2017年7月6日更新

サイレント映画か!と突っ込みを入れたくなるぐらい全然しゃべらない映画10選

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全然しゃべらない映画10選!

『エッセンシャル・キリング』
© 2011 - Tribeca Film
映画においてセリフはとても大切な要素です。しかし、セリフを極限まで排除してしまった作品も存在します。 サイレント映画か!と突っ込みを入れたくなるぐらい全然しゃべらない映画を10作品選んでみました。言葉よりも大切な何かを見つけてください。

1:セリフが無いのに感動してしまうアニメーション『WALL・E/ウォーリー』【2008】

『WALL・E:ウォーリー』
milk02 ほとんど言葉を話せない主人公の2人(?)が 次第に心を通わせる姿が愛おしくて 何度も観ました。 人間が働くことを放棄した世界で必死にがんばるウォーリーがかわいくて、 切ない映画です。 どうか、こんな時代が来ませんように。
人間がいなくなった地球でゴミ処理ロボットとして働くウォーリー。いつしか感情を持ち始めた彼は、ゴミとして捨てられたロボットのイヴと仲良くなります。しかしある日イヴが宇宙船に連れ去られてしまい、イヴを探すウォーリーの冒険が始まります。 『ファインディング・ニモ』(2003)『ファインディング・ドリー』(2016)と同じくアンドリュー・スタントン監督によるアニメーション作品。本作はほとんどセリフのないアニメーションです。主人公がロボットのため喋れないのですから。にもかかわらずストーリーはもちろん、キャラクターの感情もとてもわかりやすいのです。普段アニメーション作品をあまり見ない方にもおすすめです。

2:スカーレット・ヨハンソン主演のSFスリラー『アンダー・ザ・スキン』【2014】

『アンダー・ザ・スキン』
skr_icj #eiga #movie 何かの芸術的な映像を見せつけられているかのような、試されているかのような気持ちになりながらの鑑賞。そして、なに、なにが起こり始めたの...と思ったら終わった。久しぶりに観る側に対して冷たい作品を観た気がする。全部想像すればいいのかな。自分が思った通りに受け取ればいいのかな。生命体の変化と結末が切なくて悲しい。そして夢に出てきそうなくらい衝撃的。
スカーレット・ヨハンソン演じる謎の美女に声をかけられた男性は、捕食され無残な姿に。妖艶な彼女は正体不明の地球外生命体なのですが、様々な地球人と出会ううちに彼女にも変化が訪れます。 スカーレット・ヨハンソンがフルヌードを披露したことで話題になった本作。彼女はセリフがほとんどなく無表情のままという難しい役柄に挑んでいます。見る人によって解釈がわかれる、抽象的なラストシーンにもご注目ください。

3:人間の罪を描いた残酷なドラマ『サマリア』【2004】

『サマリア』
Moto_Ishiduka 何がって言われたら答えられないんだけどただただ寂寥感に浸った。あるべきものがそこにはなくて、それはティーンが持つ華やかさだったり煌びやかさだったり、とにかくトキメキなんてワードとは程遠くて暗い。やってることは確かに綺麗じゃないけど(自分の父親と同世代の男との援交とか)汚くも見えなかった。なんでだろう、たぶん彼女たちの友情愛がみえたから。あとは父が子にもつ愛。最初にラブホの窓から飛び降りて死んだ子の親は全く登場しなくて、たぶんもう一人の子の父親の子を思うところをより鮮明にさせるためかも。 キムギドク監督の作品はいつもだけど、内容何て実は何もなくて、考えるんじゃなくて感じる映画であると思う。感じてみて初めてなにか見える。私もこの作品で全てを理解したわけではないし解説なんてもってのほかだけど、実際に観て感じてほしい。寂寥感と表現した意味がわかるはず。
旅行資金を貯めるために援助交際する二人の女子高生ヨジンとチェヨン。チェヨンが死んだことから、ヨジンはかつてチェヨンを買った客をひとりひとり訪ねて行きます。一方その様子を目撃したヨジンの父は、娘に内緒で客たちに制裁を加えるようになり…。 世界的に評価の高い韓国の映画監督キム・ギドクの作品は、セリフが極端に少ないことで有名です。本作以外にも、セリフが二言しかない恋愛映画『うつせみ』(2004)や漁船で暮らす人々を描いた『弓』(2005)など、極限までセリフを排除した独特の演出手法に注目です。

4:無骨で愛のある世界観『浮き雲』【1996】

『浮き雲』
southpumpkin 同時に職を失ってしまった夫婦の物語。薄味かつそのシュールさとで難易度の高いアキ・カウリスマキ監督作品の中では確かに初心者向けの分かりやすさだと思います。そのまま上戸彩主演で月9のドラマになりそうなお話。ですが、そのままドラマ化するには画面が常に曇り過ぎ。不況という陰鬱な社会情勢がすっきりしない画面作りからも現れています。成功と失敗というのはその場の運、という薄口ながらも鋭いメッセージが込められています。 アキ・カウリスマキ監督作品常連のカティ・オウティネンほどこの映画にしっくりくる女の人いないんじゃないでしょうか。表情筋が瀕死状態の女優さんなのですが、アキ・カウリスマキ監督が扱う登場人物そのものなのですよね。
失業した夫婦が苦労しつつも仲睦まじく暮らす様子を描いた本作。 アキ・カウリスマキは1957年生まれのフィンランドの映画監督。彼もまた台詞の少ない作品を撮る映画監督として知られています。他の作品に全編モノクロの無声映画『白い花びら』(1999)や『過去のない男』(2002)など。独特のユーモアのある世界観は日本の映画監督小津安二郎から影響を受けたそうです。

5:孤島で暮らす一家の生活を淡々と描いた『裸の島』【1960】

『裸の島』
Keimiyazato とても小さな離れ島で家族四人が暮らしています 平地の無い島で斜面に畑があり 水やりするのも過酷を極める 水やりの水も小さな手漕ぎ舟で隣島まで汲みに行きます、舟を漕ぐのも重労働 長男の学校への送り迎えも舟で隣島まで、その長男が病に倒れた時も舟を漕ぎ隣島までお医者さんを探しに、殿山泰司と音羽信子の名優二人がセリフ無しの体当たり演技で本当に素晴らしい、世界中の映画祭で賞をとった新藤兼人監督の名作です。
瀬戸内海に浮かぶ小島に暮らす夫婦と二人の子供。毎日船を漕ぎ水を汲み上げる厳しい生活を送る彼らでしたが、ある日長男が高熱を出し、父親は必死の思いで医者を探すのですが…。 一切のセリフを排除し、孤島で暮らす一家の生活を淡々と描いた、新藤兼人監督の名作です。

6:雪原を逃げまわる脱走兵のサバイバル劇『エッセンシャル・キリング』【2010】

『エッセンシャル・キリング』
tophelos 2011/09/07 第七藝術劇場 始めからきっと救いのない話だと分かっている緊張感が続く中、台詞を一切しゃべらないヴィンセント・ギャロの気迫に圧倒された。そしてずっとBGMらしいものがなかった映画の最後、エンドクレジット中の音楽に猛烈に癒された。
米軍に捕らえられたアラブ人兵士が脱走し逃げまわる様子を描いたサバイバル作品。広大な雪原の中で主人公は一切言葉を発せず、ただ息遣いのみが響き渡ります。 『バッファロー'66』(1998)で知られるヴィンセント・ギャロが緊張感のある演技を見せてくれます。

7:道に迷って歩き続ける二人組の末路『ジェリー』【2002】

『ジェリー』
Claudia_UE これ観た人と話がしたい。笑 ある意味今までで一番衝撃を与えられた映画。
ドライブ中に荒野で車を降りたところ、迷子になった青年二人組。水も食料もない中で、ほとんど喋ることなく歩き続ける二人が時々口にするのは「ジェリー」という合言葉のみ。 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)のガス・ヴァン・サント監督が実話を元に製作した本作。『オーシャンズ』シリーズのケイシー・アフレックと『プライベート・ライアン』(1998)のマット・デイモンが、日常の中に潜む不幸を淡々と演じています。

8:貧困生活をおくる一家を描く『郊遊』【2013】

『郊遊』
nagahima5050 2014.9.18.16:00〜イメージフォーラム 廃屋の壁画は賽の河原なのか そしてやはり彼岸でも彼はひとり立ち尽くすのか 映画を観ていて尿意を催した 映画のシーンにつられたせいだけでなく、気持ちが冷え、身体も冷えたからかもしれない
電気も水道もない空き家で極貧生活を送る父親と幼い子供たちを描いた本作。大人にとっては行くあてのない辛い生活も、子供たちの目線では「ピクニック」のように感じます。 台湾の蔡明亮監督も、やはり台詞の少ない作品が多い監督です。他の作品に都会に暮らす人々の孤独を描いた『愛情萬歳』(1994)やAV男優の純愛を描いた『西瓜』(2005)などがあります。

9:ジョニー・デップ主演の西部劇『デッドマン』【1995】

『デッドマン』
Satoko_Suzuki もはや芸術。詩的で絵画的で、音楽も最高。致命傷を負って、初めて生きる意味を知り、死に向かって最高の生を噛みしめる男の物語。仔鹿と横たわるジョニーさんのシーンが一番好きですす。
職を求めて西部の町に降り立った主人公。濡れ衣の罪を着せられお尋ね者となった彼は、命の恩人であるネイティブ・インディアンとともに逃亡を繰り広げます。 18世紀イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクのからの引用が各所に散りばめられた本作。ニール・ヤングのギターとジョニー・デップの切ない表情が、セリフ以上に多くを語ります。

10:無言の緊張感がすごいサスペンススリラー『ブルー・リベンジ』【2015】

『ブルー・リベンジ』
HMworldtraveller 多くを語らず、主人公の男の行動と現在進行形の『今』にフォーカスした描写は、復讐に駆り立てられる男の心理を痛々しくも静かに伝え、観ているこちらの心もひりひりしてくる。 復讐がテーマの映画というと、そのきっかけとなった出来事の内容や顛末をひととおり観客に見せるものがほとんどだと思うが、本作では動機など限られた情報しか示されず、きっかけとなった最初の事件がどういうシチュエーションで起きたのかの全貌は最後まで見えない。しかも、その出来事についてはセリフのみで映像は無い。ひたすら復讐を企み試みる今の行動を描き、セリフも少ない。主人公も特別頭が切れるわけでも、超絶強いわけでもなく、見た目も凡庸でオーラも全く無いけどそれがかえってリアリティを感じさせる。 当たり前のことだが、復讐は新たな復讐を生み、お互いの憎悪は斜面を転がる雪だるまのように増幅する。負のスパイラル。嵐の後のような静かなラストが痛々しくて悲哀と虚無感を含んだ余韻を残していく。。失ったものが大きくても断ち切らないと、また自分達に跳ね返ってきて更に何かを失う。淡々とした哀しくて寂しいラストに胸がつまった。
両親を殺されたショックからホームレスとなった男性が、出所した犯人に復讐を遂げようとするところからはじまる本作。しかし徐々に殺人の真犯人についての新たな事実が判明していきます。  2017年2月公開のスリラー作品『グリーンルーム』でも注目されているジェレミー・ソルニエ監督のデビュー作。冒頭30分は一切セリフがなく、独特の緊張感が作品の暴力性を際立たせています。