映画『廃用身』あらすじ・キャスト解説!染谷将太主演で久坂部羊の衝撃の医療小説を実写化
映画『廃用身』は、「映像化、絶対不可能!」と話題を呼んだ現役医師作家・久坂部羊の衝撃作を原作に、染谷将太主演で映画化する問題作です。 医療の理想を追い求めるひとりの医師が、合理性と狂気の狭間へと踏み込んでいく姿を通して、老齢期医療、介護、そして倫理の境界線を鋭く問いかけます。 この記事では映画『廃用身』のあらすじやキャスト情報を紹介していきます。
映画『廃用身』作品概要・あらすじ【ネタバレなし】
本作は、医療と介護の現場に潜む“善意”が、どこで狂気へと転じるのかを描いた社会派サスペンスです。 高齢化社会の未来を直視するように、観る者に重い問いを突きつけます。
映画『廃用身』あらすじ
ある町のデイケア「異人坂クリニック」に通う高齢者たちの間で、院長・漆原糾が考案した“画期的な治療”が密かに広まっていきます。それは、麻痺などにより回復の見込みがない手足、いわゆる〈廃用身〉をめぐる、従来の医療常識を覆すものでした。 治療を受けた患者たちからは、「身体が軽くなった」「心まで穏やかになった」といった、予想外の“好ましい副作用”が語られます。噂を聞きつけた編集者・矢倉は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、漆原に本の出版を持ちかけます。 しかし、デイケアを巡る内部告発が週刊誌に流出し、さらに患者宅で起きた衝撃的な事件をきっかけに、事態は一気に暗転していきます。 漆原が描く“理想の未来”とは、一体何なのか。医療と倫理の境界線が、静かに、しかし確実に崩れ始めます。
映画『廃用身』キャスト解説

漆原糾役/染谷将太

医療の限界を超えたいという理想を掲げ、老齢期医療の新たな可能性を追い求める医師・漆原を演じます。合理性と狂気が表裏一体となった人物像を、怪演とも言える圧倒的な存在感で体現します。
矢倉俊太郎役/北村有起哉

漆原の治療に革命の可能性を見出し、本の出版を持ちかける編集者を演じます。理知的でありながらも、倫理と成果の間で揺れる視点を物語に与えます。
岩上武一役/六平直政
両脚と左腕の麻痺に苦しみながらも、漆原の治療によって人生を取り戻した患者を演じます。治療の“成果”を象徴する存在として、物語に強烈な説得力をもたらします。
漆原菊子役/瀧内公美

漆原を支える妻・菊子を演じます。夫の理想と狂気を最も近くで見つめる存在として、家庭の視点から物語の歪みを浮き彫りにします。
監督は吉田光希

監督・脚本を務めたのは吉田光希です。東京造形大学在学中より諏訪敦彦に師事し、塚本晋也作品での現場経験を経て、『家族X』(2010)、『三つの光』(2017)で国際映画祭から高い評価を受けてきました。 本作は、吉田監督が学生時代に原作と出会って以来、20年にわたり温め続けてきた渾身の企画です。現役医師による原作のリアリティと、映画作家としての鋭い視点が融合し、観る者の価値観を根底から揺さぶる作品へと昇華されています。
映画『廃用身』見どころ解説
『廃用身』最大の見どころは、「善意」と「合理性」が、いかに容易く暴走し得るのかを冷静かつ不穏に描き切っている点です。 特報映像では、一見穏やかな高齢者ケアの風景が、わずかな違和感を積み重ねながら戦慄へと変貌していきます。また、第48回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞した世武裕子による音楽が、不気味なピアノの旋律で物語を侵食し、善と悪の境界線を曖昧にしていきます。 医療、介護、倫理という重いテーマを、観客自身の問題として突き返す構成が強烈な余韻を残します。
映画『廃用身』は2026年5月公開

『廃用身』は、高齢化社会の未来を前に、私たちが目を背けてきた問いを真正面から突きつける作品です。 「正しさ」とは何か、「救い」とは誰のためのものなのか。 観る者によって評価が大きく分かれるであろう本作は、賛否を含めて語られるべき問題作として、強烈な印象を刻み込みます。 医療の理想が導く“その先”を、ぜひ劇場で見届けてください。