ジェームズ・キャメロン監督のおすすめ映画10選!【『タイタニック』『アバター』など名作・大作映画多数】
名作の数々で振り返る映画監督ジェームズ・キャメロンの足跡
『タイタニック』や『アバター』など歴史に残る超大作で知られる、映画監督ジェームズ・キャメロン。1980年代以来、手がけた作品は例外なく大ヒットとなりました。 ここでは、ciatr編集部が厳選した、ジェームズ・キャメロンが監督を務めたおすすめ映画を紹介します。どの作品も今なお色褪せることのない名作ばかりです。
『殺人魚フライングキラー』(1982年)
カルトホラーコメディ『ピラニア』続編で監督デビュー!実は名ばかりの監督だった?
ジェームズ・キャメロン監督のキャリアは、「ポップシネマの帝王」と呼ばれるロジャー・コーマンのスタジオではじまりました。そこで彼は、1980年から特殊効果などを担当しています。 その頃ホラーコメディ『ピラニア』の続編の話が持ち上がりますが、最初に予定されていた監督は製作側と対立して降板。そこで、この作品で特殊効果を担当していたキャメロンが急遽代役に抜擢されました。 ところがこの起用は、製作者の事情による名ばかりの監督だったのです。何も知らないキャメロンは自らロケハンまでこなす奮闘ぶりでしたが、撮影途中でクビに……。 他人の手で完成した本作について彼は、「自分の作品とは思えない」と語っています。
『ターミネーター』(1984年)
映画監督としての地位を不動のものにした出世作!
『殺人魚フライングキラー』監督降板のショックから立ち直ったジェームズ・キャメロンが、起死回生をかけて作り上げたSFアクションです。 映画の舞台は1984年のロサンゼルス。そこへ2029年の世界から殺人サイボーグ「ターミネーター」がタイムスリップしてきました。目的はただ一つ、軍事コンピュータとの闘いで人類を率いる抵抗軍指導者であるジョン・コナーの母親・サラの抹殺です。抵抗軍のメンバー・カイルも未来からやって来て、彼女を守るため、2人の逃避行が始まります。 1984年公開の本作は、低予算ながらもスタジオの予想を上回る大ヒット。シリーズ化されたばかりでなく、テレビ、ノベライズ、コミック、ビデオゲームまで制作され、人気シリーズとなりました。
『エイリアン2』(1986年)
リドリー・スコット監督による名作の続編!キャメロン独自の世界観が盛りだくさん
リドリー・スコット監督による『エイリアン』の続編。本作の構想は、アーノルド・シュワルツェネッガーのスケジュールの都合で『ターミネーター』の撮影が遅れている間に、並行して練られました。 前作の唯一の生存者、エレン・リプリーが、エイリアンによって壊滅させられた惑星へ海兵隊とともに殴り込みをかける物語。シガニー・ウィーバー扮するリプリーが、11歳の少女・ニュートを抱いてエイリアンと戦うシーンが圧巻です。 登場する海兵隊には、ロバート・A・ハインラインによる宇宙戦争をテーマとしたSF小説『宇宙の戦士』の強い影響が見られます。ホラーよりもアクションを重視した、キャメロン独自の世界観です。
『アビス』(1989年)
クライマックスにCGIをふんだんに使った画期的作品!
1989年に公開されたSF映画です。時代は東西冷戦末期。ケイマン海溝付近で核ミサイルを満載したアメリカの原子力潜水艦が謎の海中物体と接触して沈没。海軍は近くにいた海底油田採掘基地に調査の協力を求めます。魚もいない暗黒の深海で、海軍特殊部隊と油田採掘技術者たちが目にするものは……。 本作の特徴は、当時最新のCGIをクライマックスでふんだんに使っていること。 撮影時、キャメロンは液状の生物を表現する手段を模索していました。この難問を「スター・ウォーズ」のインダストリアル・ライト&マジックのアニメーションスタッフがCGIで見事に解決。 この技術は『ターミネーター2』に登場する液体金属のサイボーグにも受け継がれています。
『ターミネーター2』(1991年)
出世作の続編にしてシリーズ最高傑作!サイボーグにだって感情がある
ジェームズ・キャメロンの出世作『ターミネーター』から、7年後に公開された続編です。 設定は前作の約10年後。前作でサラの命を狙うターミネーターに扮したアーノルド・シュワルツェネッガーは、本作ではサラ母子を守る同型サイボーグの役です。 「ターミネーター」シリーズの真の主人公ともいえるジョン・コナーが本作で10歳の少年として初登場。エドワード・ファーロング演じるジョンの髪型やファッションスタイルは、公開当時話題になりました。 ジョンとの交流を通じて、シュワルツェネッガー扮するT800が人間らしい感情を学習していく過程が心温まります。感動のラストは涙なしには見られません。
『トゥルーライズ』(1994年)
「もしもジェームズ・ボンドに妻や子どもがいたら?」という疑問に答えるアクションコメディ
アーノルド・シュワルツェネッガーがジェームズ・ボンド顔負けの大活躍を見せるスパイコメディ。 ジェームズ・キャメロンは、これまでの作品でもコミカルなシーンはありましたが、本格的なコメディは本作が初めてです。 シュワルツェネッガー扮する敏腕スパイ、タスカー。彼はコンピュータ会社の社員と偽って、何も知らない妻子と幸せに暮らしていました。ところが、平凡な日常に退屈した妻の浮気を疑った彼が嫉妬に狂い始めたことで、事情は複雑になり……。 派手な銃撃戦や、戦闘機まで登場するカーチェイスといったアクションが印象に残りますが、倦怠期を迎えた夫婦の描写も絶妙です。
『タイタニック』(1997年)
ジェームズ・キャメロンのキャリアの絶頂期を飾る歴史巨編!
1912年、大西洋を横断するイギリスの豪華客船が氷山に衝突して沈没、約1,500人の犠牲者を出した「タイタニック号沈没事故」。ジェームズ・キャメロン監督は10代のときから、この事故を映画にすることを夢見ていたそうです。 その夢は同監督のキャリアの絶頂で、3時間を超える長編映画として実現しました。 史実の描写に、レオナルド・ディカプリオ演じるジャックと、ケイト・ウィンスレット扮するローズのラブ・ロマンスをからめたところが本作の魅力といえます。 1997年末の劇場公開時には、世界中で映画館の前に行列ができるほどの大ヒット。全世界で18億4,320万ドルにのぼる興行収入は、キャメロン自身が『アバター』で塗り替えるまで映画史上最高の記録でした。
『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』(2003年)
沈没したタイタニック号に超接近して撮影した3Dドキュメンタリー映画!
ジェームズ・キャメロン監督が、『タイタニック』でアカデミー賞作品賞と監督賞を獲得した後に撮ったドキュメンタリー映画です。 海底に眠るタイタニック号の残骸の内部を、特別に作成されたカメラでくまなく撮影。さらにCGIを駆使して、沈む前のタイタニック号内部の様子がその映像に重ね合わされます。 ナレーションは、『ターミネーター』、『エイリアン2』、『タイタニック』にも出演したビル・パクストン。 本作は、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ初の3D映画です。IMAX 3DカメラでIMAXシアター用に撮影されました。観客は迫力ある3D映像で、タイタニック号の秘密を体感することができたのです。
『エイリアンズ・オブ・ザ・ディープ』(2005年)
『アビス』のような深海の神秘に迫るドキュメンタリー映画!
映画『アビス』でもテーマになった、深海に生息する生命体の神秘に迫るドキュメンタリー映画。『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』と同じく、IMAX 3Dで撮影されました。 キャメロンがNASAの宇宙科学者や海洋生物学者を伴って、太平洋や大西洋の深海の熱水噴出孔付近を探査。深海に潜む未知の生命体を特殊カメラで撮影し、地球外の生命体の存在を解明しようとする内容です。 劇場公開版は45分程度でしたが、DVD版は倍以上の長さがあり、プロジェクトやクルーについて詳しく知ることができる、見ごたえのある内容になっています。
『アバター』(2009年)
長年の構想を実現したSF巨編!映画界に3Dを定着させた
2009年に公開された『アバター』は、ジェームズ・キャメロンがCGI技術を駆使して完成させたデジタル3DSF大作。『タイタニック』公開以来、12年振りに完成させた劇場用長編映画です。 作品の舞台は22世紀、地球の植民地にされた衛星パンドラ。この星の先住民族ナヴィが地球人の圧政に対して反乱を起こします。 観客は、3DのCGIによって細部まで丁寧に作り込まれた緑豊かな世界に目を奪われました。 さらに身長2メートル以上の青い肌の巨人、ナヴィもCGIで表現。表情を取り込むヘッドギア、マーカー付きのキャプチャースーツで俳優の演技を記録して、人間味のある異星人になっています。
ジェームズ・キャメロン作品は、愛の物語が人気の秘密?
ジェームズ・キャメロンは、自身の作品について「すべてラブストーリーだ」と語ったことがあります。 『ターミネーター』や『タイタニック』の短くも激しい愛。『エイリアン2』や『ターミネーター2』の親子愛。 派手な視覚効果に目を奪われますが、根底にある愛のストーリーが彼の人気の秘密かもしれません。