映画「アウトレイジ」シリーズネタバレあらすじ解説!3部作の順番や最終章の魅力も徹底考察
北野武監督によるヤクザ映画「アウトレイジ」シリーズは、同監督の作品群のなかでも高い人気を誇るシリーズです。計3作が製作された本シリーズには、どんな魅力があるのでしょうか。 この記事では「アウトレイジ」シリーズ3作のネタバレあらすじや魅力を紹介します。
映画「アウトレイジ」シリーズの順番&あらすじ一覧!

- 『アウトレイジ』(2010年)関東最大の暴力団・山王会の会長である関内は、麻薬ビジネスに手を出している村瀬組を締めるよう傘下の池元組に命じます。池元組組長はこの面倒事を配下の大友組に押し付けますが……。
- 『アウトレイジ ビヨンド』(2012年)勢力を拡大し、政治の世界にまで手を伸ばすようになった山王会。その勢いを削ぎたいマル暴の片岡は、関西最大勢力・花菱会との抗争をけしかけるため、死んだと思われた大友を刑務所から出所させます。
- 『アウトレイジ 最終章』(2017年)韓国のフィクサー・張会長のもとに身を寄せた大友。しかし花菱会の若頭・花田が張グループを相手にトラブルを起こします。一触即発の事態となるなか、花菱会では内紛が勃発。そこへ大友が帰国します。
1作目『アウトレイジ』あらすじ【ネタバレなし】
関東最大の暴力団・山王会の会長である関内は、弱小暴力団・村瀬組が麻薬ビジネスに手を出していることを快く思わず、傘下の池元組に村瀬を締めるよう命じます。しかし池元は村瀬と兄弟盃を交わしており、面倒な役割を配下の大友組に押し付けることに。 しかし村瀬を殺害したことで大友は山王会を破門されてしまい、理屈に合わない仕打ちに激怒。大友組と池元組の間で抗争が始まります。
映画『アウトレイジ』全編ネタバレ解説!

関東で最も巨大な勢力を誇る暴力団である山王会の会長、関内は池元組と村瀬組が協力していることを快く思わず、なんとか二つの組の中を裂こうとし、池本組に対して、村瀬組に制裁を加えることを命令します。 兄弟杯をかわした間柄の組に危害を与えたくない池元組は、配下にある大友組に村瀬組の制裁を命じることに。大友組は村瀬組の経営するバーに組員の岡崎を客として潜り込ませ、村瀬組組員飯塚を事務所におびき出します。そして後日、飯塚の責任を取って謝罪に来た村瀬組の木村に、指詰めの強要や顔に傷をつけるなどの暴力行為に出ました。 大友組に復讐心を燃やした木村は、岡崎を殺害。これがきっかけとなり抗争が勃発します。村瀬は脅しを受け、引退、村瀬組は解散となりました。解散後、元村瀬組の組員からグバナン大使館での麻薬の密売の話を聞きつけた大友は、良い儲け話になると思い闇カジノを提案。大使を脅して密売を認めさせます。 元村瀬組組長、村瀬が麻薬との関りがあることがわかり、危惧した池元は大友に殺害を命令。村瀬殺害後、騒動が大きくなり警察が介入してきます。騒動の引き金となった大友は破門にされてしまいますが、納得がいかず山王会会長関内に直訴。 しかし、村瀬殺害の件は池元の独断であるとごまかされてしまいます。関内会長が裏で大友を消そうとしていることをかぎつけた刑事の片岡は、大友に出頭を進め服役させることに。しかし、大友は恨みを持ち続けていた木村に獄中で刺されてしまい――。
2作目『アウトレイジ ビヨンド』あらすじ【ネタバレなし】
前作から5年。山王会は勢力を強め、政界にまで影響を及ぼすようになっていました。これを脅威に感じたマル暴の片岡は、関西最大勢力の花菱会に山王会との抗争をけしかけますが失敗。そこで刑務所で生きていた大友を出所させ、彼を利用しようとします。 大友を裏切り、今は山王会で若頭を務めている石原は大友からの復讐に怯え、彼を始末するよう部下に命じます。大友は狙撃され、木村の部下の若者2人が命を落としたことで、ヤクザ稼業から足を洗おうとしていた大友は復讐を決意します。
映画『アウトレイジ ビヨンド』全編ネタバレ解説!
内部抗争の後、さらに規模と影響力を拡大し続ける巨大な暴力団、山王会。山王会大友組の石原は、その金儲けのスキルを買われ、若頭まで出世していました。その後政治スキャンダルの発覚で、山王会の影響力を危惧した警察が動き出し、片岡刑事が担当することになります。 片岡は山王会の勢力を抑えるため関西の巨大暴力団花菱会に助けを求め、山王会トップの加藤を滅ぼすように持ち掛けました。しかし、花菱会は、陰で山王会と繋がっていたのです。目論見が敗れた片岡は、出所してきた大友に声をかけます。また、前作で大友を恨んで障害事件を起こしてしまった木村もそそのかし、二人をうまく操って一連の問題の解決をさせようと企み始めました。 片岡に言いくるめられた大友と木村は和解し結託、花菱会に近づいて山王会をつぶそうとします。花菱会は山王会の先代会長である関内の死の真相を組員に語らせ、加藤にこれは石原のせいだと密告し、山王会全体を不穏な空気に巻き込みます。 関東の山王会と関西の花菱会の巨大抗争が起こったことを満足げな表情で眺める片岡。大きな組同士が互いにつぶしあってくれれば、自分の手を汚すことなく手柄を立てることができる、そう考えていたのです。しかし、そのたくらみはすべて大友に見抜かれており、片岡は憤慨した大友に射殺されてしまいます。
3作目『アウトレイジ 最終章』のあらすじ【ネタバレなし】
3作目となる『アウトレイジ最終章』には“最終章”の文字があることから、今回で一連のシリーズは完結します。シリーズはどのような終焉を迎えるのでしょうか? 2010年公開の『アウトレイジ』では、巨大組織である山王会の内部抗争を、2012年の『アウトレイジ ビヨンド』では、関東の山王会と関西の花菱会との巨大抗争を描いた北野。 最終章ではピエール瀧演じる花菱会の花田が、日本と韓国を股にかける巨大勢力の手下を殺したことによって新たな争いが生まれます。それをきっかけに、韓国に腰を下ろしていた大友が満を持して日本に戻ってくるのです。
映画『アウトレイジ 最終章』全編ネタバレ解説!

日韓の裏社会を牛耳る張のもと韓国で平穏な生活を送っていた大友ですが、花田の部下は次第に過激になり、ついに張が襲撃を受け、復讐を決意します。 日本に帰国した大友は、加藤、木村、片岡殺害の容疑で逮捕されてしまいますが、張が手を回し、すぐに釈放されます。張グループの同僚・市川らが合流し、手始めに木村組の組長・吉岡らを殺害。しかし花菱会会長の野村が差し向けたヒットマンに銃撃され、市川と大友だけが生き残りました。 そんななか、野村と対立している花菱会の若頭・西野らから野村を襲うよう依頼された大友。幹部の出所祝いで野村を狙うはずでしたが、野村が会場に現れなかったため西野らは計画を中止させよう。しかし大友と市川は会場に乗り込んで、花菱会構成員のほとんどを殺害。その後、西野の手引きで野村と花田を始末しました。 しかしこのことが原因で張に警察と花菱の両方から圧力がかかり、張は大友を殺害する決断を下します。張の側近である李から「これ以上、会長に迷惑をかけないでください」と言われた大友は、ケジメは自分でつけると言い、「会長によろしく」と言い遺し、自ら頭を撃ち抜くのでした。
「アウトレイジ」シリーズはキャストが豪華すぎる!
「アウトレイジ」シリーズには、豪華キャストが集結しました。ヤクザを主人公にした映画のため毎回死亡キャラが多数出ますが、3作それぞれに多様な俳優が起用されています。 その例となるのが、椎名桔平や加瀬亮でしょう。2人はそれぞれすでにキャリアを築いていましたが、これまでとは全く違うイメージの役を演じ、俳優としての幅を広げました。
大友/ビートたけし

主人公の大友組組長・大友を演じたのはもちろんビートたけし。 1980年代の漫才ブームで漫才コンビ、ツービートのビートたけしとしてデビューし、過激で型破りな芸風で一世を風靡します。 ツービート解散後もお笑い芸人として活動をつづけ、1989年には、映画『その男凶暴につき』で初主演、初監督を務めました。1997年には監督作品『HANA-BI』がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し大変な話題となりました。
水野/椎名桔平

大友組若頭・水野役を演じたのは椎名桔平。 椎名桔平は、1993年に出演した映画『ヌードの夜』で注目を集め、1995年のドラマ『いつかまた逢える』や1996年の『Age,35 恋しくて』の出演を機に知名度と人気を得ます。 2019年にはNetflixオリジナルシリーズ『愛なき森で叫べ』で主演を務めました。
石原/加瀬亮

加瀬亮が演じるのは大友組組員の石原という男。冷酷で野心家のインテリヤクザという難役を、見事に演じ切りました。 彼は2003年の映画『アンテナ』で初主演を務めたのち、『硫黄島からの手紙』などの海外作品に数多く出演し、俳優としての評価を得ます。2007年には主演映画『それでもボクはやってない』で数々の賞を受賞。2023年には北野武監督の『首』で織田信長を演じました。
「アウトレイジ」シリーズの中でも最終章は名作!見どころは
「コメディ」の要素が追加される

今までの「アウトレイジ」シリーズから、飛び交う銃弾と怒号、血飛沫、グロテスクな描写などから緊迫感あるバイオレンス映画を想像する方も多いのではないでしょうか? そのような今までの特徴に加えて、本作では新たな要素が加わっています。それは「コメディ」。 ヤクザ独特の語気が強い関西弁の喋り方に加えて、時々挿入される「ボケ」のような発言が本作では多くなっており、緊迫感あるシーンとのコントラストが非常に強い印象を受けました。中でも西田敏行のセリフが面白いシーンがいくつかあり、必見のシーンとなっています。 もちろんバイオレンス、独特の緊張感、実力派俳優たちの「顔の演技」は健在で、エンターテイメント色がかなり強くなっています。
監督・主演を務める北野の思いは

「最終章」の監督・主演は、過去の2作品でも同じく監督と主演を務めた北野武です。本シリーズは、まったく新しいヤクザ映画であり、「バイオレンスエンターテイメントの世界を表現したい」とインタビューで語っていた北野。自身が手掛けた作品の中でも、最もエンターテイメント色の強い作品、とも述べています。 また「いろんなことを盛り込んでいるが、やっぱり“俺の映画”になっちゃう」ともコメントしており、エンターテイメント色はより強く、前作をはるかに超える世界が広がっているのではないでしょうか。
ベネチア国際映画祭のクロージング作品に選出!
2017年8月30日よりベネチアにて74回目となる映画祭が開催されました。この映画祭の最終日、授賞式後に『アウトレイジ最終章』を世界最速ワールドプレミアとして上映。 本シリーズはこれまでカンヌとベネチア映画祭にそれぞれ出品されており、記念すべき映画の“最終章”がクロージング作品に選ばれたことは願ったり叶ったりだったと言います。 また映画祭で「バイオレンスに疲れた」と言う北野は、次回作について明らかにした場面も。自らが書き下ろした恋愛小説『アナログ』を映画化するようです。
「最終章」出演の“顔面世界遺産”キャストが集結!

9月25日に行われた「最終章」のジャパンプレミアで、本作に出演している北野武をはじめとする総勢13名のキャストが登壇。西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊など強面キャストが揃って、新作に寄せた思いを語りました。 監督・主演を務めた北野武は「アウトレイジ」シリーズを長続きさせようと思えばできたと言いますが、「ここでいったん締める」と潔くコメント。次回作の純愛映画に関しては「失敗すると思うので、またバイオレンスに戻る」と今後の展望について語りました。 また「最終章」からシリーズに参加した大森南朋は、「ずっと出たかった」と言います。1作目に加瀬亮が出演したこと、2作目に桐谷健太、新井浩文が出演したことに嫉妬しながらもオファーを待っていたと、ユーモラスにコメントしました。
ヤクザ・大友の生き様に刮目せよ!

策略と裏切りが渦巻くヤクザの世界。昔気質の大友をはじめ、個性豊かで恐ろしいキャラクターたちや、多種多様なバイオレンス描写が「アウトレイジ」シリーズの魅力です。 この魅力をぜひ味わってみてください!


