2017年7月6日更新

『007カジノ・ロワイヤル』の最強解説!意外な裏設定や秘密も紹介!

『007 カジノロワイヤル』

ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた最初の作品『007 カジノ・ロワイヤル』。そのDVDコメンタリーからわかる、映画の解説、撮影の秘密や裏設定などをご紹介します。

目次

『007カジノ・ロワイヤル』を徹底解説!

ダニエル・クレイグ演じる新しいジェームズ・ボンドが誕生し、シリーズの雰囲気が一新された『007/カジノ・ロワイヤル』。その海外版DVD+ブルーレイのコレクターズエディションには、マーティン・キャンベル監督とプロデューサーのマイケル・ウィルソンによるオーディオ・コメンタリーが収録されています。その中から、撮影秘話や裏設定をご紹介します。

新生ボンド誕生のために

『007 カジノ・ロワイヤル』のオープニングは、フィルム・ノアールのようなモノクロの映像で始まっています。レトロな雰囲気で1965年のスパイ映画『国際諜報局』を意識したそうです。 この作品のタイトルロールは、お決まりの銃弾のカットから始まって、そのあと音楽が流れており、従来のボンド映画のオープニングとは逆の作りになっています。これはもちろん、キャンベル監督が新しい演出を意図したものです。 また、タイトル映像を手がけたダニー・クラインマンは、今までにも多くのボンド映画のオープニングを担当してきましたが、『007 カジノ・ロワイヤル』のときはポスト・プロダクションの間の5週間というタイトなスケジュールのなかで作成しました。 キャンベル監督は、脚本のポール・ハギスはキャラクターの焼き直しというより刷新に貢献したと言っています。

ロケ地やセットの秘密

屋内のシーンはプラハの防音室で撮影されました。撮り直しはロンドンで行い、屋外のシーンはロケ地で撮影しています。多くの映画でもそうであるように、物語の舞台で撮影する必要は必ずしもないということです。 ウガンダの軍隊基地のシーンは、イギリス・バッキンガムシャーのパインウッド・スタジオで撮影しています。プロダクション・デザイナーのピーター・ラモントが赤土を持ってきて、本物そっくりのセットを作りました。 モンテネグロの大きなカジノで開催されたポーカートーナメントのシーンは、古いスパで撮影されました。トーナメントのテーブルは、一段高いプラットフォームに作られています。テーブルでのアクションが目を引いている間、カメラが他のプレイヤーや野次馬と同じ目線で撮影することができるようにするためです。 沈んだ家の外観は3分の1スケールの模型です。内部のセットは90トンあり、水のタンクの中に作られました。 映画の最後にボンドとヴェスパーが休暇を過ごしていたビーチは、バハマでボンドが水の中から現れたのと同じビーチです。

映像へのこだわり

バスルームのアクションシーンは、オフィスでの無駄のない仕事に比べて、ボンドの苦手な醜い殺害シーンを演出するため粒子の粗いフィルムとハンディカメラで撮影したそうです。 スタジオがなんと言おうと映画には絶対に入れなければならないものがいくつかあったそうです。「ヴェスパーは最後には死ななければいけない、あと拷問シーンも必要だった」とウィルソンは言っています。また、最後の方でボンドが言う「奴は死んだ」というセリフは原作の最後の行にあるので、彼らにとっては必須項目でした。

ハプニング

プロデューサーのマイケル・G・ウィルソンは、タイトル映像の撮影現場が火事になった時その場にいました。セットはその後、再び火事にならないよう技術的に向上させて再建されています。 映画冒頭でボンドがウガンダの将軍を殺す廊下と階段でのアクションシーンは、その前のバスルームでのめちゃくちゃなシーンを彷彿とさせます。単にボンドがそういうのが苦手なだけだそう。ちなみにこのシーンを撮影しているとき、ダニエル・クレイグのスタントマンが腕を折ったとのことです。 アストン・マーチンのクラッシュシーンは、スタントマンのゲイリー・パウエルがキャンベルに見せたものにインスパイアされたものだそう。彼は実際の効果を得るため全てをワンショットで撮りました。結果として車は7回ひっくり返り、ギネスブックに載っています。

様々な経歴を持つ出演者

アンドレアス・ダニエル(カジノのディーラー)

カジノのディーラーを演じたアンドレアス・ダニエルは、本物のカジノのディーラーです。もう一人、バハマのカジノのディーラーを演じた女性も本職のディーラーで、ピットの最高責任者だそうです。

セバスチャン・フォーカン(爆弾を作った男)

爆弾を作った男を演じたセバスチャン・フォーカンは、パルクールの創始者の一人。パルクールは、道具をなにも使わずに障害物を乗り越えてゴールを目指すスポーツで、彼のスムーズな動きが、追いかけるボンドの不器用な動きと好対照になっています。キャンベルは彼の動きはバレエダンサーのようだと語りました。

他にも、バスルームのシーンでボンドに殺害された男は、元救急専門の医師であったり、スタッフや関係者がカメオ出演していたりと、ユニークな経歴の持ち主が多く出演しています。

俳優たちに関する裏話

ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)

撮影には2台のアストン・マーチンの車が使われ、ひとつはマニュアル車でもうひとつはオートマ車でした。ダニエル・クレイグは当時無免許でしたが、どちらも運転することができました。 シャワーで縮こまっているヴェスパーをボンドが見つけたとき、彼は彼女を安心させるため、隣に座ります。このシーンはキャラクターの感情を捕らえるため、1テイクで撮影しました。ボンドは彼女を安心させなだめるために、彼女の指に優しくキスをして吸う予定でしたが、実際に撮影すると、彼は4本の指を全部一気に吸ったので、キャンベルは気持ち悪い指フェチっぽいと思ったそうです。VFXチームが指を2本消すことができたので、少し気持ち悪くなくなりました。 ポーカーで負けた後のボンドとヴェスパーのバルコニーでのシーンは、ヴェスパー役のオーディションに使われたシーンです。クレイグは8〜9人の候補の最終オーディションに立ち会いました。 ボンドはカジノで勝った後、ディーラーにチップとして50万ドル渡したという裏設定があります。

エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)

キャンベルもウィルソンも、ヴェスパー・リンドを演じたエヴァ・グリーンをとても気に入っています。彼女は真面目で美しく、いい女優だからです。彼らが特に関心したのは、彼女が個人的なスタッフなどをあまり連れて来ず、アクセントのコーチと飼い犬だけを連れて、撮影のために世界中を飛び回っていたことでした。

マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)

『007 カジノ・ロワイヤル』には、アメリカのビッグネームはほとんど出演していませんが、各国の有名俳優が多く出演しています。ル・シッフルを演じたマッツ・ミケルセンは、出身国デンマークでは主演級の俳優です。他のポーカープレイヤーにも様々な国の性格俳優を集めています。 キャンベル監督は、ミケルセンにまばたきをしないよう演出しました。これにより、ル・シッフルの卑劣な性質を表現しています。 ル・シッフルがボンドを拷問するシーンについて、ウィルソンは「彼はSMにはぴったりのタイプだ」と語っています。また、キャンベルはこのシーンでル・シッフルが少し正気を失い始めていることを指摘しています。「このシーン全てや、恋人のヴァレンカなど、多くの可能性を挙げておく必要があった」

ジュディ・デンチ(M)

ジュディ・デンチは撮影が始まるとき、キャンベルに「今回は私(M)を殺さないわよね?」と言ったそうです。 キャンベルもウィルソンも、ジュディ・デンチに惚れ込んでいます。「彼女が面白いのは、あれほどの経験を持つ女優なのに、いつも自分の演技がよくできたかを気にしていたことです。まるで初めて役をもらったみたいで、信じられなかった」とキャンベルは語っています。 Mが誰かとベッドを共にするかについて、キャンベルとウィルソンは何度も議論したそうです。結果、そのアイディアは採用となりボンドがMの自宅を訪ねた際に、Mのベッドには男性が寝ています。この役は、映画の移動コーディネーターが務めました。

クエンティン・タランティーノが監督をする可能性があった!?

まだ007シリーズのリブート(『007カジノ・ロワイヤル』)が正式に決定する前、『パルプ・フィクション』『ジャッキー・ブラウン』などで知られるクエンティン・タランティーノが007の監督を強く希望していたと言われています。 タランティーノは映画の権利を取得することまで考えていたそうです。

『007 カジノ・ロワイヤル』はカメオ出演が多い!?

『007 カジノ・ロワイヤル』はカメオ出演が多いことで知られています。 ヴァージン・グループの創設者、リチャード・ブランソンがマイアミ空港でセキュリティに止められる役、『007 サンダーボール作戦』でマイナーなボンドガールを演じたダイアン・ハートフォード、『007は二度死ぬ』でボンドガール、リンを演じたツァイ・チンがカードのプレイヤーとしてカメオ出演しています。 また、プロデューサーのマイケル・G・ウィルソンもモンテネグロの警察官役としてカメオ出演しています。

オープニングクレジットにネタバレが隠されていた!?

『007 カジノ・ロワイヤル』のオープニングクレジットシーンに重大なネタバレが隠されていました。 『カジノ・ロワイヤル』のオープニングはトランプがモチーフ、ヴェスパー・リンドの顔がハートのクイーンとスペードのクイーンの体の上に現れます。 ハートは疑いようもなくボンドへの愛の印、一方スペードはボンドを裏切る運命にあることを意味していたのでしょう。 展開が明らかになった今だから言えることかもしれませんが。

ジュディ・リンチは異なる二人のM演じている!?

ジュディ・リンチは『007 ゴールデンアイ』からピアース・ブロスナン版ボンドシリーズでMを演じ、ダニエル・クレイグ版ボンドシリーズでもMを演じている女優です。 しかし、彼女は同じMでも全く異なるバージョンのMを演じています。 例えば、『ゴールデンアイ』のMは長い間続く00プログラムに嫌気がさしていて、ある意味でボンドと敵対するキャラクターとして描かれ、『007 カジノ・ロワイヤル』のMはボンドを擁護するキャラクターになっています。(『カジノ・ロワイヤル』では新たなエージェントの設定になったとはいえ) さらに、映画や小説から分かるようにMの名前はバーバラ・モーズレーとして知られていましたが、『スカイフォール』のMの名前がオリビア・マンズフィールドでした。 どちらもジュディ・リンチが演じているMには変わりないものの、二人は別の人物ということになります。

過去のボンド作品との関連

キャンベルは、「ダニエル・クレイグは最高のジェームズ・ボンド」と言っています(1995年の『007 ゴールデンアイ』で先代のボンド、ピアーズ・ブロスナンと仕事をしていたにも関わらず)。 ボンドはのちにヴェスバーとして知られるカクテルをオーダーする際に、イアン・フレミングの原作とほぼ一言一句違わないセリフを言っています(「ゴードンズ・ジンを3つ、ウォッカを1つ、キナ・リネを半分。冷たくなるまでよくシェイクして、それから大きく薄いレモンピールを足してくれ」)。しかし、キナ・リネが生産中止になっていたので、スタッフはカクテルを再現することが難しかったようです。実際、キナ・リネは、名前をリネ・ブランに変えて現在も販売されているので、再現することができました。このカクテルは非常に強いがおいしいとキャンベルも保証しています。 ボンドが走るシーンの多くは、1965年の『007 サンダーボール作戦』で使われたバハマのホテルで撮影されています。撮影後、経営者と後援者はホテルをどうしていいかわからず、1969年には廃墟となっていました。このロケ地が選ばれたのは、今までのボンド映画の要素を受け継いでいくためだけでなく、バハマには空いている建物が少ないからで、彼らはその場所を加工して従業員や客に退去してもらうことなく撮影できました。

『007 カジノ・ロワイヤル』の裏話でした

いかがでしたか?『007 カジノ・ロワイヤル』についての裏話は、興味深いものが多くありますね。これからも007新しいシリーズがはスタイルで続いていくでしょう。新作が公開されるごとに、その裏話等を知る機会が持てることを期待しましょう。