2025年12月22日更新

映画『嵐が丘』(2026)あらすじ・キャスト解説!原作のネタバレや1939年版の解説も

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嵐が丘 2026
(C)2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

「世界三大悲劇」としても知られる不朽の名作『嵐が丘』が、2026年に新たな映画としてスクリーンに帰ってきます。主演を務めるのは、プロデューサーも兼任するマーゴット・ロビーです。 本記事では、新作映画『嵐が丘』について、現時点で判明しているあらすじやキャスト陣を紹介。さらに、物語の結末が気になる方のために、原作小説のあらすじもネタバレ有りで詳しく解説します。

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映画『嵐が丘』(2026年)作品概要

エミリー・ブロンテによる古典『嵐が丘』が、2026年に劇場公開です。2023年に社会現象を巻き起こした映画『バービー』のマーゴット・ロビーが、本作でプロデューサー兼主演を務めます。 原作は「世界三大悲劇」の一つとも称される、不朽の名作小説。『嵐が丘』はこれまで世界中で何度も映像化されてきました。中でも1939年版は、『ローマの休日』(1953)のウィリアム・ワイラー監督が手掛けた名作として知られており、アカデミー賞7部門にノミネートされています。

エミリー・ブロンテ原作『嵐が丘』のあらすじ・ネタバレを起承転結で解説

エミリー・ブロンテ作『嵐が丘』は、イングランドの荒野を舞台に、愛と憎しみ、復讐を描いたゴシック小説の傑作です。登場人物たちの激しい情念が織りなす物語は、世界中で何言語にも翻訳されており、1847年の発表から170年以上経った今なお、多くの人々を魅了し続けています。 ここからは、起承転結に分けて『嵐が丘』のあらすじを解説します!

【起】キャサリンとヒースクリフの出会い

1801年、スラッシュクロス(鶫の辻)に引っ越したロックウッドは、隣家のヒースクリフが住む「嵐が丘」を訪れ、その家でキャサリンと呼ばれる少女の霊を見ます。そして、家政婦ネリーから「嵐が丘」の過去を聞かされました。 その昔、「嵐が丘」の主人アーンショウは、孤児ヒースクリフを連れ帰ります。その後、娘のキャサリンはヒースクリフと互いに恋心を抱くようになります。しかし、兄のヒンドリーはヒースクリフを憎み、父の死後、彼を使用人の身分に落として虐待。 それでもキャサリンとヒースクリフの絆は、変わらず続いていたのです。しかし、周囲の反対や「鶫の辻」に住むリントン家との出会いで、2人の間には少しずつ距離が生まれ始めていきーー。

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【承】キャサリンが選んだ別の人との愛

キャサリンは、裕福なリントン家のエドガーに求婚され、それを受け入れます。彼女はヒースクリフを愛していましたが「彼と結婚すれば惨めな生活が待っている」と、家政婦の娘・ネリーに明かしました。 「エドガーの資産でヒースクリフが出世する手助けができる」とも話しますが、最初の会話のみを立ち聞きしたヒースクリフは、キャサリンに裏切られたと誤解。そして、復讐心を胸に屋敷を去りました。 ヒースクリフ失踪のショックで病に倒れたキャサリンでしたが、回復後にエドガーと結婚し「鶫の辻」へ移り住みます。

【転】ヒースクリフの復讐がスタート

数年後、裕福な紳士となったヒースクリフが、復讐のために戻ってきました。ヒースクリフはエドガーの妹イザベラと結婚。さらに、自分を虐げたヒンドリーを賭博で破滅させて「嵐が丘」を乗っ取ったのです。 ヒースクリフとエドガーの対立に引き裂かれたキャサリンは精神を病み、娘のキャシーを出産した直後に亡くなりました。最愛の人を失ったヒースクリフは、その憎悪と復讐心をさらに燃え上がらせ、ヒンドリーの息子・ヘアトンを虐げることで晴らそうとします。

【結】新たな希望

ヒースクリフの復讐は次世代にも及びました。ヒースクリフは、キャサリンとエドガーの娘であるキャシーと、自身の息子リントンを策略によって結婚させ、ついにリントン家(エドガーの家系)の財産をも手中に収めます。 しかし、すべてを手に入れて復讐を遂げたヒースクリフは、生きる目的を失ってしまいました。最愛のキャサリンの亡霊に日夜苛まれ、衰弱の末に息を引き取ります。 ヒースクリフの死後、残されたキャシーと、虐げられて育ったヘアトンはやがて愛し合うようになりました。村では今なお、ヒースクリフとキャサリンの亡霊がさまよっていると語り継がれています。

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マーゴット・ロビー主演・制作!他のキャストも豪華

世界中の女性に勇気を与えた『バービー』で注目を集めたマーゴット・ロビーが主演の『嵐が丘』。ここでは、ヒースクリフ役ジェイコブ・エロルディと監督・脚本エメラルド・フェネルについても解説します。

キャサリン・アーンショウ役/マーゴット・ロビー

バビロン マーゴット・ロビー
(C) 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

キャサリン・アーンショウを演じるのは、マーゴット・ロビーです。マーティン・スコセッシ監督作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)で一躍注目を浴び、DC映画のハーレイ・クイン役で世界的な人気を獲得しました。 アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)からは制作にも携わるようになります。2023年には、主演と制作を兼任した映画『バービー』が世界的な大ヒットを記録しました。

ヒースクリフ役/ジェイコブ・エロルディ

ジェイコブ・エロルディ
© Courtesy of Burberry

ヒースクリフを演じるのは、ジェイコブ・エロルディです。『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(2015)で、クレジット無しの端役ながら長編映画デビューしました。その後、3作制作されたNetflixの人気シリーズ「キスから始まるものがたり」のノア・フリン役で人気俳優へ。 2025年はギレルモ・デル・トロ監督が手掛ける『フランケンシュタイン』にて、メインの怪物役を演じることも決まっており、今後大注目の俳優です。

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監督は映画『バービー』出演のエメラルド・フェネル

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

本作で監督・脚本を託されたのは、女優としても活躍するエメラルド・フェネルです。初監督作品『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)でアカデミー賞脚本賞を受賞しており、その手腕に注目が集まります。 脚本家としては、「ジョン・ウィック」のスピンオフ作品「バレリーナ」(2025)を手掛けるなど、幅広く活躍。また、マーゴット・ロビーがプロデュース・主演を務めた『バービー』(2023)では、妊婦のバービー人形「ミッジ」を演じました。

1939年版の映画『嵐が丘』を解説

1939年公開の映画『嵐が丘』はエミリー・ブロンテが生み出した世界3大悲劇の1つと言われる小説を原作に、巨匠ウィリアム・ワイラーが映画化した名作です。

キャシー/ マール・オベロン

ヒロインのキャシーを演じたのはマール・オベロン。彼女は1911年2月19日にインドのボンベイで生まれました。イギリス人の父とインド人の母との間に生まれた彼女の最大の魅力はそのエキセントリックな顔立ち。その魅力が最大限に発揮される貴婦人や歴史上の人物を演じることが多かった女優です。 代表作は今作『嵐が丘』に加え、1933年の映画『ヘンリー八世の私生活』です。彼女は斬首刑となる王妃アン・ブーリンを熱演しました。1979年11月23日に満68歳で亡くなっています。

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ヒースクリフ/ローレンス・オリヴィエ

復讐に燃えるヒースクリフを演じたローレンス・オリヴィエは1907年5月22日生まれのイギリス人俳優。イギリスを代表する俳優だった彼は当初舞台俳優として大活躍をします。特にシェイクスピア作品に出演することが多かったため、シェイクスピア俳優とも称されました。 1948年には自身が監督・製作・脚本・主演を務める映画『ハムレット』が公開。彼は今作でハムレットを演じ、見事アカデミー賞主演男優賞を受賞します。 その後も1955年の映画『リチャード三世』で主演のリチャード三世を演じ英国アカデミー賞最優秀英国男優賞受賞、1969年の映画『素晴らしき戦争』でジョン・フレンチ卿を演じ、英国アカデミー賞助演男優賞受賞を果たしました。 1989年7月11日に腎不全のため死去しています。82歳でした。

エドガー・リントン/デヴィッド・ニーヴン

キャシーと結婚した上流階級のエドガーを演じたのはデヴィッド・ニーヴン。彼は1910年3月1日生まれのイギリス、ロンドン出身の俳優です。1958年に映画『旅路』でアンガス・ポロックを演じ、アカデミー賞主演男優賞受賞を果たしています。 多くの作品に出演したデヴィッドですが、彼を語る上で欠かせないのが「007」シリーズ。彼は1967年の映画『007 カジノ・ロワイヤル』で主人公のジェームズ・ボンドを演じました。なんと原作者のイアン・フレミングがジェームズ・ボンドを製作する際にモデルとしたのがデヴィッド・ニーヴンと言われています。彼は1983年7月29日に73歳でこの世を去りました。

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2026年『嵐が丘』マーゴット・ロビー含むキャストの演技に期待

2026年に公開が予定されている、新たな劇場作品『嵐が丘』。公開された特報映像からは、原作小説の激しい愛憎劇に、より官能的な雰囲気が加わっていることがうかがえます。 映画公開に合わせて、世界中で愛される原作小説『嵐が丘』を予習してみてはいかがでしょうか。