2017年7月6日更新

『ブリッジ・オブ・スパイ』あらすじや感想評価まとめ【ネタバレ注意】

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ブリッジ・オブ・スパイ

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アカデミー賞6部門ノミネート!『ブリッジ・オブ・スパイ』

東西冷戦時代を描いたエンターテイメント大作の公開日は?

激化していた1960年代の米ソ冷戦時代に、ソ連を偵察していた米国偵察機が撃墜された「U-2撃墜事件」。その時、ソ連に捕らえられた米軍パイロットを釈放するためにKGBとの交渉にあたったアメリカ人弁護士ジェームズ・ドノバンの実話を、マット・チャーマンとコーエン兄弟が脚本化し、スピルバーグ自ら監督として挑んだ『ブリッジ・オブ・スパイ』。日本では2016年1月8日の公開です。

2016年1月に発表されたアカデミー賞ノミネートでは、作品賞、助演男優賞、脚本賞、美術賞、録音賞、作曲賞の6部門にノミネートされました。

『ブリッジ・オブ・スパイ』あらすじ、真実に基づくストーリー

1960年代の東西冷戦時代、CIAが極秘に遂行していた偵察機「U-2」がソ連領空内で撃墜され、アメリカ人パイロットがスパイとして拘束されます。 着実なキャリアを積み上げていた弁護士のジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)は時のアメリカ合衆国大統領ジョン・Fケネディの命を受け、拘束されたスパイの弁護を引き受けることとなり、交渉人として、誰も成し得たことのない東西スパイの身柄交換というミッションに立ち向かっていくのです。

巨匠と名優、そして豪華なキャストとスタッフも見どころ!

世界で最も愛されている監督スティーヴン・スピルバーグ

今回自らメガホンをとったスピルバーグ監督。代表作には子供から大人まで楽しめる『ジュラシックパーク』や『E.T.』、『インディージョーンズ』などが有名ですが、『シンドラーのリスト』や『プライベートライアン』といった戦争にまつわる作品でアカデミー賞を受賞しています。

2015年10月4日(現地時間)ニューヨーク映画祭で今作が上映された際、スピルバーグ監督はこのようにコメントをしました。

「ニューヨークで撮影されたこの作品をニューヨーク映画祭で上映することができて光栄です。この作品は冷戦下で大国間の戦争を止める大役を突然任されることになった一人の普通の男を描いています。国境を越えて人間同士分かり合うという真理の大切さが伝わると嬉しいです」

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脚本はオスカーを4つも手にしたコーエン兄弟

コーエン兄弟とは、アメリカ生まれのジョエル・コーエン(兄)とイーサン・コーエン(弟)兄弟で、共同で映画製作や脚本に携わっています。 代表作『ファーゴ』、『ノーカントリー』で数々の賞を総ナメにし、世界中にその名を広めました。今回の『ブリッジ・オブ・スパイ』はマット・チャーマンとコーエン兄弟との合作となっています。

名優トム・ハンクスがジェームズ・ドノバン役を演じる

主役のジェームズ・ドノバンを演じるのはトム・ハンクスです。 初期の出演作品は軽妙なコメディ映画を得意としていましたが、1993年に『フィラデルフィア』、1994年に『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー主演男優賞を2年連続で受賞し、世界中で知られるオスカー俳優となりました。以降は『プライベート・ライアン』、『グリーンマイル』、『ターミナル』、『ダ・ヴィンチ・コード』など大作での主演が続いています。 今作『ブリッジ・オブ・スパイ』では、実直で良き国民、良き父、良き夫として弁護士人生を歩んでいたジェームズが、国家を揺るがすミッションへ立ち向かうことになります。11年ぶりとなるスピルバーグとのタッグで、また新たなトム・ハンクスの一面が見られそうです。

ジェームズ・ドノバンの妻役にエイミー・ライアン

トム・ハンクス演じるジェームズ・ドノバンの妻メアリー役には、2007年に『ゴーン・ベイビー・ゴーン』で第80回アカデミー賞助演女優賞の候補となったエイミー・ライアンが抜擢されました。
トム演じるジェームズについて「実在のジェームズは、ニューヨークのブルックリンで保険関係の弁護士を務め、当時アメリカの最大の敵、ソ連のスパイを弁護するという評判の良くない依頼を冷戦時代に引き受けるの。一方メアリーは、ブルックリン生まれの大卒で、3人の子供が居る。彼女はいつも快活だけれど、冷戦下のアメリカで、恐怖の中で生きている。夫は釣りの旅行と言って家を出て行くけれど、賢明な彼女は、何か慈善的行為をしているのではと推測しているの」と説明した。 メアリーを演じるうえで「旧友とディナーをとっていたとき、ジェームズ・ドノバンという実在の人物を描くスピルバーグ監督作に出演すると教えたら、彼は『僕の父がジェームズと仕事をしていた』と教えてくれたの。そしてその彼がジェームズの孫娘と連絡を取ってくれて、彼女から、ジェームズとメアリーの結婚式や旅行の写真を見せてもらった。さらに二人がどの学校に通い、どんな場所に住んでいたかも話してくれた。一番気になったのは、メアリーは前を見ずに夫のジェームズの方を向いている写真が多いこと。彼女の夫への愛がわかったわ」と良いリサーチになったことを明かした。

ソ連のスパイ役にイギリスの実力派舞台俳優マーク・ライランス

人質交換されるソ連のスパイ役は、イギリスの実力派俳優マーク・ライランスが演じます。 マーク・ライランスは1960年1月18日生まれのイギリス人で、舞台中心に出演している実力派俳優です。『ブーリン家の姉妹』や『ブリッツ』などの映画にも出演していますが、端役のため知名度はそれほどありませんが、トニー賞3冠、ローレンス・オリビエ賞2冠に輝く演技派です。 ライランスの舞台を見たスピルバーグ監督は彼の演技に圧倒され、「変幻自在の名優』と絶賛しています。マーク・ライランスに惚れ込んだスピルバーグ監督は、次回作『オ・ヤサシ巨人BFG』でもタッグを組む予定です。

ベテラン名優アラン・アルダも出演

トーマス・ワターズ役に、『M*A*S*H』のアラン・アルダが出演します。 1936年1月28日ニューヨーク生まれの彼は、俳優、脚本家、監督と多彩な顔を持っています。特に有名なのはアメリカTVドラマ『M*A*S*H』ですが、アラン・アルダはこのドラマでエミー賞を演技、脚本、監督の3部門で受賞しています。また映画『アビエイター』で、初めてアカデミー助演男優賞にノミネートされました。 ちなみに父親も有名な俳優であるロバートアルダ、奥さまはヒューストン交響楽団のクラリネット奏者だそうで、とても才能溢れた芸術一家なのですね。

『ブリッジ・オブ・スパイ』のブリッジ(橋)とは?!

タイトルの『ブリッジ・オブ・スパイ』のブリッジとは、もちろん橋のことなのですが、ドイツに実在する「グリーニケ橋」のことです。 ベルリンの壁と同様に東西ドイツの境界線となっていたこのグリーニケ橋は、冷戦時代、東西スパイの交換場所として頻繁に使用され、ベルリンの壁が崩壊した日には東西から人が橋を渡り、抱き合って冷戦の終結を喜んだそうです。

歴史のうねりをスクリーンで確かめたい!

トム・ハンクスは『ブリッジ・オブ・スパイ』について、このようにコメントしています。
「この作品は今を生きる人に自分が同じ立場でだったらどうするだろうかと問い掛けている。(スピルバーグ監督作品に出演するのは)楽しいけれど、恐いことでもあるんだ。失敗は許されない。この作品を僕の最後のスピルバーグ監督作品への出演にはしたくないからね」
引用:eigaland.com
東西冷戦という大きな歴史の流れを変えた、トム・ハンクス演じるジェームズ・ドノバンの生きざまを、ぜひスクリーンで確かめてみたいと思いませんか?

『ブリッジ・オブ・スパイ』の感想評価まとめ【ネタバレ注意】

yuki12241 1957年、米ソ冷戦時代に実在した弁護士と、当時暗躍した諜報員の活動を描いた社会派サスペンス・ドラマ。淡々と自画像を描く、マーク・ライランス演じる熟年ソ連スパイの渋さが凄い…!60年代に始まり21世紀の今、再熱しているエンターテイメントとしてのスパイ映画とは一線を画し、あくまで真面目にスパイと言う存在を深く描いた作品です。 オープニングから凄く静かで重厚な空気が流れ、ああ、面白い…と確信。近年の小ぎれいでスタイリッシュなタイプの映画とは全く違う良さがあります。また、米ソ・東西ドイツが複雑に絡み合う、という各国の関係性をしっかりと描いているのに加え、それらに詳しくない方でも表面的に理解できるように噛み砕いているところが素晴らしい!スパイの「国命」的側面に迫っているのが個人的に本作の一番の意義だと思います。 兎に角、本作は会話のテンポとユーモアが絶妙。米国の保険専門の弁護士である主人公(トム・ハンクス)がソ連のスパイを弁護するという大筋の流れには少しロジックに欠ける部分がある気がしますが、全体として良く纏めたなぁという感じ。敵国のスパイを弁護する事によって国民から批判を受ける、という『インサイダー』的なストーリーを仄めかしながら、そこをメインにしないのが面白くはあるのですが、画によるカタルシスの与え方がそっち寄りなので、テーマが少しごちゃ混ぜになっている気がしなくもないです。ですが、ソ連とアメリカの関係性と東西ドイツ時代の絶望感を確かに表現出来ているという点で、本作は間違いなく面白い映画と言えるでしょう。 でもですね、ちょっと過大評価されていませんかね、この作品…。確かに普通には面白いのだけれど、前評判の余りの高さと作品の出来とを比べると、少し違和感を覚えてしまいます。スピルバーグで偉人モノと言われるとどうしても『シンドラーのリスト』がチラついてしまうし、かの大傑作と比べなかったとしても傑作とは言えないと思います。もしかしたら、僕がコーエン兄弟が苦手なのもその一因かもしれませんが。メインの2人がそれぞれ決め台詞を持っているのですが、それは繰り返し用いられるだけで深い意味を持っているようには見えなかったし、十分面白い会話劇だったのにそれが気になって仕方なかったです。また、主人公側のエピソードは深く掘られるのに、スパイ(各国)側の描写が圧倒的に欠け、それぞれが孤立しているように見えるのも気になりました。 ただ、ラスト付近の少年たちのある行動をメタファーとして機能させてからのエンディング、最高だと思います。終わりよければ総て良し!!!最高!!!!スピルバーグの良作がここにまた誕生したと言えるでしょう。是非劇場で。
masha_yossy_44 スパイ映画でなく、交渉人を描いた作品。 ソ連スパイとの目に見えない絆が「ブリッジ…」のタイトルに掛けてあるんだろうが、そこに至る感情の流れが、オープニングからの描写が希薄で、感情移入が出来ず。 ベルリンの壁が「断絶」を、効果的に表現していた。 20160108
rujjero スパイの橋渡しをする事実に基づいた話。なんかすごい事実に忠実なんだろなってくらい突拍子な展開も興奮の連続もない笑から個人的にはあんまりなんだけど、それでもベルリンの壁を作っているシーンを観るのは初めてで理不尽にもほどがあるなと思いながら心が動いたし、闘う上で不屈であることが大事である、その姿勢が大事であるということが時代背景にある冷戦と絡めて強調されててすごい納得出来るので良かった。