映画『みんな、 おしゃべり!』あらすじ・キャスト解説!“通じない”からこそ見えてくる――言葉と人のドラマ
“日本手話×クルド語”という前代未聞の組み合わせで、言語と文化の衝突を描く映画『みんな、おしゃべり!』が、2025年11月29日に公開されます。 監督を務めるのは、『なんのちゃんの第二次世界大戦』(2021)で鮮烈な長編デビューを果たし、挑戦的なオリジナル企画で注目を集める河合健。 CODA(Children of Deaf Adults/ろうの親を持つ聴者の子ども)である河合監督が、自身の体験を背景に、「言葉が違うからこそ分かり合える」という逆説的な希望を描きます。 本作は、ろう者の家族と在日クルド人一家との“誇り高き小競り合い”を軸に、言語や文化の違いを超えて人がどうつながるのかを問う、異色の人間ドラマ。タイトル通り“みんな、おしゃべり!”な人々が巻き起こす、にぎやかで切実な“言葉の大合戦”が幕を開けます。 この記事では本作のあらすじやキャストを一挙に紹介します。
映画『みんな、 おしゃべり!』作品概要・あらすじ
舞台は埼玉県のとある地方都市。電器店を営む古賀家の父と弟はろう者、娘の夏海だけが聴者。ある日、近所に越してきたクルド人一家との間で、些細な誤解からトラブルが発生する。ろう者とクルド人――異なる言語と文化をもつ二つの家族の対立に巻き込まれた夏海は、通訳として奔走することになるが、事態は思わぬ方向へ。 日本手話とクルド語、そして新しい言葉がぶつかり合う中で、人々は次第に“話すこと”の意味を問い直していく――。
映画『みんな、 おしゃべり!』あらすじ

電器店を営む古賀家は、ろうの父・和彦と弟・駿、聴者の姉・夏海の3人家族。ある日、街に新しく越してきたクルド人一家との間で、小さな誤解が対立に発展する。 両者の通訳を務めることになった夏海と、クルド人一家で唯一日本語を話せる青年・ヒワは、対立を鎮めようと奔走するが、次第に事態はこじれていく。 やがて、駿が描いた“謎の文字”が街全体を巻き込む出来事へと変化。通じない言葉の中で、夏海とヒワは次第に惹かれ合いながらも、家族と街の分断に直面する。「言葉とか、どうでもよくなんない?」とつぶやく夏海の言葉が示すように、物語は“理解”と“誤解”のあわいを軽やかに行き来しながら、意外な結末へと向かう――。
映画『みんな、 おしゃべり!』キャスト解説

夏海役:長澤樹

映画『愛のゆくえ』で注目を集めた若手俳優。聴者でありながら手話を使って家族と生きるCODAの少女を繊細に演じる。
和彦役:毛塚和義

西日暮里でラーメン店「麺屋義」を営む実在のろう者。演技初挑戦ながら、ろうの父親として強い存在感を放つ。
和彦の友人・竹田役:那須英彰・今井彰人
それぞれドラマ『デフ・ヴォイス』、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』などで聴覚障害をテーマにした作品に出演。日常と社会の間で揺れるろう者たちのリアリティを支える。
団体職員・沖田役:板橋駿谷
『今日から俺は!!』(ドラマ)、『ある男』(映画)などで印象を残す個性派俳優。本作では街の再開発に関わる行政職員を演じ、物語の社会的側面を補強する。
ろう学校の教師・山際役:小野花梨
『ドクターX』『世界の終わりから』などで知られる。教育現場から見た“言葉の壁”を象徴するキャラクターとして登場。
ヒワ役:ユードゥルム・フラット
2003年生まれ、トルコ出身のユードゥルム・フラットが物語の要となる青年ヒワを演じる。本作で映画初出演。2025年、舞台演劇ハロルド・ピンター作『ノーマンズランド』(オクシモロンシアタークラブ第1回公演)出演。
監督・脚本を務めるのは河合健

『なんのちゃんの第二次世界大戦』(2021)で注目を浴びた新鋭監督。自身もCODAとして育った経験を持ち、言語・文化の壁を超えるテーマをリアルに描きます。「“言葉が違う”ということを、問題ではなく“きっかけ”として描きたかった」と語っています。
映画『みんな、 おしゃべり!』は2025年11月29日公開

言葉が通じないからこそ、人は心で話す――。『みんな、おしゃべり!』は、日本手話とクルド語、そして“まだ名前のない言葉”が織りなす、人と人の再生の物語です。 笑って、もめて、泣いて、また話す。“おしゃべり”が止まらない人々の群像劇が、静かに、しかし確実に観客の胸を打ちます。 映画『みんな、おしゃべり!』は、2025年11月29日公開です。