『ベイビー・ブローカー』登場人物・キャストを相関図つきで紹介!ソン・ガンホはカンヌ主演男優賞を受賞
第75回カンヌ国際映画祭に出品され、ソン・ガンホが韓国人俳優として初めて主演男優賞を受賞したことでも話題になった『ベイビー・ブローカー』が6月24日に日本でも公開されました。 監督は、2013年のカンヌ国際映画祭では『そして父になる』で審査委員賞、2018年の『万引き家族』ではパルムドールを受賞した是枝裕和。まさに日本を代表する映画監督である彼の新作は、キャリア初となる、念願の韓国映画です。 そんな期待作『ベイビー・ブローカー』のキャストを紹介していきましょう。
作品名 | 『ベイビー・ブローカー』(原題:브로커) |
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監督・脚本 | 是枝裕和 |
受賞 | 第75回カンヌ国際映画祭 主演男優賞 ソン・ガンホ エキュメニカル審査員賞 |
メインキャストは?
メインキャストはソン・ガンホ、イ・ジウン(IU)、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジュヨンの5人です。
IUはなぜキャスティングされた?
コロナ渦で是枝監督は韓国ドラマにハマったそうです。そして『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』を観てIUの虜になったのだとか。映画には「マイ・ディア・ミスター」のキャストが他にも何人か登場しています。
『ベイビー・ブローカー』あらすじ・相関図
예기치 못한 여정???? & 그들을 뒤쫓는 형사????♀️#브로커 관계도 속에 제 자리도 하나만 주세요????#송강호 #강동원 #배두나 #이지은 #이주영 #고레에다히로카즈감독 #제75회_칸국제영화제_경쟁부문초청 #6월8일대개봉 pic.twitter.com/S3B7omTyhq
— CJ ENM Movie (@CJENMMOVIE) May 2, 2022
古びたクリーニング店を営むサンヒョン(ソン・ガンホ)と、「赤ちゃんポスト」がある施設で働くドンス(カン・ドンウォン)。 ある土砂降りの夜、彼らは若い女性ソヨン(イ・ジウン)が「赤ちゃんポスト」に預けた赤ん坊をこっそり連れ去ります。サンヒョンとドンスは裏で赤ん坊を売る“ベイビー・ブローカー”をしていたのです。 しかし翌日ソヨンは赤ん坊を連れ戻しに来ます。赤ちゃんがいないことに気づいたソヨンが通報しようとしたため、2人は「育ててくれる家族を探そうとした」と言い訳をしました。こうして3人は成り行きで養父母を探す旅に出ることに。 一方、彼らを検挙するためにずっと尾行していた刑事のスジン(ペ・ドゥナ)とイ(イ・ジュヨン)は、なにがなんでも現行犯逮捕しようと、3人を追っていきます。
キャスト一覧
メイン キャスト | サンヒョン 役/ ソン・ガンホ ソヨン 役/ イ・ジウン(IU) ドンス 役/ カン・ドンウォン アン・スジン刑事 役/ ペ・ドゥナ イ刑事 役/ イ・ジュヨン |
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子役 | へジン 役/ イム・スンス ウソン 役/ パク・ジヨン |
その他 | シン・テホ 役/ リュ・ギョンス ソン氏 役/ イ・ドンフィ チェ・ヒョンサ 役/ ペク・ヒョンジン 児童養護施設園長 役/ ソン・セビョク 園長夫人 役/ キム・ソニョン ユン氏 役/ パク・へジュン |
メインキャスト5人
サンヒョン役/ソン・ガンホ
クリーニング店を営むサンヒョンは借金に追われ、苦しい生活をしています。そんな彼の裏の仕事は、「赤ちゃんポスト」に預けられた赤ちゃんをさらい、高値で売ること。 しかし今回は赤ちゃんの母であるソヨンに見つかってしまい、彼女とともに赤ちゃんの養父母を探す旅に出ます。
ソン・ガンホのプロフィール
『パラサイト 半地下の家族』をはじめ数々の大ヒット映画に出演し、韓国の国民的俳優として知られるソン・ガンホ。第75回カンヌ国際映画祭では、本作で韓国人初の最優秀男優賞を受賞しました。 そのほかの代表作には、『殺人の追憶』(2003年)や『渇き』(2009年)、『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年)などがあります。 2015年の釜山国際映画祭で是枝監督と初めてミーティングをしたという彼。制作報告会では、監督とのコラボレーションがようやく実現したことは感慨深いと語りました。
ソヨン役/イ・ジウン(IU)
ソヨンは、自身が産んだ赤ちゃんを「赤ちゃんポスト」に預けた若い女性です。 しかし彼女は翌日に思い直し、赤ちゃんを取り戻しに来ました。そこで“ベイビー・ブローカー”の2人と出会い、赤ちゃんをより良い養父母に預けるため、彼らと旅に出ます。
イ・ジウン(IU)のプロフィール
ソヨンを演じるイ・ジウンは、IUの名義でも活躍するシンガーソングライターで女優です。韓国では「国民の妹」と言われるほどの人気を誇っています。 女優としては、『麗〈レイ〉~花萌ゆる8人の皇子たち~』(2016年)や『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(2018年)などに出演しています。是枝監督は、コロナ禍で「マイ・ディア・ミスター」を観て彼女を知り、出演をオファーしたのだとか。
ドンス役/カン・ドンウォン
サンヒョンの相棒として“ベイビー・ブローカー”をしているドンス。 「赤ちゃんポスト」がある施設で働く彼は児童養護施設出身で、「子どもは施設よりも家庭で育つほうがいい」という信念を持ち、使命感を持って養子縁組をさせる人物です。
カン・ドンウォンのプロフィール
ドンスを演じるのは、モデルとしてパリコレへの出演経験もあるカン・ドンウォンです。2003年ドラマ『威風堂々な彼女』で俳優デビューした彼はその後も数多くの映画に出演し、2020年には『新感染半島 ファイナル・ステージ』で主演を務めています。 今回相棒役となるソン・ガンホとは『義兄弟 SECRET REUNION』(2010年)以来の再共演。また日本語も少し話すことができる彼は、是枝監督とプライベートでも付き合いが多いようです。
アン・スジン刑事役/ペ・ドゥナ
アン・スジンは、“ベイビー・ブローカー”であるサンヒョンとドンスを追う刑事です。赤ちゃんを連れ去った彼らを現行犯で捕まえるため、相棒の刑事とともに3人を尾行します。 過去に何か事情があったのか、赤ちゃんを捨てる母親や転売する2人への嫌悪感が人一倍強いようです。
ペ・ドゥナのプロフィール
映画『ほえる犬は噛まない』(2000年)や『グエムル-漢江の怪物-』(2006年)などへの出演で知られるペ・ドゥナ。近年は『クラウド アトラス』(2012年)や『ジュピター』(2015年)などのハリウッド映画にも出演し、活躍の幅を広げています。 2009年の『空気人形』で主演を務めた彼女は、「次は人間の役で」と再び是枝作品に出演する約束をしていたのだとか。
イ刑事役/イ・ジュヨン
イ刑事はスジンの後輩で、彼女とともにサンヒョンたちを尾行します。 彼女は単に捜査目的というだけではなく、ソヨンが赤ちゃんを捨てなければならなかった事情を知りたがったり、理解してあげたいという感情があったりと、ステレオタイプな刑事のイメージとは違った人物のようです。
イ・ジュヨンのプロフィール
イ刑事を演じるのは、大ヒット韓国ドラマ『梨泰院クラス』(2020年)のマ・ヒョニ役で注目を集めたイ・ジュヨンです。2019年には映画『野球少女』で主演を務めました。 コロナ禍で韓国ドラマにハマっていた是枝監督が『梨泰院クラス』を観て、彼女に出演をオファーしたそうです。
子役
へジン役/イム・スンス
ヘジンはドンスが育った養護施設で暮らす男の子で、サンヒョンたちの旅に勝手についてきてしまいます。 そんなヘジンを演じたのはイム・スンス。是枝は子役には台本を渡さず、口伝えなどで説明し自然な演技を引き出す手法で有名ですが、今回も通訳を介して同じ手法を使ったとのこと。スンスの演技について彼は「最高だと思います。映画のなかに残っているものは本当に良かった」と称賛しています。 一方で、演じている時間以外は元気すぎて困ったとも。「映画の現場が楽しくて仕方なかったみたいで、はしゃいじゃってテンションが上がって止まらなくなっちゃって」と語り、相当に手を焼いた様子。そのうちカン・ドンウォンが面倒を見てくれるようになり、事なきを得たのだとか。
ウソン役/パク・ジヨン
本作の中心的キャラクターとも言える赤ちゃん、ウソンを演じたのはパク・ジヨンです。 コロナ禍のなか、クランクインの2ヶ月前に生後1ヶ月くらいの赤ちゃんのなかからキャスティングされたジヨン。是枝は起用の決め手について「顔とかではなく、動きのいい子。音に反応して動いてくれる子を選んだ」と語っています。結果、本作の中心にふさわしい0歳の名優が誕生したと讃えました。
その他のキャスト
シン・テホ役/リュ・ギョンス
サンヒョンのもとに借金の取り立てにやってくるシン・テホ。しつこく暴力的な方法で、なんとしてもサンヒョンから金を取り立てようとするチンピラです。 是枝監督がハマったという『梨泰院クラス』(2019年)への出演で知られるリュ・ギョンスがテホを演じました。
ソン氏役/イ・ドンフィ
ソン氏は刑事のスジンたちがおとりとして用意した夫婦の夫です。スジンはサンヒョンたちが彼らに赤ちゃんを売ったところを、現行犯逮捕しようとしていました。 ソン氏を演じたのは、映画『お嬢さん』(2016年)や『エクストリーム・ジョブ』、『幼い依頼人』(ともに2019年)などへの出演で知られるイ・ドンフィです。
ソ氏夫人役/キム・セビョク
夫とともに、おとりの任務を引き受けたソ夫人。しかしその作戦は失敗に終わってしまいました。 演じるキム・セビョクは映画『ひと夏のファンタジア』(2014年)や『はちどり』(2018年)などへの出演で知られています、
チェ・ヒョンサ役/ペク・ヒョンジン
チェ・ヒョンサを演じたペク・ヒョンジュンは、1997年からロックバンド「オオブプロジェクト」のボーカルとして活動。ドラマ『明日、キミと』(2017年)で俳優デビューしたほか、映画監督や画家など、マルチに活躍しています。
児童養護施設園長役/ソン・セビョク
ドンスが育った児童養護施設の園長は、旅の途中で立ち寄ったドンスたちを温かく迎え入れてくれました。現在施設にいる子どもたちはもちろん、巣立っていたドンスのことも気にかける優しい人物です。 演じるのは、ポン・ジュノ監督の『母なる証明』で映画デビューしたソン・セビョク。韓国映画界では「第2のソン・ガンホ」と言われるほどの実力者です。2018年には『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』でドラマに初出演し、全国的に知名度が高まりました。
児童養護施設園長の夫人役/キム・ソニョン
児童養護施設園長の夫人は、子どもたちやドンスのような施設出身者にとって母親のような存在です。 彼女を演じるキム・ソニョンは、『病院船〜ずっと君のそばに〜』や『この恋は初めてだから』(ともに2017年)、『ロマンスは別冊付録』、『愛の不時着』(ともに2019年)など、数多くの人気ドラマに出演している名バイプレイヤーです。
ユン氏役/パク・へジュン
最後に赤ちゃんを買い取ろうとする夫婦の夫ユン氏。心から赤ちゃんを望み、大切に育てることを約束してくれるのですが……。 ユン氏を演じたのは、『ミセン -未生-』(2014年)でドラマデビューし、遅咲きの人気俳優となったパク・ヘジュン。彼は『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』など人気作に多く出演しています。
監督・脚本・編集は是枝裕和
製作段階では本作を「スリリングで、ヒリヒリする、それでいて切ない映画にしたいと思っています。」とコメントしていた是枝監督。 2022年5月の制作報告会では、完成した作品について「旅を通して、一組の疑似家族を描こうと思っていました」と語り、「ただ頭の中心にあったのは、“家族”というよりはひとつの“命”を巡る話。生まれた命をどういうふうに守るのか、そして手放すのか、そのような物語に仕上がっていると、今自分では考えています。」としています。
是枝裕和監督のカンヌ受賞作
是枝監督はこれまでも家族を題材とした数々の名作を世界に送り出してきました。以下では特にカンヌ国際映画祭で高く評価された作品を紹介していきます。
パルムドール『万引き家族』(2018年)
東京の下町で、高層マンションの谷間に取り残されたような平屋に暮らす1組の家族。彼らは、祖母の年金を頼りに、足りない分は万引きなどの犯罪で補いながら暮らしています。貧しいながらも仲良く生活していた彼らですが、ある事件をきっかけにこの家族は崩壊していきます。 リリー・フランキーと安藤サクラが主演を務め、樹木希林や松岡茉優、城桧吏などベテランから若手まで実力派キャストがそろった『万引き家族』は、2018年第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。
審査員長『そして父になる』
『そして父になる』は、出生時に我が子が病院で取り違えられたことを知らされた父親の苦悩を描く人間ドラマです。 誰もが羨むエリートとして、都心のマンションで妻と息子の3人で暮らす野々宮。しかしあるとき、彼は6歳になる息子が出生時に病院で取り違えられた、他人の子であることを知らされます。 妻のみどりや相手方の斉木夫妻はそれぞれ育てた子どもを手放すことを躊躇しますが、野々宮は子どもの“交換”を提案し……。 2013年、第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しました。
韓国で開催されたVIP試写会が話題に!
昨日は出演者、スタッフが家族や友人を招いての試写会でした。シネコン14スクリーン貸し切り。あまりに贅沢なゲストの来訪が続いて、ちょっと舞い上がってしまいました。
— 是枝裕和 (@hkoreeda) June 3, 2022
良い夜でした。
6月2日に『ベイビー・ブローカー』のVIP試写会がソウルで行われ、その来場者が豪華すぎると話題になりました。 是枝監督やキャストのソン・ガンホ、カン・ドンウォン、IU、イ・ジュヨンをはじめ、観客にはBTSのVやイ・ビョンホン、RAIN(ピ)、ユ・インナ、キム・スヒョン、イ・ミンホら豪華な面々が出席。これは出演者やスタッフの家族や友人を招いての試写会で、シネコンの14スクリーンすべて貸し切りという驚きの規模で行われたもの。 是枝監督も翌日Twitterを更新し、「あまりに贅沢なゲストの来訪が続いて、ちょっと舞い上がってしまいました」と報告しています。
『ベイビー・ブローカー』は実力派キャストが活きた名作映画!
カンヌ国際映画祭でソン・ガンホが主演男優賞を受賞したことや、是枝監督初の韓国映画としても注目の集まる『ベイビー・ブローカー』。豪華キャストが集結し、その競演も大きな見どころになっています。 韓国を代表する実力派俳優たちと日本が誇る是枝監督の最新作、新たな「家族の物語」をぜひ楽しんでください。