【ネタバレ】映画『俺ではない炎上』原作小説の結末までもあらすじを解説!犯人の動機が意味不明?伏線だらけのミステリーがすごい
現代の「炎上事件」を題材にした、サスペンス・ミステリー小説『俺ではない炎上』が映画化!2025年9月26日に公開予定です。 この記事では『俺ではない炎上』(2025)の原作をネタバレありであらすじ紹介!犯人の動機や小説に隠されたトリックも解説します。
映画『俺ではない炎上』あらすじ【ネタバレなし】
「伏線の狙撃手」の異名を持つミステリ作家・浅倉秋成の小説『俺ではない炎上』がついに映画化。 「ある日突然、自分の顔が身に覚えのない事件の犯人としてネット上で拡散されたら…」という、現代のSNS社会で誰もが考えたことがある「炎上」を題材にした作品です。 SNSという匿名の刃がもたらす狂気と、人間の脆さを描き出す、息もつかせぬノンストップエンターテイメント。逃げ続けた先に待ち受ける、衝撃の真実とは――。
【原作ネタバレ】『俺ではない炎上』伏線だらけの結末までを解説
本作の肝「叙述トリック」は別枠で説明するため、本見出しでは時系列そのままに簡単なあらすじを解説します。 ネット上で「女子大生殺害事件」の犯人に仕立て上げられたエリート会社員・山縣泰介の周囲では、続々と死体が発見されました。犯人と思しきアカウントでは、泰介や家族しか知り得ない情報・口癖が呟かれていたのです。 泰介に殺害の罪を被せていたのは「えばたん」こと江波戸琢哉という男でした。大学生になった娘・夏美の小学生時代の同級生です。 10年前、マッチングアプリを使った夏美が小児性愛者と繋がりかける事件が発生。泰介に叱られ一時倉庫に閉じ込められた夏美は、泰介名義のTwitterアカウントで犯人を探そうと動きました。 そこに正義感の強いえばたんも協力したのです。しかしこれも泰介に見つかり、2人はひどく叱られます。それから10年後、夏美が作成したアカウントを乗っ取ったえばたんは「血の海地獄」という、犯行をほのめかすツイートをつぶやき、インターネット上で泰介を犯人に仕立て上げたのでした。
【原作解説】『俺ではない炎上』の犯人の行動が意味不明?動機は何?
のちに犯人となるえばたん少年は、漫画の主人公・セザキハルヤに憧れ、漫画に登場する「私は私の信念を貫く」という言葉通りに生きようとする少年でした。しかし夏美の事件で泰介に叱られ、えばたんは好意のあった女の子の前で涙します。 その後、えばたんは父の死去で建築士の夢を諦めることに。自分の人生への憤りが爆発した結果、楽をして生きているように見えた、パパ活女子を殺害の標的にしたのです。 泰介に罪を着せた理由は、子供時代の叱責を「悪」と捉え「悪を懲らしめる」という歪んだ正義感と、夏美のネットトラブルは泰介にも問題があったことへの警鐘だったのではないでしょうか。
【原作感想】『俺ではない炎上』の叙述トリックがすごい
本作は泰介、夏美、ツイートを拡散させた少年・住吉初羽馬、そして警察官・堀健比古の4人の視点で語られます。しかし、夏美パートのみ10年前の出来事を語っていたのです。10年後の夏美はアカウント名「サクラ」として登場し、終盤になってようやく「夏美=サクラ」だと分かります。 夏未パートで「殺害事件」について語っていると思われたセリフは、実は「泰介に閉じ込められた出来事」に置き換わっていたのです。そして夏美が犯人であると匂わせながら、辻褄が合わない点が見えてきて、えばたんにたどり着く見事な叙述トリックが展開されます。
映画『俺ではない炎上』キャスト・登場人物解説
山縣泰介役/阿部寛

「女子大生殺人事件」の犯人に仕立て上げられる主人公・山縣泰介役は、阿部寛が演じます。 モデルとしてデビュー後、不遇の時代を経てドラマ「TRICK」シリーズでブレイク。2025年は『ショウタイムセブン』、『キャンドルスティック』、そして本作と主演が続く、日本を代表する演技派俳優です。
映画『俺ではない炎上』監督
監督:山田篤宏
『俺ではない炎上』(2025)の監督は、山田篤宏です。第1回木下グループ新人監督賞を受賞し『AWAKE』(2020)にて商業映画監督デビュー。それまでは乃木坂46のMVや短編映画を手掛けてきました。
脚本:林民夫
脚本を担当したのは、林民夫です。TVアニメ「サザエさん」の脚本や特撮「超星艦隊セイザーX」のシリーズ構成などを歴任しました。実写映画では『永遠の0』(2015)で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞しています。
映画『俺ではない炎上』の公開日は2025年9月26日!
映画『俺ではない炎上』は2025年9月26日公開です! 原作小説は時系列を騙す、叙述トリックが肝となる作品。どのように映像で表現するのか今から楽しみです。阿部寛演じる泰介の「手に汗握る逃亡劇」を劇場でチェックしましょう。