2017年3月9日更新 1,205view

『アウトレイジ』に学べ!カッコいい啖呵の切り方【名言・名セリフ】

ヤクザの壮絶な権力闘争を描いた、北野武監督の代表作の一つ『アウトレイジ』シリーズ。バイオレンスにまみれた男達の物語の中には、たくさんの名言や名セリフが散りばめられています。その中からいくつか紹介しながら、物語の面白さに迫ります。

ヤクザの壮絶な抗争を描いた北野武監督『アウトレイジ』シリーズ

『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』

1989年の『その男、凶暴につき』から2015年の『龍三と七人の子分たち』まで、これまで17作品を監督してきた北野武。その多くの作品が国内外で高い評価を受け、今や「世界のキタノ」と呼ばれています。

「キタノブルー」と言われる独特の色調、過激極まるバイオレンスを主な特徴にしていますが、中でもとりわけ残忍なヤクザ同士の抗争を描いた作品が15作目の『アウトレイジ』、そして続編となる『アウトレイジ ビヨンド』です。

シリーズ化したのは北野作品では初のこと。さらに2017年には完結篇となる『アウトレイジ 最終章』が公開予定とのことで、再び大きな盛り上がりをみせそうです。今回は、簡単なあらすじを紹介した上、劇中に散りばめられた数々の名言・名セリフを紹介することで作品の魅力に迫ります。

まずは両作品のあらすじ紹介<ネタバレあり>

『アウトレイジ』【2010年】

関東を牛耳る巨大暴力団である山王会の関内会長が、傘下の池元組が麻薬に手を染めた村瀬組と通じていることを知り、村瀬組を締めよとの指令を出します。実際に手を汚すことになったのがさらに下部組織である大友組でした。

大友は、村瀬組解体には成功するものの、そのことで内部抗争も絡んだ恨みを買い、背後で操る山王会の策略に巻き込まれていきます。山王会では、若頭の加藤が関内を殺害し、二代目会長の座に……。

熾烈なヤクザ抗争のど真ん中に放り込まれた大友は、知り合いの刑事の助言により刑務所に入ることで身の安全を確保。ところが、そこには、大友を恨む村瀬組若頭だった木村が先に服役していました。

『アウトレイジ ビヨンド』【2012年】

1作目から5年がたち、加藤が支配する山王会はさらに巨大化。政界にすら影響力を持つに至った権力を危惧した警察が山王会壊滅を企て、関西を牛耳る花菱会を利用します。ところが当初の計画は頓挫し、そこで目を付けたのが大友でした。

刑務所で木村に刺されて死んだというのは嘘。実は生きており、刑務所出所後はヤクザの世界から距離を置いて身を隠していました。片岡刑事にうまく乗せられ、大友は和解した木村とともに、復讐のため山王会に戦いを挑むことになります。

加藤会長を殺すことには成功したものの、木村が殺害されてしまいます。その裏に片岡刑事の策略があったことに気づいた大友は、今度は銃口を片岡に向けるのです。

大友(大友組組長)の名言

『アウトレイジ』

「てめえ、破門しといて遊びにくんのか、この野郎。ぶち殺すぞ! こらぁ!」

二枚舌を駆使し、私欲のためなら平気で仲間を裏切る池元。自らを破門した池元を闇カジノで見つけた大友が放ったセリフです。下劣な池元についにぶち切れる様がある意味爽快。「舌を出せ」と言われて舌を出した池元に銃砲がぶち込まれます。

「木村さん、あんたが謝るこっちゃねえよ。悪いのはこっちのほうだしな。あんたの顔にくらべりゃ俺の腹なんか、どうってことねえ」

刑務所で木村に刺されて死んだことになっていた大友。実は、大友の命を守るための片岡の策略でした。後に、大友と木村が再会。互いに謝罪し合い、兄弟の契りを結ぶのです。しかし、その背後には再び片岡の汚い思惑が。二人はそれにまんまと乗ってしまいます。

「ヤクザにも守んなきゃいけない道理があんだよ」

木村との関係について、大友が片岡に呟くクールなセリフです。「道理」という言葉が重く、大友の男らしさ、情の深さが見事に垣間見えるセリフです。

加藤(山王会若頭→二代目会長)の名言

『アウトレイジ』

「いいかお前、誤解されるようなことするなよ。兄弟ってのも大事だけど、親子はもっと大事だからよ!」

山王会の若頭だった加藤が、傘下にあった池元組の池元に放ったセリフ。組織の上下関係より、横の村瀬組との関係を重視していることを痛烈に批判しているのです。「兄弟」と「親子」という表現がまさに極道の世界。このことがきっかけで、壮絶な闘争の口火がきられるのです。

「なんかやったんですかって、俺たちが知るわけねえだろう。どうして死んだか調べるのがそっちの仕事だろうが」

山王会の会長になった加藤のところにやってきた担当の片岡刑事。片岡の後任だった山本が殺されたことで、その理由を尋ねるためでした。すると、加藤はこう言い放って軽くあしらうのです。さすがの貫禄は、ある意味胸がすく思いすらします。

石原(大友組金庫番→山王会若頭)の名言

「俺らヤクザだってこと忘れてねぇよな?」

大友組の金庫番だった石原が、グバナン大使から報酬アップを要求されて言い放つセリフ。しかし、実は石原が裏で一部をピンハネ。それを隠して平然と言い放つあたり、後の変貌を予感させます。

「いくら古参の幹部でも、調子に乗ってると容赦しねえぞ、この野郎!」

ただの金庫番から、やがて関東を牛耳る山王会の若頭まで上り詰める石原。その片鱗を見せる凄みのあるセリフです。富田が殺されて動揺する白山らに向かって吐いた言葉です。

「チンピラ一人殺れねぇってのは、どういうわけだこの野郎! 岡本! お前んところはどういう教育してんだ!」

チンピラとは大友のこと。大友が生きていることを知った石原が逆上し言い放ちます。かつてのボスである大友という男の怖さは、実は石原が一番よく知っているのです。

片岡(マル暴刑事)の名言

『アウトレイジビヨンド』

「汚ねえヤクザだな、この野郎! てめえは手汚さないで若い衆に殺らせて、しらばっくれんのか! ふざけんなよこの野郎!」

殺人容疑で逮捕した大友を片岡が取り調べ。その最中、大友にむかって偉そうに啖呵を切ります。しかし、見事に大友から反逆を食らうのです。

「うるっせえなあ! 俺はマル暴だぞ?山王会をどうやって潰すか、いつだって考えてんだよ!」

片岡が担当になってから山王会が巨大化したと言われてしまった片岡が、反論したセリフです。刑事らしい正義感に満ちた言葉ですが、その裏で汚く暗躍していることは周知の事実。その落とし前が最後につけられます。

「手ぶらですか? 先輩ならハジキくらい持ってくると思ってましたが。花菱の皆さん、中にお揃いですよ。持っていきますか?」

木村の葬儀にやってきた大友が片岡と対面。大友は、片岡が木村殺害の裏にいることを見破っていました。片岡はこう言って大友に手渡した拳銃で自ら射殺されてしまいます。『仁義なき戦い』を彷彿とさせる名場面です。

その他人物の名言

「村瀬はどうしたんだよ! こんなはした金とガキの指を持ってきやがって、なにが詫びだこの野郎!」(水野・大友組若頭)

謝罪のためにやってきた村瀬組若頭だった木村に対して、大友組の水野が吐いたセリフ。大友は、木村の顔にナイフの刃をたて、後の恨みの根を植え付けることになるのです。武闘派として知られていた大友組の残忍さがよくわかる場面です。

「会長がわざわざ忙しいのに会ってくださってるっちゅうのに、帰るやと、こら? お前らが帰るか帰らんかは、こっちが決めるんじゃい、ボケ!」(西野・花菱会若頭)

関西を牛耳る花菱会。若頭の西野がやってきた大友と木村に対して吐く、貫禄のあるセリフです。関西弁によるドスの効いた迫力ある口調ですが、大友にはあまり効果がありません。

「これで、いいんすか! 山王会ぐらい、俺らだけで獲ってみせますよ!」(木村・木村一派)

花菱会に命を狙われる状況に、木村がなんと左手の小指を自分で噛み千切った後に放つ覚悟のセリフ。その凄まじさに圧倒され、周囲が騒然となりました。

「あいつは前に、大友を裏切っとるやろう。一度、人を裏切った奴は、何回でも裏切りよる」(布施・花菱会会長)

花菱会会長の布施と山王会会長の加藤が対峙。あいつとは石原のこと。加藤は石原の裏切りを知るのです。さすが花菱会の会長らしい、凄みのあるセリフです。

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