映画『ラ・コシーナ/厨房』あらすじキャスト解説!70年前の戯曲が原作の社会風刺エンタメ
第74回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映され、高い評価を得た『ラ・コシーナ/厨房』。人気レストランの緊迫した厨房で、さまざまな人の思いが交錯する様子をユーモラスかつ痛烈に描いたヒューマンドラマです。 この記事では、『ラ・コシーナ/厨房』のあらすじやキャスト、見どころを紹介します。
映画『ラ・コシーナ/厨房』あらすじ【ネタバレなし】
タイトル | 『ラ・コシーナ/厨房』 |
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公開日 | 2025年6月13日 |
上映時間 | 139分 |
監督 | アロンソ・ルイスパラシオス |
キャスト | ラウル・ブリオネス・カルモナ , ルーニー・マーラ , アンナ・ディアス |
あらすじ
ニューヨークにある大型レストラン「ザ・グリル」。その厨房で、いつも通りの忙しい朝がはじまりました。そんななか前日の売上金の一部が消えたことが判明し、従業員全員に窃盗の容疑がかけられます。 オーナーが犯人探しに躍起になるなか、新たなトラブルが次々と発生し、料理人やウェイトレスたちのストレスはピークに。そして厨房はカオスと化していき……。
映画『ラ・コシーナ/厨房』は70年前の戯曲「調理場」が原作?

『ラ・コシーナ/厨房』の原作は、イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーによる戯曲『調理場』です。 『調理場』は、ウェスカーが25歳のときに書いた初めての戯曲で、2作目として書いた『大麦入りのチキンスープ』(1958年)の成功後、1959年に初演されました。 同作は1961年に『野生のエルザ』(1966年)で知られるジェームズ・ヒル監督によって映画化。1994年には『リトル・ダンサー』(2000年)のスティーブン・ダルドリーの演出で再演されました。
原作者・アーノルド・ウェスカー
1938年生まれのウェスカーは、18歳のときにイギリス空軍に編入。除隊後はさまざまな職種を経験し、調理場の給仕として働きながら映画技術学校で学びます。 1958年、『大麦入りのチキンスープ』の成功により、1950年代後半の演劇革新の担い手に。 その後2006年にナイトの称号を授けられ、2016年に死去しました。
映画『ラ・コシーナ/厨房』キャスト・登場人物を解説
ペドロ役/ラウル・ブリオネス
本作の主人公で、「ザ・グリル」の料理人のペドロ。メキシコからの移民です。 ペドロを演じるのは、母国メキシコで映画や舞台で活躍し、高い評価を受けてきたラウル・ブリオネスです。
ジュリア役/ルーニー・マーラ
ジュリアはペドロの恋人で、アメリカ人のウェイトレスです。実は彼女はある秘密を抱えているようで……。 ジュリアを演じるのは、『キャロル』(2015年)や『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)などで知られる**ルーニー・マーラです、
エステラ役/アンナ・ディアス
「ザ・グリル」で見習いとして働くエステラは、親族であるペドロを頼ってアメリカに不法入国してきた移民です。 エステラを演じるアンナ・ディアスは、本作が長編デビュー作。メキシコシティ在住で、本作の撮影のために初めてニューヨークに渡りました。
映画『ラ・コシーナ/厨房』監督・脚本はアロンソ・ルイスパラシオス
本作の監督・脚本を務めたのは、メキシコシティ生まれのアロンソ・ルイスパラシオス。ロンドンの王立演劇学校で学び、2014年には初の長編作品『グエロス』がベルリン国際映画祭で初監督作品賞を受賞するなど、高い評価を受けました。 Netflixの『ナルコス メキシコ編』(2018年)や、2025年のディズニープラスオリジナル作品『キャシアン・アンドー』でエピソード監督を務めるなど、幅広く活躍しています。 本作は初の英語作品として、2024年のベルリン国際映画祭など19の映画祭・映画賞に出品・ノミネートされ、12の賞を獲得しました。
映画『ラ・コシーナ/厨房』見どころを解説
約70年前の戯曲を原作に、「厨房=世界の縮図」として描いた『ラ・コシーナ/厨房』。今も昔も変わらない国同士の格差と埋まらない溝を盛り込んだ、痛烈かつユーモラスなエンターテイメントとなっています。 監督がこれまでの作品でも一貫して貫いてきたドキュメント手法を使った14分のノーカットシーンは圧巻で、大きな見どころとなっています。
映画『ラ・コシーナ/厨房』の公開日は2025年6月13日!

人気レストランの緊迫感あふれる厨房を描き、痛烈な風刺とユーモアが効いた『ラ・コシーナ/厨房』。気鋭のメキシコ人監督によるエンターテイメントに注目が集まります。 『ラ・コシーナ/厨房』は、2025年6月13日公開です。