2025年11月7日更新

映画『見はらし世代』あらすじ・キャスト解説!26歳の監督が生み出した街・家族映画の新たな傑作

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映画『見はらし世代』ポスター
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

第78回カンヌ国際映画祭〈監督週間〉に日本人史上最年少の26歳で選出された団塚唯我が監督を務めるオリジナル長編『見はらし世代』が、全国公開となりました。 主演は黒崎煌代。共演に木竜麻生、遠藤憲一、井川遥ほか実力派が揃い、スクランブル交差点や円山町再開発など“現在進行形の渋谷”を背景に、ランドスケープデザイナーの父と家族の10年を見つめ直す新機軸の家族映画です。 この記事では本作のあらすじやキャストを紹介していきます。

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映画『見はらし世代』作品概要・あらすじ

本作は、渋谷駅前の桜丘エリアや円山町の再開発が進む都市のダイナミズムを切り取りながら、家庭という最小単位の“ランドスケープ”が崩れた一家の10年を描きます。 人の流れを設計し都市の在り方を左右する父と、置き去りにされた家族。都市が更新され続ける一方で、取りこぼされた時間と感情を、現在の渋谷の風景と重ね合わせて描写します。

映画『見はらし世代』あらすじ

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

胡蝶蘭の配送ドライバー・高野蓮は、渋谷の街を巡りながら過ぎ去った家族の時間を抱えて生きている。10年前、ランドスケープデザイナーの父・高野初は家族旅行の最中、建築コンペの知らせを受けて仕事場へ戻り、家族4人が揃う時間は途切れた。 国際的に活躍する初が7年ぶりに帰国し回顧展を準備していると知った蓮は、再会を望むが、姉・恵美は家族そのものに懐疑的だ。配達先で父を目撃した蓮は取り乱し、職を失う失態を招く。 それでも蓮は回顧展で父の軌跡と向き合い、父のマネージャーで恋人のマキの言葉に揺さぶられながら、10年前の起点──家族旅行で立ち寄ったサービスエリアでの“再会”を企てる。 一夜の邂逅が父と母、姉弟、そして新たな“特別な人”までを呼び寄せ、夜明けに彼らが見つける“家族の見はらし”が明らかになっていく。

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映画『見はらし世代』キャスト解説

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

高野蓮役:黒崎煌代

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

『さよなら ほやマン』で日本映画批評家大賞新人男優賞。『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(2025)など話題作が続きます。10年を経て父に向き合う青年を繊細に演じます。

高野恵美役:木竜麻生

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

『鈴木家の嘘』『わたし達はおとな』ほか。結婚や将来に揺れる長女として、家族に冷静な距離を置く視線を体現します。

高野初役:遠藤憲一

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

家族から離脱し著名なランドスケープデザイナーとなる父。野心と弱さ、ずるさを併存させ、断罪しきれない人物像を構築します。

高野由美子役:井川遥

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

表情を抑えた演出の中で、声と佇まいのみで“家族に落ちる影”を描きます。

佐倉マキ役:菊池亜希子

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

初のマネージャーで恋人。恵美に助言を与え、蓮に動揺をもたらすキーパーソン。

安藤明役:中村蒼

恵美の恋人。将来設計を巡る価値観のズレを浮かび上がらせます。

監督はカンヌ国際映画祭〈監督週間〉日本人史上最年少で選出・団塚唯我

映画『見はらし世代』団塚唯我監督
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

1998年、東京都生まれ。映画美学校修了。『愛をたむけるよ』が国内外映画祭で入選・受賞。ndjcで『遠くへいきたいわ』を監督。本作が初長編。第78回カンヌ国際映画祭〈監督週間〉に日本人史上最年少で選出されました。

映画『見はらし世代』は2025年10月10日より公開中

映画『見はらし世代』
©︎2025 シグロ / レプロエンタテインメント

都市は更新され続け、家族は置き去りになるのか。父の選択と母の受容、子どもたちの反応──どの地点から眺めれば“家族の姿”は見えるのかを問いかける、詩情とリアリティを兼ね備えた新機軸の家族映画です。 渋谷の“いま”を切り取りながら、失われた時間を見渡すように取り戻していく本作。日本映画にまた一つ、記憶に残る家族劇の傑作が生まれました。