2018年1月19日更新
アキ・カウリスマキ監督映画おすすめ8選
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1:青年にとって、罪とは何か?【1983年】
whentheycry
アキ・カウリスマキ監督作品2作目。
この監督の人と人との会話のシーンが凄く好き。必要最低限の喜怒哀楽の感情をわざと切り捨てているかのようにブスッとした演技で繰り広げられる会話は引き込まれる。
女は主人公のことを「人間的な一面がない」というけど、結構感情的に見えているけど人間的な情が見えない。それだけに最後の独白は深い。
彼が殺したかったのは多分世の中の人間誰しもが殺したいものなんじゃないかなと思います。
彼もそう言ってましたね。
食肉解体工場で働く青年、ラヒカイネン(マルック・トイッカ)は、ある日仕事を終え中年男の後をつけます。ドアが開いたところで男にピストルを突きつけ、そのまま殺される男。そこに若い女エヴァ(アイノ・セッポ)が出くわしますが、驚きながらもラヒカイネンを逃がしてしまいます。ラヒカイネンにとって、罪の意識とは一体何なのでしょう?
『罪と罰』はアキ・カウリスマキが26歳の時の長編処女作です。26歳という若さからは想像できない、独特な淡々としたストーリー。カウリスマキ節はこの頃から見事に出来上がっています。必要最低限のセリフと、感情が表に出ない人間、そして対照的なロック音楽、抜群のセンスでラヒカイネンの苦悩を描いています。
好き嫌いが大きく別れる作品ですが、好きな人はとことんハマる、カウリスマキ色たっぷりの映画です。
2:お世辞にもカッコいいとは言えない男性の、人としての魅力が詰まった映画【1986年】
ゴミ清掃車の運転手であるニカンデル(マッティ・ペロンパー)は、老いた同僚の死をきっかけに独立を試みますが、うまくいきません。いつも通うスーパーのレジ係、イロナ(カティ・オウティネン)をデートに誘うも、うまくいきません。そんな中イロナも、ふとしたことがきっかけでスーパーをクビになり、腹いせに仕事先のお金を盗んでニカンデルのところは転がりこみます。
マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンが初共演した、アキ・カウリスマキ監督の長編第3作です。マッティ・ペロンパーならではの演技が、映画の雰囲気全体を作っています。
3:南への渇望を抱く、主人公の放浪を淡々と描いた映画【1988年】
失業したカスリネン(トゥロ・バヤラ)は、自殺した父のキャデラックで南を目指しますが、ヘルシンキに向かう途中のドライブインで、強盗に教われ全財産を奪われてしまいます。その時出会った婦人警官イルメリ(スサンナ・ハーヴィスト)と、その息子リキ(エートゥ・ヒルモカ)に、不思議な愛情を抱きます。
その後、金を奪った強盗犯に殴り掛かり逮捕されるが、刑務所で同室のミッコネン(マッティ・ペロンパー)と共謀し、脱獄に成功した後、国外脱出を計画します。果たしてその先に明るい未来はあるのでしょうか?
波乱万丈でありながらも淡々とし、ブラックユーモアたっぷりのカウリスマキ節による、ハードボイルド映画です。
4:とにかくリーゼントにしたくなる映画?!【1989年】
Ryohei_Shiota
予想以上にコメディ映画でけっこう笑わせてもらいました。
貧しさの中に愛が散りばめられていて、最後はほっこりさせられるところは流石ですねぇ♪
Satoko_Suzuki
まだ監督の名前も知らない頃に、主役のバンドの出で立ちだけで、観る事を決めた作品。
爆笑モノかと思ってみたら、全然違っていました。アメリカに降り立ったトンガリリーゼントにトンガリ靴にサングラスのバンドメンバー達の、カルチャーギャップにクスりと笑えますが、それだけじゃない不思議な空気がずーっと流れて行きます。
monoral_stereo
最高にクール
メンバー全員がカチカチに固めたリーゼント頭で、サングラスをしているという特徴的なスタイルのロックンロールバンド、レニングラード・カウボーイズ。彼らを利用しひと山あてようと企むマネージャーにそそのかされ、アメリカに渡るという、ロードムービーです。
アキ・カウリスマキが、主演のマッティ・ペロンパーと共にシュールな笑い満載のおとぼけ映画に仕上げています。
5:淡々とした日常は彼女にとって不幸なのか、幸せなのか【1990年】
southpumpkin
マッチ工場で働く不幸な少女のお話。会話を必要最小限にしスタイリッシュなんだが決して観づらくない映画です。不況の煽りを受けたどんよりとした雰囲気の中で、感情を表情にほとんど写さない女の子が黙々と淡々と生きていく。そんな中でサラリーマンにナンパされてから人生の歯車が狂い始めます。
オープニングの工場のシーンはアキ・カウリスマキ監督処女作『罪と罰』の序盤でも確か工場でしたよね。主人公はごく一般、もしくは社会的に虐げられている側の人間であることの象徴なのでしょう。マッチができていくの面白い。そのマッチがこの映画における重要なキーツールだと思います。
ところでこの日本語版のジャケットが、もう映画の内容と全然違って面白い。こんなポップな映画じゃないです。
フィンランドの田舎町のマッチ工場で働く少女イリス(カティ・オウティネン)は、母(エリナ・サロ)と怠け者の養父(エスコ・ニッカリ)と、平凡に暮らしていました。平凡な少女の生活が、ドレスを衝動的に買ってしまったその日を境に一変します。イリスは不幸が続き、最終的には復習を決意します。
グラスに毒を盛るなど、かなりブラックな内容なのですが、恐怖感ではなくユーモアを感じさせるところは、アキ・カウリスマキ監督ならではのセンスだからこその作品です。巧みなカット割り、セリフの少なさの中に光る音楽、カティ・オウティネンの演技の賜物と言えるでしょう。
6:失業から這い上がろうとする夫婦に差し込む希望の光【1996年】
southpumpkin
同時に職を失ってしまった夫婦の物語。薄味かつそのシュールさとで難易度の高いアキ・カウリスマキ監督作品の中では確かに初心者向けの分かりやすさだと思います。そのまま上戸彩主演で月9のドラマになりそうなお話。ですが、そのままドラマ化するには画面が常に曇り過ぎ。不況という陰鬱な社会情勢がすっきりしない画面作りからも現れています。成功と失敗というのはその場の運、という薄口ながらも鋭いメッセージが込められています。
アキ・カウリスマキ監督作品常連のカティ・オウティネンほどこの映画にしっくりくる女の人いないんじゃないでしょうか。表情筋が瀕死状態の女優さんなのですが、アキ・カウリスマキ監督が扱う登場人物そのものなのですよね。
honeytone56
元気づけられる、じんわりと沁みる作品
ヘルシンキでイロナ(カティ・オウティネン)とラウリ(カリ・ヴァーナネン)は、慎ましくも幸せに暮らしていました。ある日ラウリは不況のため、リストラ候補になります。一方妻のラウリも職を失い、夫婦は不幸のどん底に陥ってしまいます。試行錯誤しながら資金を集め、ようやくふたたび2人でレストランを開店することができました。はじめは全くこなかったお客さんもちらほら見え始め、2人は浮き雲を幸せそうに見上げます。
『マッチ工場の少女』でも主演の少女役を務めたカティ・オウティネンが、不幸続きの中でもなんとかして這い上がろうとする、けなげな妻を好演しています。度重なる不幸の中、終了直前にかすかな光が見える場面も、アキ・カウリスマキならではのセンスある演出です。
7:記憶喪失になった男の再出発をゆるく描いた、安定のカウリスマキワールド【2002年】
Ryohei_Shiota
淡々とした映画だったけど、そこにある人間の温かみやユニークさがずっと流れていて、見ていてくすりと笑わされたりホワッとさせられたり、非常に楽しませてもらいました。
名前が無くても記憶がなくても、人は人と繋がり助け合いながら生きていくものだし、
人と繋がれば気力も湧き行動力も増す。
行動すれば良いことも悪いことも転がっていく。それでいい。
なんかそんなメッセージを受けました。
southpumpkin
久しぶりにアキ・カウリスマキ監督作品を鑑賞しました。暴漢に頭を殴られ記憶を失った男が自立していくお話。今まで見た映画の中では最もコメディ色が強いように感じましたし、シュールで淡々とした絵柄がクスリとさせました。相変わらず表情筋をほとんど動かさない登場人物が言ってしまえば棒演技で淡々とセリフを読み上げています。しかし例えば、今回もその表情筋のが際立っていたカティ・ウティネンがピクリと口元をほんの一瞬だけ動かすだけで、まるで演技ではなく本当に笑っているかのように見えます。
他の方のレビューにもあるように僕もアキ・カウリスマキ作品には3か3.5をつけるようにしようと思います。本作は彼の作品の中ではコメディですし見やすい方なので3.5にしています。アキ・カウリスマキは結構お気に入りの監督です。
ヘルシンキに流れ着いた男(マルッキィ・ペルトラ)は、暴漢に教われ死にかけてしまい、過去の記憶をすべて失ってしまいます。自分の名前すら分からない男に、コンテナで暮らす一家が手を差し伸べます。その後、救世軍の女性イルマ(カティ・オウティネン)と出会い、2人は恋に落ちますが・・・?
ストーリーは平凡で、淡々と進んでいきますが、それこそがアキ・カウリスマキの世界。2002年カンヌ国際映画祭でグランプリ、主演女優賞を受賞した作品です。
8:人の温かさ、難民問題、夫婦の在り方を描いたヒューマンストーリー【2011年】
ampgf
静かで穏やかなやさしさ、 ゆったりと流れる映像が心地よい
honeytone56
アキ・カウリスマキ監督の作品。
派手さはなく、じんわりと優しい気持ちになれる作品。
人との繋がり、信頼、愛。
何気ない日常に潜んでいる、日常。
kanenokosan
すごい好き。
近所じゃ奇跡は起きないわ
って言葉すきー
得点映像のアキカエリスマキのことば、
だが、昨日はなくならない
ってやつみて涙止まらなかったww
芸術家のマルセル(アンドレ・ウィルム)は、昔パリで暮らしていましたが、今はル・アーヴルで靴磨きをして生活しています。妻(カティ・オウティネン)と愛犬ライカとの幸せに暮らしていましたが、ある日妻が病気で入院してしまいます。その後、アフリカからの難民少年イドリッサ(フロンダン・ミゲル)と出会い、彼をかくまうことになるのですが・・・?
アンドレ・ウィルムとカティ・オウティネンが仲むつまじい夫婦を演じています。ありふれた人々の、優しい心温まるヒューマンストーリーです。