銀を山中へ連れ去ると、農具で滅多打ちにして殺害しようとします。 しかしそこへ熊のような影が現れ、恐ろしくなって銀を置き去りにしたまま逃げ出しました。
人間の歯型とは?銀の最期
影の正体は「あの人」こと白銀で、彼は自らの母親である銀すらも食べようとしました。愛する息子にとっては、自分も村人たちと同じく食料でしかないのだと絶望する銀。しかし、白銀の「カアチャ」という言葉に愛情を感じ取り、食べられることを受け入れました。 後藤家が銀の遺体を食べた熊を殺して食べたように、食人葬の意味を持つシーンだと思われます。銀を殺したのは村人の恨みではなく、何より守ろうとした白銀からの愛情だったのでした。
銀はクールー病だった!
晩年の銀はクールー病が進行し、「狂ったように笑う」「認知症」などの症状が出ていました。 通称「狂い病」と呼ばれる脳疾患で、パプアニューギニアのフォレ族の間で流行した風土病。食人葬などによる食人で感染、5年~20年の潜伏期間の後に発症し、2年以内に死に至ります。前駐在・狩野治が銀を病院へ連れて行く頃には、一人ではまともに歩くことも困難でした。
ドラマ版『ガンニバル』後藤銀役は誰?若い頃のキャストは恒松祐里
倍賞美津子【シーズン1・女当主】
実写ドラマ版で後藤銀を演じるのは、映画『影武者』(1980年)などの黒澤作品で世界の注目を集め、日本を代表する名女優となった倍賞美津子です。 本作では回想シーン中心の出演ながら凄まじい迫力を放ち、視聴者に強烈なインパクトを残しました。
恒松祐里【シーズン2・若い頃の後藤銀】

若き日の銀を演じる恒松祐里は、倍賞も出演したドラマ『瑠璃の島』(2005年)で子役デビュー。『全裸監督』シーズン2ではヒロインに抜擢され、体当たり演技で話題を呼びました。 プロデューサーの山本晃久は「人心を掌握する底知れない目力と度量を持つ俳優をと話していた時、片山監督から恒松祐里さんの名前が挙がり、その瞬間に彼女しかないと思いました。」と語っています。
後藤銀の過去が明らかになるドラマ版『ガンニバル』シーズン2をチェック!
実写ドラマ版『ガンニバル』シーズン2が、2025年3月19日からDisney+で独占配信されます! シーズン1ではクールー病に侵され、狂った老婆として視聴者を震え上がらせた後藤銀。若き日の銀を恒松祐里がどう演じるのか、最終章となる今作にも注目してください。