未完の『ドラえもん』になぜ最終回が存在するのか
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小学館の学年誌で掲載されていた『ドラえもん』は4月に始まり3月に終わるという1年間のサイクルがあり、3月号には『ドラえもん』の最終話が掲載されていました。そしてまた4月号からは通常通りに『ドラえもん』が始まるため実質的な最終回ではありませんが、後に単行本の発売や掲載の拡大が行われるまでの間、3回の最終話が掲載されました。
今回は、『ドラえもん』感動の最終回4パターンをご紹介したします。
1つ目の感動の最終話:「ドラえもん未来へ帰る」
『小学四年生』1971年3月号に掲載された最終話は、タイムマシンの利用の際、時間旅行者のマナーが悪くなったため未来の世界では「時間旅行規制法」が設けられてしまいました。そしてドラえもんは未来へと帰らなくてはいけなくなり、帰還の合図であるサイレンが鳴りセワシくんに連れられ強制的に未来へと帰るという話でした。
2つ目の感動の最終話:「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」
『小学四年生』1972年3月号に掲載された最終話は、ドラえもんに頼りっきりなのび太の成長を危惧したドラえもんが未来へ帰ることを決意。そして、そのことを知ったのび太はこれ以上ドラえもんを心配させないよう未来へ送り出します。その後、ドラえもんの力に頼らず懸命に自転車に乗る練習をするのび太の姿を未来からドラえもんが眺めているという図が最終コマに描かれているものでした。
3つ目の感動の最終話:「さようならドラえもん」
『小学三年生』1974年3月号に掲載された最終話は、ドラえもんが未来へ帰らないといけなくなったとのび太に告白。はじめは嫌がるのび太だったがドラえもんを心配させないようにとボロボロになりながらもジャイアンとのケンカに勝利し、ドラえもんに安心して未来へ帰ってと告げ、翌朝になるとドラえもんの姿は消えているというものでした。
最も有名な非公式の感動の最終話
ドラえもんの開発者はのび太説とも呼ばれている最終話は、ある日突然バッテリー切れとなったドラえもんは動かなくなり、のび太はバッテリーを交換して欲しいとドラミちゃんにお願いするが、バッテリーを交換すると今までの記憶が全てなくなると告げらる。そしてのび太は猛勉強をはじめ大人になったのび太は記憶を残したままドラえもんの修理に成功。ドラえもんの開発者がのび太であるということがわかるという話でした。
この最終話は、とあるドラえもんのファンが自身で考えた最終話をサイト上に公開したところ、あまりにも感動的だと話題を呼び、漫画家の田嶋安恵がその話を同人誌にて発表、1万3千部が売れるという同人誌では異例の大ヒットとなりました。これ以上の拡大を懸念した小学館は警告を行い、現在ではネット上での公表と同人誌の発売は中止となっています。