映画『しびれ』あらすじ・キャスト解説！北村匠海×宮沢りえで贈る2026年注目のヒューマンドラマ

『佐々木、イン、マイマイン』『若き見知らぬ者たち』で数々の映画賞新人賞を受賞した内山拓也監督。現実に抗いながらも前へ進もうとする若者を描いてきた内山監督が、自身の故郷・新潟を舞台に、居場所を求め続けたひとりの少年の人生を20年にわたり描く渾身の自伝的映画『しびれ』を完成させました。 本作は第26回東京フィルメックス・コンペティション部門に選出された唯一の日本映画であり、国内外で期待が高まっています。 この記事では映画『しびれ』のあらすじやキャスト情報を紹介していきます。

映画は、孤独と貧困、家族への愛と憎しみ、自らの居場所を求め歩き続ける少年・大地の20年を描いた物語です。

曇天に覆われ、荒波がうねる日本海沿いの町・新潟。少年・大地は、幼少期に暴君のようだった父の影響で言葉を失い、母・亜樹とふたりでプレハブの家で暮らしています。母は水商売で日銭を稼ぎながらも家に戻る時間は少なく、生活は苦しいものでした。 やがてふたりは叔母の家に身を寄せますが、大地はどこにも居場所を見つけることができず、孤独のなかで内気さを深めていきます。そんな中、大地は父の行方を求めて生家へ向かうことを決意します。これを機に彼の人生は大きく揺らぎ始めます。 心の寄るべなき貧困。誰にも見つからぬように息を潜めて生きる孤独。憎しみと愛がせめぎ合う母への複雑な感情。抗えない現実の中でも、大地は一歩ずつ前へ進んでいきます。 そして彼は、20年の歳月を経て、息をのむような“大きな愛”を知ることになります。本作では徹底して“少年の視点”から描かれ、大地の目を通して世界の美しさと残酷さを見つめる構成となっています。

どこにも居場所がなく孤独を抱えながら成長した青年期の大地を演じます。父への静かな怒り、母への憎しみと愛という相反する感情に揺れる内面を繊細に体現しています。

大地の母。水商売で稼ぎながらも、世間からは育児放棄と見られる生活を送っています。荒んだ日常のなかにも息子への深い愛情がにじむ、複雑で繊細な母親像を演じます。

大地の父。幼少期の大地を追い詰める暴君としての姿と、時を経て威厳が失われた悲哀に満ちた男の姿を、圧倒的な存在感で演じています。

内山拓也は『佐々木、イン、マイマイン』で新藤兼人賞をはじめ多くの新人賞を受賞し、その後『若き見知らぬ者たち』でも高く評価された新鋭監督です。 本作『しびれ』は、内山監督が商業デビュー以前から十年以上書き続けてきたオリジナル脚本で、最も個人的な作品。 自身の故郷・新潟を舞台に、少年の視点から“居場所を探し続ける人生”を描き出し、監督自身の原点に迫る渾身の一作となっています。 徹底して被写体に寄り添う演出で、雪に閉ざされた新潟の風景と、大地の胸に宿る孤独や小さな希望を丁寧に救い上げています。

『しびれ』は、居場所のない孤独な少年が、20年の歳月を経て“愛”にたどり着くまでを描く、内山拓也監督の自伝的映像作品です。 厳しい現実の中で揺れ動く感情、雪国の冷たさと温もり、そして確かな愛へ到達する瞬間が、観る者の胸に深く刻まれます。 日本映画として唯一、東京フィルメックス・コンペティション部門に選出された本作は、2026年の邦画界において大きな話題を呼ぶ作品となることが期待されています。