2025年8月18日更新

映画『国宝』興行収入100億円突破!歴代実写邦画1位になる可能性やヒットの理由を解説

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『国宝』
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

2025年6月6日に公開され、8月現在も各館で上映がつづくロングランヒット中の映画『国宝』。公式Xでは、「8月17日までの公開73日で 観客動員数747万人 興行収入105億円 を突破!」と発表されました。 『国宝』は、なぜここまでヒットしたのでしょうか?また、これまでの興収100億超えの邦画実写映画についても紹介します。

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なぜここまでヒットした?興行収入100億円超えの理由に迫る

吉田修一×李相日監督で映画化

『国宝』
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

原作・吉田修一、監督・李相日の2人がタッグを組んだ『国宝』。実はこれまでにこの2人がタッグを組んだ作品はこれまでに2作あり、どちらも高い評価を獲得していきました。 2019年に公開された『悪人』は、興行収入19.8億円を記録。また2016年の『怒り』では、16.1億円を突破しました。興行収入10億を超えれば成功とされる日本実写映画の世界で、2人のコンビは着実に実績を積み重ねてきたのです。 『国宝』の原作小説は、第69回芸術選奨文部科学大臣賞および第41回中央公論文芸賞を受賞と高く評価されています。 吉田修一原作×李相日監督の作品がこれまでにも大ヒットしていることからも、『国宝』のヒットは意外ではないのではないでしょうか。

カンヌ国際映画祭での上映から広がる口コミ

『国宝』は2025年5月18日、カンヌ国際映画祭の監督週間で公式上映されました。上映前には「日本の伝統芸能を扱っている作品がカンヌに出品されることは、そう多くはない」「公式上映は、作り手にとっては重圧で、なかなかタフな時間になる」と語っていた李監督でしたが、いざ上映が終わってみると拍手喝采。約6分間のスタンディングオベーションが起こったと言われています。 観客からは「演出も素晴らしく、すべてが新しい世界だった。歌舞伎について知らなかったが、この映画は歌舞伎と日本文化のいい発見になった」などの声が聞かれました。 カンヌでの高い評価を足がかりに、日本でも大ヒットとなったといえるでしょう。

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クオリティが高い感動の175分

『国宝』
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

『国宝』の原作は、吉田修一が自ら3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を活かして書き上げた渾身作です。それを『悪人』、『怒り』でタッグを組んだ李相日監督がメガホンをとり、実写映画化。主演の吉沢亮や横浜流星も1年半以上もの時間をかけて歌舞伎の芸を習得したました。 もともと高く評価されていた原作と、人間ドラマを得意とする監督、そして役者陣の血の滲むような努力の結晶が映画『国宝』です。映画全編を通して目を奪われる美しい映像と、隙のないストーリー、そして鬼気迫る演技で、3時間という長さを全く感じさせない没入感を味わわせてくれます。 「タイパ」が重視される世の中で、時間をかけてでも観る価値のある作品として認められているのです。

歴代実写邦画ランキング1位になることはできるのか?

『国宝』 黒川想矢 越山敬達
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会
1位 『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年):173.5億円
2位 『南極物語』(1983年):110億円
3位 『国宝』(2025年):105億円
4位 『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』(1998年):101億円

『国宝』は8月17日時点で興行収入105億円を突破。日本実写映画が興収100億円を超えたのは、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)以来、22年ぶりの快挙となりました。 日本実写映画で興行収入100億円を超えたのは、これまで3作しかありませんでした。2025年8月時点で興行収入105億円を記録した『国宝』がここに加わり、現時点で歴代3位の記録を達成しています。 同作は毎日1億ずつ興収を積み上げていると言われており、このままロングランがつづけば、『南極物語』(1983年)を超えて歴代2位に躍り出ることは確実と見られています。

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映画『国宝』の興行収入は100億円突破!どこまで記録を伸ばせるか

『国宝』 吉沢亮
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

公開開始から10週で興行収入100億を突破した『国宝』。公開から2ヶ月経った8月現在も各上映館での上映回数は減っていませんし、これからもまだまだロングランがつづきそうな様子。 歴代1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は20週以上上映されたとされており、『国宝』もこの勢いでロングランとなれば、歴代興行収入1位を達成することができるかもしれませんね。