【ネタバレ】映画『This is I』はるな愛の実話は原作ではどう描かれている?流れる歌も紹介
はるな愛と彼女の人生を変えた医師・和田耕作の知られざる物語を描いたNetflix映画『This is I』が2026年2月10日より配信が開始されました! この記事では、『This is I』のネタバレ感想や見どころ、主演に抜てきされた俳優・望月春希のプロフィールまで、詳しく解説します。また、『This is I』は現実やはるな愛によるエッセイとはどのように違うのかなど気になる点も考察していきます。
Netflix映画『This is I』作品概要・あらすじ【ネタバレなし】
| タイトル | 『This is I』 |
|---|---|
| 公開日 | 2026年2月10日(Netflixより世界独占配信) |
| 監督 | 松本優作 |
| 脚本 | 山浦雅大 |
| キャスト | 望月春希 , 斎藤工 |
| 原作 | なし 参考:はるな愛『素晴らしき、この人生』(講談社) , 和田耕治・深町公美子『ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語』(方丈社) |
『This is I』のあらすじ
2008年、「エアあやや」で脚光を浴びたはるな愛(望月春希)。その輝かしい笑顔の裏には、アイドルを夢見ながらも、自身の性と心の不一致に苦しみ続けた少年時代がありました。 世間の偏見と孤独の中で生きる大西賢示の運命を変えたのは、医師・和田耕治(斎藤工)との出会い。当初は性別違和を持つ人々の悩みを知らなかった和田でしたが、賢示の言葉に触れ、当時の医療界でタブー視されていた性別適合手術への挑戦を決意します。 本作は、自分らしさを探し求めた人間たちの実話ドラマ。医師と患者という枠を超え、共に「本当の自分」として生きる権利を勝ち取ろうとした、2人の勇気と再生の軌跡が描かれます。
【ネタバレ】Netflix映画『This is I』ラストまであらすじ解説
いじめを受ける幼少期の「ケンジ」

幼いころからアイドルにあこがれて育ったケンジ。彼は話し方や仕草も女性っぽく、周囲の男の子たちからからかわれていました。 中学に上がるころにはいじめは激しさを増し、ケンジは地獄の苦しみを味わいます。先生に相談すると「ナヨナヨしないで男らしく」と言われていましました。 ケンジはある日、繁華街で不思議な人物を目にし、あとをついていきます。ケンジが魅了されたのはニューハーフのアキでした。「アイドルになりたい」というケンジに、「あんたがここでなれるのはニューハーフや」と言いながら、アキは面倒を見ると約束してくれます。 一方、和田医師は医者の存在意義に疑問を持っていました。命は助かったからと顔が抉れたまま治療が終了し、絶望する患者を見た彼は、「“命を救う”とはどういうことなのか」と自問します。
少年時代のいじめは本当につらかっただろうな。でもこのときすでに「普通にしてるだけなのに」と「自分にはこれが普通」という感覚がしっかりあったケンジは強い。
アイと和田医師の出会い

あるとき、店の先輩からおつかいを頼まれて和田のクリニックを訪ねたケンジは、診察室から聞こえる怒鳴り声に恐れをなして店のカードだけ置いて帰ってきてしまいます。 そのころにはケンジは第二次性徴を止めるため、副作用の強いホルモン剤を常用するようになり、常に吐き気に襲われていました。そんななか、「アイ」としてデビューすることが決定します。 アイのデビューの夜、和田が店にやってきました。ステージに立つアイに魅了された和田は彼女に「どこまでもまっすぐで、輝いていた」と称賛します。するとアイは和田に睾丸摘出手術を頼みました。和田は、手術は優生保護法違反になる可能性があり「捕まった医者もいる」と拒否。 しかしその後、思い直した和田は、アイの手術を引き受けることにします。
アイと和田先生の運命の出会い!ホルモン剤の副作用でつらい思いをしていたアイだけど、あの年齢から薬飲んでたからはるな愛は華奢な体型なのか。しかし初対面で突然「タマ取ってください」はびっくりする。
アイとタクヤの恋

アイはショーパブで出会ったタクヤと恋に落ち、一緒に暮らすようになります。ラブラブな2人でしたが夜の営みはうまくいかず、アイは悩んでいました。ついに彼女は和田にペニスの除去と膣形成手術を依頼します。 和田はアイと同じように性別違和に悩む人々の間で人気の医師となりますが、その一方で誹謗中傷を受け、警察からも目をつけられるようになってしまいました。 性別適合手術について入念に下調べをした和田は「君の命を奪うかもしれないが、男の体でいれば、君の心を殺すことになるかもしれない」とアイの手術を引き受けることを決意しました。 手術は無事に成功し、アイはついに女の体を手に入れます。しかしタクヤの家族からは「子どもができないからタクヤと別れてほしい」と迫られてしまいました。
「心を救う」ことが「命を救う」ことにつながると気づいた和田先生の覚悟。手術が成功して本当によかった。タクヤの家族の言うこともわからなくもないが、アイはすごく傷ついただろうな。
母との和解

アイの手術を成功させた和田は、その後も数々の手術をこなしていきます。そのなかで膣形成手術のあと患部の癒着を防ぐシリコンの必要性を感じ、企業とともにその製作に取り組みはじめました。 一方、アイは祖母が亡くなったとの知らせを受けて実家に行きます。そこで弟から祖母は「“ケンジ”は強い子や」「自分の好きなように生きることができる」と話していたと聞かされ、タクヤと別れて上京することを決意します。 しかし東京での日々はうまくいきません。そんななか、父との離婚を決意した母がアイに会いに来ました。そこで母は「あんたもわかるやろ、女心や」「昔から女やったんやろ、隠さんでええ」とアイに声をかけます。こうして2人は和解しました。
“ケンジ”の本質を見ていたおばあちゃんと、葛藤はありながらもアイを受け入れたお母さん。お父さんのときもそうだったけど、親は言われなくてもわかっているものなのかもしれない。家族に受け入れられたことで、アイはさらに強くなった感じがする。
和田医師と警察の対立

ところがある日、和田の手術で死亡事故が起きてしまいます。刑事の鶴久は「正当な医療行為か決めるのは国だ」と言いますが、和田は「医療は国ができる前から存在している。負けるわけにはいかない」と反論します。 一方、芸能の仕事がなかなか取れないアイはバーで常連客のアドバイスを受けて、口パクのパフォーマンスをやってみることにします。するとそれを目にしたテレビ関係者から、テレビ出演の依頼が来ます。 そんなある夜、和田がアイが働くバーにやってきました。自分がしてきたことは正しかったのか悩む彼に、アイは「正しかったに決まってる!」と断言。その後、アイドルを目指していたアイは新しい道を探すことにし、和田は手術を再開しました。
まだ理解がなかった時代とはいえ、トランスセクシュアルの人に対する刑事・鶴久の言い草はひどい。そんな世間に負けまいと必死に立ち向かった和田先生は本当にすごい!
和田医師とアイの結末は?

アイは松浦亜弥の「ね〜え?」(2003年)や「Yeah! めっちゃホリディ」(2002年)のライブ映像を含む口パク芸をテレビで披露し、彼女の口癖「言うよね〜」も流行語大賞にノミネートされるなど、人気者になっていきます。 一方、寝る間も惜しんで数々の手術を行っていた和田は不眠症になり、麻酔を使って眠るようになっていました。そしてある日、麻酔の量を間違えたのか、二度と目を覚ましませんでした。 和田の死を受けて、アイは「もっと輝いたところを先生に見せたい」とミス・インターナショナル・クイーンへの出場を決意。大会でのパフォーマンス中、アイは客席に和田の姿を見ます。そして2009年、彼女は世界一のトランスウーマンに輝きました。帰国したアイは、和田の墓前に優勝報告に行きます。 エンドロール前には、はるな愛の実際のミス・インターナショナル・クイーンでの映像が流れ、和田耕治医師が生涯で600人もの性別適合手術を行ったと示されます。
2人の絆と、それぞれお互いがいたから自分の進む道を見出していけたことが尊い。和田先生は本当にトランスジェンダーの人たちのために、生涯を捧げたんだね。その恩を胸に、輝いたはるな愛のミス・インターナショナル・クイーンでの姿にも感動!
はるな愛の自伝『素晴らしき、この人生』や現実と『This is I』の違いは?
和田先生は実在した医者!「捕まった医者」とは?

はるな愛の自伝『素晴らしき、この人生』(講談社)では、彼女の手術を担当したのは「ウエダ先生」と本名は伏せられています。しかし同書の刊行以前からはるな愛は、その医師が多くのトランスジェンダーの人々に性別適合手術を行ってきた和田耕治医師であることを明らかにしていました。 作中で和田は「捕まった医者もいる」と発言しています。これは1964年に性別適合手術を行った医師が手術前に充分な診察を行わなかったとして優生保護法違反で逮捕され、有罪判決を受けた「ブルーボーイ事件」を指していると思われます。 また和田医師は2002年1月に美容整形手術に伴う死亡事故を、2月には性別適合手術に伴う死亡事故を経験しています。
タクヤの家族と会うシーン
タクヤの家族から「子どもができないのだから、タクヤと別れてくれ」と言われ、タクヤのためを思って別れを決意したアイ。 彼との別れをきっかけに上京したのは現実通りではありますが、実際にはそのときすでにはるな愛は「ニューハーフタレント」としてテレビに出演しており、タクヤの家族にもテレビを通して知られていたそうです。 映画ではこのあたりの時系列が、かなりシンプルにまとめてあります。
母との和解

映画のなかでアイは喫茶店で父にカミングアウトし、父は母には言わないでおこうと言います。しかし自伝によると、実際にはその夜、父と母の間で家族会議があったようで、翌日から母ははるな愛を無視するようになったとか。映画ではそのあたりがかなりマイルドに描かれています。 また『This is I』では、母は東京までアイに会いに来ますが、実際にははるな愛がタクヤと同棲していたころ、父から暴力を受けて家を出た母と3人で暮らしていた時期があったそうです。
実際にはるな愛の人生を変えた人たちが映画にも出演

『This is I』には、実際にはるな愛の人生に大きな影響を与えた人々が出演しています。 わだクリニックの看護師・清宮裕子役を演じたMEGUMIは、はるな愛に、現在の彼女の所属事務所であるサンズエンタテインメントを紹介しました。 またテレビディレクター役で“愛情出演”した藤原紀香は、以前からはるな愛を妹のようにかわいがっているとか。彼女ははるな愛から『This is I』の製作が決定したと報告を受けた際に「もしよかったら出てほしい」と言われ、二つ返事で快諾。「ただし、あなたを応援する役で」という条件をつけたそうです。
現実に沿った設定もたくさん
『This is I』には、現実と同じ設定が数多く登場しています。 映画では「アイ」の本名は「ケンジ」となっていますが、実際にも「はるな愛」の本名は「大西賢示」で、現実に沿った設定となっています。 またラストシーンでは、アイが話題師の墓前で「My Revolution」を踊って「ミス・インターナショナル・クイーン」で優勝したことを報告していますが、実際にもはるな愛は現在も恩人の墓参りをつづけているそうです。
『This is I』キャスト・登場人物解説
大西賢示役/望月春希

はるな愛こと大西賢示を演じるのは、オーディションで主役を勝ち取った望月春希(もちづきはるき)。2007年生まれの18歳です。 ドラマ「恋をするなら二度目が上等」シリーズに出演。2025年には、漫画原作の演劇『ライチ☆光クラブ』で雷蔵役を演じ、ファンからは「かわいすぎる!」「完璧に解釈一致」など、すぐさま注目を浴びました。 また、「気になる10代名鑑」のインタビューでは、幼少期から手掛けている美しいアート作品の数々も紹介しています。
和田耕治役/斎藤工

はるな愛の性別適合手術を行うことになる医師・和田耕治を演じるのは、俳優・斎藤工(さいとうたくみ)です。 2022年に配信されたドラマ『ヒヤマケンタロウの妊娠』で主役を演じたほか、『極悪女王』(2024年)や『新幹線大爆破』(2025年)など、数々のNetflix作品に出演しています。 古くからの友人であるお笑い芸人・永野の初監督作品『MAD MASK』(2025年)への出演でも話題になりました。
『This is I』見どころを解説
はるな愛の知られざる人生が映画化
ジェンダーへの理解が今ほど浸透していなかった時代。お茶の間を沸かせたはるな愛は、その満面の笑顔の裏に誰にも見せない孤独や偏見との戦いがありました。 本作最大の見どころは、はるな愛の知られざる苦悩と、そんな彼女に光を与えた医師・和田耕治との絆の物語。シリアスなテーマを扱いながらも、歌やダンスを盛り込み、笑いあり涙ありの「エンターテインメント」として、鮮やかに描き出しています。
主演は18歳の新星・望月春希
主演には、トランスジェンダー当事者も含む難関オーディションを勝ち抜いた新星・望月春希が大抜てきされました。参加者の中でも突出した感情表現と存在感を見せつけられた選考スタッフが、満場一致でその可能性に賭けた逸材です。 松本優作監督は「オーディションで大抜擢された主演の望月春希さんがとにかく凄まじいです。(中略)最高の俳優とスタッフが情熱を込めて創り上げた渾身の一作です」と、コメントしています。 もともと40kg前後の細身の体型だった望月は、ドレスの似合うふっくらした柔らかい体つきと、ステージを支える生命力を表現するため、10kgほど増量したのだとか。
異色の「“エア”ミュージカル」
本作は既存の曲を使いながら、登場人物は口パクでミュージカルシーンを演じる“エア”ミュージカルとなっているのが特徴です。これは、はるな愛が大ブレイクするきっかけとなった「エアあやや」などの口パク芸に重ね合わせた演出です。 アイが思春期を過ごした1980年代のポップソングが多く使われており、ダンスは「バブリーダンス」で大人気となった大阪府立登美ヶ丘高校ダンス部や、ダンスグループ「アバンギャルディ」のプロデュースで知られるakaneが振り付けを担当しています。
性別関係なく誰もに刺さる「自分らしさ」というテーマ

『This is I』のアイは、どんな逆境においても「自分らしさ」を貫き通していました。好きな服を着て、歌って踊ること。まっすぐに自分のやりたいことに向かい、なりたい自分になろうともがく様子は、性別を超えて、多くの人の胸を打ちます。 はるな愛の半生を描いた本作は、多くの「自分らしく」生きたい人に勇気を与える作品となっています。
エアミュージカルで使われた曲をシーンと共に解説
| 山下久美子「赤道小町ドキッ」(1982年) | ケンジが赤いドレスを着て商店街を歩くシーン |
|---|---|
| 中森明菜「スローモーション」(1982年) | 和田医師がアイのステージを見るシーン |
| チェッカーズ「あの娘とスキャンダル」(1985年) | アイとタクヤの同棲生活のハイライトシーン |
| TRF「survival dAnce ~no no cry more~」(1994年) | 車でタクヤの実家に向かうシーン |
| 松田聖子「チェリーブラッサム」(1981年) | 和田医師が性別適合手術の研究をするシーン |
| 杏里「オリビアを聴きながら」(1978年) | アイがタクヤとの別れを決意し、上京するシーン |
| 松田聖子「SWEET MEMORIES」(1983年) | 東京の家で母と和解するシーン |
| 松浦亜弥「ね〜え?」(2003年)、 「Yeah! めっちゃホリディ」(2002年) | バーのカウンターで客に口パク芸を披露するシーン |
| 渡辺美里「My Revolution」(1986年) | 和田医師の墓前でミス・インターナショナル・クイーンで優勝したと報告するラストシーン |
『This is I』はるな愛の実話を描いた映画をネタバレ解説
はるな愛の自伝的映画『This is I』は、2026年2月10日よりNetflixにて独占配信スタート! 笑顔の裏にある苦悩や医師との絆の物語はもちろん、監督を唸らせた新星・望月春希の圧倒的な演技にも注目です。笑いと涙で贈る愛と再生の物語を、ぜひその目で見届けてください。



