2026年3月21日更新

『悪魔の手毬唄』ネタバレあらすじ解説!伝承になぞらえて起こる連続殺人の愛憎悲劇がドラマ・映画で描かれる

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『悪魔の手毬唄』横溝正史

これまで数々のドラマ・映画で映像化されてきた横溝正史の推理小説『悪魔の手毬唄』。この記事では、人気シリーズ「金田一耕助」の1作である小説『悪魔の手毬唄』のあらすじをネタバレありで解説し、おすすめの映像化作品について紹介します。

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『悪魔の手毬唄』あらすじ【ネタバレなし】

静養のため、岡山県警の磯川警部に紹介された湯治場「亀の湯」を訪れた金田一耕助。湯治場は岡山の人里離れた鬼首(おにこうべ)村にあり、ここでは由良家と仁礼家という2つの旧家が対立していました。 金田一は磯川警部から、鬼首村で23年前に殺人事件があったという話を聞きます。そんな中、村の娘たちが次々と殺害される事件が発生。村に伝わる「手毬唄」になぞらえて殺されていることがわかり、金田一は過去の殺人事件との関連に気付きます。

『悪魔の手毬唄』全編ネタバレ解説

鬼首村(おにこうべむら)を訪ねる金田一

悪魔の手毬唄
(C)KADOKAWA/日本映画放送

静養のために、岡山県警の磯川警部から紹介された温泉宿「亀の湯」に滞在することになった金田一耕助。亀の湯は岡山の寒村「鬼首村」にあり、金田一は磯川警部からここで23年前に殺人事件があったことを聞きます。磯川警部はこの殺人事件の遺体が顔を焼かれていたことから、殺された被害者が本当にその人物なのか疑っていました。 この事件の発端は村の有力旧家の由良家と仁礼家の対立が深まるきっかけとなった詐欺事件であり、亀の湯の女主人・青池リカは夫の源治郎を詐欺師の恩田幾三に殺されていました。変わらず由良家と仁礼家の対立が続く中、鬼首村出身で恩田幾三の遺児と噂される人気歌手の大空ゆかりが帰郷します。

漏斗を口にして死亡した泰子が見つかる

リカには息子の歌名雄と娘の里子がおり、歌名雄は由良家の娘・泰子と交際していました。仁礼家の娘・文子は歌名雄に想いを寄せており、泰子に嫉妬していましたが、父・嘉平は歌名雄との縁談を持ち込みます。 大空ゆかりは本名を別所千恵子といい、鬼首村の鍛冶屋「別所家」の出身。幼少時は恩田が父親であることから、人殺しの詐欺師の子どもとして迫害を受けていました。 帰郷したゆかりの歓迎会が催されますが、ゆかりと元同級生として出席するはずだった泰子の姿がなく、徹夜での捜索が行われます。村の滝つぼで遺体となって発見された泰子の口には漏斗が差し込まれており、滝つぼの水が注ぎ込まれるように細工されていました。

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手毬唄になぞらえて起こる連続殺人

泰子の通夜が行われた晩に、今度はさらに文子が行方不明に。その翌朝、文子は村の葡萄酒工場の中で遺体となって発見されます。腰には竿秤が差し込まれており、秤の皿には作り物の大伴小判が置かれていました。 泰子と文子の細工された奇妙な遺体に、金田一をはじめ警察や村人たちは不思議に思い、その意図がわからず悩みます。その中で、泰子の祖母・五百子が鬼首村に古くから伝わる「手毬唄」を聞かせ始めました。それが泰子と文子が殺された様子をそのままなぞった内容であることがわかります。 金田一はこの連続殺人事件が手毬唄に沿って行われていること、さらに続きがあることに気付き、次の殺人を警戒します。

23年前の事件の真相と真犯人とは

3人目の犠牲者はリカの娘・里子でした。しかし実は真犯人はリカ自身であり、里子を殺めたのは誤りだったのです。23年前の事件の真相は、恩田幾三の正体が源次郎であり、リカが源次郎を殺害したというものでした。 源次郎は亀の湯の次男で妻子を連れて帰郷し宿を継ぎましたが、それと同時に「恩田幾三」に変装して村で詐欺事件を起こしていました。しかも有力旧家の娘たちを次々と孕ませており、泰子・文子・ゆかり(千恵子)はすべて恩田幾三の隠し子であることが判明します。 つまり、歌名雄の恋人・泰子と彼に想いを寄せる文子は彼とは異母妹であり、リカは近親相姦を防ぐために彼女たちを殺害。そして、自分を裏切った夫を殺害したことも闇に葬ろうとしたのです。リカは誤って里子を殺したことに絶望し、底なし沼に身を投げて自殺し、それを防げなかった金田一は悔いを残すのでした。

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2026年新作NHKドラマ『悪魔の手毬唄』が放送開始!

吉岡秀隆

2026年3月にはNHK版の「金田一耕助」シリーズの第5弾として『悪魔の手毬唄』が放映されました。金田一耕助を演じるのは、『悪魔が来りて笛を吹く』(2018年)から前作『犬神家の一族』(2023年)まで続投している吉岡秀隆です。 各90分の前後編として、それぞれ2026年3月14日と3月21日にNHK BSプレミアム4Kで放送されています。シリーズ前作『犬神家の一族』を担当した小林靖子が脚本、吉田照幸が演出を務めています。

『悪魔の手毬唄』は映画化・ドラマ化多数!おすすめは

『悪魔の手毬唄』石坂浩二
©東宝

『悪魔の手毬唄』の数ある映像化作品の中でも不動の名作なのが、石坂浩二が金田一耕助を演じた1977年の映画版です。映像美に定評のある名匠・市川崑が監督を務め、リカ役の岸惠子が圧巻の演技を見せています。 また1977年には古谷一行主演のドラマ版も放送されており、こちらもおすすめ!映画より尺が長いため、旧家の因縁や村人たちの心理描写が丁寧に描かれています。 ドラマ版は他にも、前述のNHK版加藤シゲアキ主演のフジテレビ版(2019年)も。まずは映画版で本作の魅力を体験してみてはいかがでしょうか?

『悪魔の手毬唄』の作品のモデルとは?マザーグースがもとに

横溝正史はヴァン・ダインの『僧正殺人事件』に代表されるような童謡「マザーグース」を使った殺人事件の構想を考えていたそう。「見立て殺人」としては『獄門島』での俳句の系譜ですが、強い影響を受けたのはアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』で、同様の不気味な数え歌を独自に創作し、鬼首村の「手毬唄」が作られました。 童謡に沿って行われる連続殺人という無邪気さと恐怖のギャップが狙いで、日本の村社会特有の因習やドロドロした血縁関係と組み合わせて独特の和製ミステリーを作り上げました。

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「金田一耕助」シリーズの名作『悪魔の手毬唄』が新たに映像化!

『悪魔の手毬唄』横溝正史

2026年3月放送のNHK版『悪魔の手毬唄』はNHK BSプレミアム4Kで放送された後、通常のNHK BSでも11月以降に放送される予定。この機会にぜひ、本作の新旧の映像化作品に触れてみたいですね!