2023年2月28日更新

映画『プリティ・ウーマン』ネタバレあらすじと感想考察 実は賛否両論?観客が感じる“気持ち悪さ”とは

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『プリティ・ウーマン』ジュリア・ロバーツ、リチャード・ギア
© Buena Vista Pictures/Photofest/Zeta Image

ジュリア・ロバーツの出世作である1990年公開の映画『プリティ・ウーマン』は、売春婦が実業家と出会いエレガントなレディに変身していく、アメリカ的シンデレラストーリー。1990年度の全米興行収入第1位となる大ヒットを記録した名作ロマコメです。 本記事では、映画『プリティ・ウーマン』のあらすじや結末までのネタバレ、別のラストシーンの存在などを解説していきます!

公開日 1990年12月14日
上映時間 119分
キャスト リチャード・ギア , ジュリア・ロバーツ
感想評価 ★★★☆☆(3.5)

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映画『プリティ・ウーマン』あらすじ

『プリティ・ウーマン』リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ
© TOUCHSTONE PICTURES/zetaimage

実業家のエドワード・ルイスはひょんなことからロサンゼルスの売春婦であるヴィヴィアン・ワードと出会いました。ヴィヴィアンは「1晩300ドルで話し相手になって欲しい」と頼むエドワードを不審に思います。 初めて来たという高級ホテルの部屋で子どものようにはしゃぐ彼女を気に入ったエドワードは、その後ホテルに滞在する6日間共に過ごしてくれたら3,000ドル渡すと約束します。 優しいホテルの支配人の協力もあり、レディとしてのマナーや身だしなみを学ぶヴィヴィアンでしたが……。

映画『プリティ・ウーマン』結末までのネタバレあらすじ

【起】実業家と売春婦の偶然の出会い

実業家のエドワード・ルイスは、友人のホームパーティーからホテルへ帰るために顧問弁護士フィリップ・スタッキーの車を借りました。ところがうまく運転できない上に道に迷ってしまいます。路肩に車を止めたエドワードに声をかけたのは、売春婦のヴィヴィアン・ワードでした。 エドワードは仕方なくヴィヴィアンに20ドルでホテルへの運転を頼みます。「相場は1時間100ドル」と吹っ掛けるヴィヴィアン。彼女のことが気になったエドワードは、ペントハウスへ招き入れ1晩300ドルで関係を持ちました。

【承】6日間を共に過ごす契約

買収予定の会社の社長ジェームス・モースと会食することになったエドワードは、「女性を連れて会食するべき」とアドバイスを受け、ホテルに滞在する6日間を3,000ドルでヴィヴィアンと契約します。 ヴィヴィアンはエドワードからドレスを買うように言われ、高級ブティックへ。しかし派手で下品な見た目のため入店を断られてしまいます。見かねたホテルの支配人がドレスを買う手伝いをし、テーブルマナーも教えてくれるのでした。 会食はモースが激怒してお開きになります。一方でエドワードとヴィヴィアンの距離は縮まって行きました。

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【転】バレてしまった素性

エドワードが変わったことに驚いた弁護士のスタッキーは、ヴィヴィアンが産業スパイなのではないかと疑いエドワードに忠告します。エドワードはスタッキーの疑いを晴らすため、彼女が売春婦であると話してしまいました。 スタッキーはヴィヴィアンを売春婦として蔑み、侮辱的な扱いをします。傷ついたヴィヴィアンはエドワードに怒りをぶつけ、契約を取り消したいと言いお金も受け取らずに出て行こうとしました。エドワードはそんなヴィヴィアンを引き止め、二度と傷付けないと約束します。 翌日、エドワードは初めて仕事を休み、2人はデートを楽しみました。最後の6日目にエドワードはヴィヴィアンに生活の援助を申し出ますが、ヴィヴィアンは「幼い頃から夢見ていた、白馬にまたがった騎士が助けにきてくれるようなハッピーエンドではない」と断ります。

【結末】ラストは夢に見たようなハッピーエンド

エドワードはモースの会社の買収をやめ、業務提携する方針にしました。儲けが吹き飛んだことに腹を立てたスタッキーは、ホテルへ行ってヴィヴィアンに暴行しようします。そこへエドワードが戻り、スタッキーを殴って部屋から追い出し解雇しました。 ヴィヴィアンは「もう一晩一緒にいて欲しい」と頼むエドワードと、お世話になったホテルの支配人に別れを告げて、ホテルを後にします。支配人はリムジンを手配し彼女を自宅へ送り届けました。 翌日、チェックアウトしたエドワードにホテルの支配人は「昨日、当ホテルのドライバーがヴィヴィアンさまを送りました」と伝えます。 エドワードはドライバーに行き先の変更を指示して、白いリムジンでビビアンのアパートへ向かうのです。途中で買った赤いバラの花束を持って、非常階段から彼女の部屋へ迎えにいき、キスをします。

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映画『プリティ・ウーマン』の感想・評価

プリティ・ウーマン
© TOUCHSTONE PICTURES /All Star Picture Library/Zeta Image
プリティ・ウーマン』の総合評価
3.5 / 2人のレビュー
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30代女性

リチャード・ギアが大人の対応すぎてめちゃくちゃときめいた!ジュリア・ロバーツも魅力的でシンデレラストーリーを駆け上がっていく感じにワクワクしちゃう。ハッピーエンドの王道ラブストーリーは観ていて幸せになる。

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20代女性

この作品が名作とされていて現代版シンデレラなのは分かるけど、やっぱり売春婦とお金持ちの男性という構図が引っ掛かってしまった。『プリティ・ウーマン』が公開された当時は、この構図に違和感なく「面白い!」という人が多かったんだろうなと思った。

【解説】暗いその後を想像させる別のラストシーン構想があった

エドワードが白いリムジンに乗った騎士となりヴィヴィアンを迎えに来る、夢のようなハッピーエンドを迎えた『プリティ・ウーマン』。しかし元々のストーリーでは、エドワードは恋人が待つニューヨークに戻り、ヴィヴィアンは売春婦に戻り街で客引きをするという結末が用意されていました。 しかもジュリア・ロバーツは、最初に読んだ脚本のラストシーンは「エドワードがヴィヴィアンを車から放り出し、お金を投げつけて走り去る」というものだったと米トーク番組「トゥデイ」のインタビューで明かしています。 元ディズニー幹部のジェフリー・カッツェンバーグによると、ヴィヴィアンは薬物の過剰摂取で死ぬことになるという暗すぎる設定もあったとか。もし当初のバッドエンド映画のまま製作されていれば、これほど長く愛され続ける作品にはなっていなかったかもしれませんね。

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【考察・感想】名作シンデレラストーリーは賛否両論?何が「気持ち悪い」のか

『プリティ・ウーマン』 リチャード・ギア , ジュリア・ロバーツ

映画『プリティ・ウーマン』は、夢のあるロマンチックなシンデレラストーリーです。ファッションや街並みも美しく、ワクワクしながら楽しめる作品でした。しかし本作は大ヒットした一方で「話ができすぎている」などの批判もあり、その中には「気持ち悪い」という声も多く見られました。 観客が感じた気持ち悪さは、やはり売春婦である女性がお金持ちの男性に買われ、彼の金でレディになるという「女性の自立」とは対極とも言える展開にあるでしょう。また「女性は“金持ちの男性に出会いたい”と思っている」という偏見を広めると不快に思っている方も多いはずです。 本作のベースとなった映画『マイ・フェア・レディ』(1964年)は、階級社会文化の残るイギリスを舞台に、下町生まれの花売りの少女が言語学の教授に出会いレディになる物語でした。それを現代のアメリカへ舞台を変えると売春婦と実業家の物語になったのは、おそらく当時の時代背景が関係しているはず。 本作は、時代背景に加え「なぜエドワードが売春婦で教養のないヴィヴィアンを本気で好きになったのか」など、深くまで考察して読み取ることでより面白くなる作品なのではないでしょうか。

映画『プリティ・ウーマン』キャスト・スタッフ一覧

エドワード・ルイス役/リチャード・ギア

リチャード・ギア
WENN.com

『プリティ・ウーマン』で主役のエドワード・ルイスを演じたリチャード・ギア。 大の日本好きとしても知られる彼ですが、これまでに2002年の映画『シカゴ』ビリー・フリン役や2000年の映画『オータム・イン・ニューヨーク』ウィル・キーン役など数多くの映画に出演しています。 本作では、仕事には厳しい実業家エドワード・ルイスを好演しました。こんな白馬の王子様が迎えに来てくれたら...。なんて思った人もいるのではないでしょうか。

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ヴィヴィアン・ワード役/ジュリア・ロバーツ

ジュリア・ロバーツ (第69回カンヌ国際映画祭)

1999年の映画『ノッティングヒルの恋人』アナ・スコット役や2010年の映画『食べて、祈って、恋をして』エリザベス・ギルバート役など、ハリウッド女優として大成功を収めているジュリア・ロバーツ。2000年の映画『エリン・ブロコビッチ』では、アカデミー賞を始めとする数多くの賞を総なめにしました。 本作『プリティ・ウーマン』では、自由奔放な売春婦ヴィヴィアン役を演じています。ヴィヴィアンは売春婦ではありますが、芯は強く体は許してもキスはダメというモットーを持っている女性。劇中では彼女の愛くるしい笑顔だけでなく、魅力的なファッションも注目ポイントです。

フィリップ・スタッキー役/ジェイソン・アレクサンダー

ジェイソン・アレクサンダー
©Graham Whitby Boot/All Star Picture Library/Zeta Image

アメリカ人俳優ジェイソン・アレクサンダーがちょっと嫌味なエドワードの弁護士フィリップ・スタッキー役を演じています。 ジェイソン・アレクサンダーは1989年から放送されたテレビドラマ『となりのサインフェルド』にメインキャストとして172エピソードに出演しました。 劇中ではエドワードを心配するあまりヴィヴィアンについて調べあげプライぺートにも口出しをするスタッキーを好演しています。

ジェームズ・モース役/ラルフ・ベラミー

ラルフ・ベラミー
©Allstar Picture Library/Zeta Image

1904年にイリノイ州シカゴで生まれたラルフ・ベラミー。1991年に亡くなるまで、62年という歳月をテレビや映画出演に費やしています。 生前は100本以上の作品に出演し、『プリティ・ウーマン』への出演がべラミーにとって最後の映画出演となりました。 ベラミーはエドワードが買収を考えている会社のオーナー役ジェームズ・モースを演じていますが、リチャード・ギア演じるエドワードとの掛け合いでは、特に名優の演技が光ります。

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ゲイリー・マーシャル監督

ニューヨーク出身の監督ゲイリー・マーシャルが『プリティ・ウーマン』の監督をつとめています。映画監督としてだけでなく、俳優として作品に出演するなど広く活躍しました。 2016年7月に死去するまでに、2001年の映画『プリティ・プリンセス』や2010年の『バレンタインデー』など多くの作品をこの世に残しています。

映画『プリティ・ウーマン』のネタバレあらすじをおさらい!

映画『プリティ・ウーマン』は、2人の風変わりな出会いから始まる恋を描く、現代のシンデレラストーリー。「お金のためなら割り切れる」というある意味似た者同士の2人が出会い、ロマンチックな夢を叶える物語をみて、前向きな気持ちになれる人も多いはずです! ネタバレを読んでもう一度見たくなった方は、ぜひ「もうひとつのバッドエンドだったら……?」と考えながら鑑賞してみてくださいね!