2025年10月9日更新

映画『ひゃくえむ。』小宮の走る理由とは?日本陸上を牽引するルーキーの覚悟や決勝戦の結末を解説

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ひゃくえむ 小宮
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

映画『ひゃくえむ。』における、トガシと対をなす“もう一人の主人公”が小宮です。 彼は、天才的なトガシとは対照的に、自身の弱さから逃れるために走り始めた少年でした。しかし、その走りはいつしか純粋な喜びから勝利への“執念”へと変わり、彼自身を苦しめていきます。 この記事では、そんな小宮の「走る理由」や苦悩の軌跡、そしてトガシとの運命のラストレースの結末までを、ネタバレありで詳しく解説します。

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映画『ひゃくえむ。』小宮はいじめられていた?小学生時代を解説

ひゃくえむ 小宮
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

映画『ひゃくえむ。』の小宮について、映画では周りと上手く馴染めない少年という形で描かれました。しかし、原作漫画では「おばけ」「ノロマ」というあだ名がつけられ、明確にイジメられています。トガシも小宮とは学校では話さなかった、と振り返っていました。 しかし、放課後のトガシとの特訓によって、走りの能力が上がっていた小宮。運動会ではトガシの応援もあり、コケながらも1位を奪取します。その日からいじめがなくなり、走りで世界が変えられることを知ったのです。

映画『ひゃくえむ。』小宮の100mへの覚悟とは?「なぜ走るのか」に迫る

ひゃくえむ
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

小宮の「走る理由」は各年代で大きく変わっています。トガシと初めて会った際には「現実より辛いことをすると現実がぼやける」ために意味もなく走っていました。 しかし、運動会での1位を経て「僕でも一瞬なら栄光を掴める」という、走りへの執着がにじみ始めます。そんな小宮に対して、周りは「陸上に殺される」「人生を大切に」という言葉を投げかけました。 高校生になった小宮を決定的に変えるきっかけとなったのが、絶対王者・財津の「人生なんてくれてやれ」という言葉。その後、陸上部部長の裏切りをきっかけに、甘さを捨て走りに身を捧げるようになるのです。 いつしか小宮に敵う相手もいなくなり、記録だけを追い求めるようになりました。

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映画『ひゃくえむ。』小宮は最後に優勝した?

ひゃくえむ トガシ 小宮
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

大人になり、日本陸上界のエースとなった小宮。終盤で描かれる日本陸上では、準決勝でまさかの海棠に負けて3位でフィニッシュ。かろうじて決勝に駒を進めるも、記録を気にしない海棠に負けたことで「何のために記録を求めているのか」と自問自答し始めます。 決勝当日、崖っぷちから復活したトガシが決勝へと戻ってきました。小宮はかつてのライバルに「僕らは何の為に走っているのか」と質問をぶつけます。トガシは「100mだけ早ければ全部解決する」と、少年時代に小宮が100mを始めるきっかけとなった言葉を投げかけたのです。 決勝レースではトガシの奮闘により、一進一退の攻防に。小宮は"勝利への執念"がまだ自分の奥底に眠っていることに気づき、がむしゃらにゴールを目指しました。2人の勝敗は描かれず「日本陸上優勝はーー」というセリフで物語は終演を迎えます。

映画『ひゃくえむ。』小宮の声優は染谷将太

ひゃくえむ。 小宮

映画『ひゃくえむ。』で小宮の声優を担当したのは、俳優の染谷将太です。これまで細田守作品『バケモノの子』(2015)や『すずめの戸締まり』(2022)で声優を務めており、2025年11月公開の『果てしなきスカーレット』にも出演が決まっています。 舞台挨拶では、本作について「この作品は陸上をやられている方はもちろんですが、そうではない方にも日々の生活の中で心のひだに触れる表現が感じられる作品」と語っていました。

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映画『ひゃくえむ。』小宮は“勝利への執念”を取り戻したスプリンター

ひゃくえむ トガシ 小宮
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

本記事では、映画『ひゃくえむ。』のもう一人の主人公、小宮を紹介しました。 トガシとの出会いをきっかけに“走る”ことに魅了され、いつしか記録に囚われる孤独なエースとなった小宮。しかし、最後のトガシとのレースで、心の底に眠っていた「勝ちたい」という純粋な情熱を取り戻します。 映画で描かれた小宮の心の軌跡に惹かれた方は、彼の苦悩や思いがより深く掘り下げられている原作漫画『ひゃくえむ。』も、ぜひ読んでみてください。