2026年2月18日更新

『犬神家の一族』全編ネタバレあらすじ解説!スケキヨのマスク姿の正体とは

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『犬神家の一族』(1976年)
©1976 角川映画

横溝正史の「金田一耕助」シリーズのなかでも、人気の1作として知られる『犬神家の一族』。これまでに映画・ドラマあわせて6度も映像化され、多くの人に愛されています。 この記事では、『犬神家の一族』のネタバレあらすじと、白いゴムマスクが印象的な犬神佐清(いぬがみ すけきよ)について紹介します。

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『犬神家の一族』あらすじ【ネタバレなし】

『犬神家の一族』
(C)KADOKAWA 1976

犬神財閥の当主・犬神佐兵衛が莫大な遺産を残して死去しました。犬神家の顧問弁護士を務める古館の法律事務所に務める若林は、「近々犬神家で事件が起こりそうなので、調査してほしい」と金田一耕助に依頼します。 一族がそろった場で公開された遺言の内容は、佐兵衛の3人の孫のなかから1人と結婚することを条件に、恩人の孫・珠世に全財産を相続させるというものでした。 その結果、もともと反目していた家族の対立は激化し、次々と殺人事件が起きはじめます。

『犬神家の一族』全編ネタバレ解説!マスク姿の佐清(すけきよ)の正体は

奇妙な遺言状

『犬神家の一族』(1976年)
©1976 角川映画

信州財界の大物・犬神佐兵衛が、巨額の財産を遺して他界。遺言は親族全員がそろった場で公開するとのことで、一族は長女・松子の息子である佐清の復員を待つことに。 その後、佐清がビルマから戻り遺言書が公開されるというとき、一族の顧問弁護士である古館の法律事務所に勤める若林は「犬神家で事件が起こりそうなので、調査をしてほしい」と金田一耕助に依頼します。しかし金田一が犬神家に到着すると、若林は何者かによって毒殺されてしまいました。 佐兵衛の遺言の内容は、彼の孫である佐清、佐武、佐智のうち誰かと結婚することを条件に、佐兵衛の恩人である野々宮大弐の孫・珠世に犬神家の家宝「琴」「菊」「斧」の3つすべてを相続させるというものでした。

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琴(こと)・菊(きく)にまつわる殺人事件が起こる

さらに珠世が相続権を失うか死んだ場合、佐兵衛の愛人の息子・青沼静馬が遺産の5分の2を相続し、残りを佐清たちで分けるとあり、佐兵衛の3人の娘は怒りと憎悪を募らせます。 珠世の愛を得ようと争いが始まるなか、顔に大火傷を負いゴムマスクをつけた佐清は、別人ではないかと疑われ、本人確認を迫られますが松子は頑なに拒否します。 そんななか、佐武の生首が菊人形の首とすげ替えられる事件が起きます。すると松子はなぜか態度を変え、佐清の本人確認を承諾。ゴムマスクの男は手形で佐清本人と確認されました。 その後、佐智が珠世を襲おうとして何者かに絞殺され、その首には琴の弦が巻き付いていました。

斧(よき)にまつわる新たな事件

佐兵衛の娘である松子、竹子、梅子は青沼静馬にまつわる秘密を明かします。30年前、佐兵衛は青沼菊乃にのめり込み、3つの家宝を渡してしまいました。3姉妹は菊乃を襲い、家宝を取り戻すと同時に「静馬は佐兵衛の子どもではない」と一筆書かせたのです。 その後、金田一は橘署長からの電話で目を覚まし、ホテルの窓から湖を見るように言われます。すると凍った湖の氷面から逆さまになった人の下半身が突き出ていました。 死体の顔はひどく潰されていましたが、これは佐清の死体で、彼の名前の後半「きよ」を逆さにして斧(よき)に見立てた殺人でした。

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佐清(すけきよ)のマスク姿の真相とは

その後、金田一は佐清の死体の手形をとり、以前に本人確認に使った手形と比べます。結果は不一致。実は死んだのは佐清ではなく、静馬だったのです。 戦地で出会った佐清と静馬は、自分たちの顔がそっくりなことに驚き、お互いの素性を知ります。過去のことは水に流して戦友になろうと誓った2人でしたが、復員した佐清は、静馬が一足先に自分の名を騙って犬神家に入り込んでいると知りました。 金田一の推理で、一連の事件の犯人は松子だったことが明らかになります。しかし佐清と静馬は彼女に容疑が向かないよう、細工をしていました。罪を告白した松子は服毒自殺します。 佐清は静馬殺害の罪で逮捕され、彼に想いを寄せる珠世はその出所を待つことになります。

『犬神家の一族』スケキヨの足やマスク姿は屈指の名シーン

『犬神家の一族』(1976年)
©1976 角川映画

『犬神家の一族』を観たことがない人でも一度は目にしたことがあるであろう、湖から逆さまに脚が突き出した死体は、非常にアイコニックです。 これは「スケキヨ」の名前を逆さまにして「ヨキ(斧)」に見立てた判じになっていますが、映像作品では凶器が斧であったりと、判じの意味がなくなっているものも多く見られます。 また、原作では佐清のマスクは美男だった彼の顔そっくりに作られているとありますが、映像作品では、のっぺりとした不気味なマスクになっていることがほとんどです。そのインパクトも『犬神家の一族』の魅力の1つですね。

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『犬神家の一族』の歴代映画/ドラマの結末に違いはある?

1976年の市川崑監督による映画版をはじめ、『犬神家の一族』は映画が3作、ドラマが8作と合計で11回も映像化されています。 どの作品も一連の事件の犯人は犬神松子で共通しており、違いはありません。しかし原作ではラスト直前に登場する青沼菊乃の正体については、すでに故人となっていたり、登場しなかったりとカットされている作品が多いです。 また2023年のNHK版では、静馬が登場しないなどの改変がされています。

『犬神家の一族』は11回も映像化された和製ホラーミステリーの傑作

『犬神家の一族』(1976年)
©1976 角川映画

映画やドラマ本編を観たことがない人でも、スケキヨのマスクや死体とともにタイトルは知っているであろう『犬神家の一族』。不気味な雰囲気と一族の血みどろの遺産相続、愛憎劇が幅広い世代から支持され、11回も映像化されている和製ホラーミステリーの傑作です。 しかし実は原作を忠実に再現している作品が少ないのも事実。それぞれの作品で解釈や登場人物の設定が違っているので、見比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。